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2019.09.06 Fri

未来のコンビニプロジェクト最終回
~「コミュニティ形成の拠点」「地域プラットフォーム」など、コンビニの未来は可能性にあふれていた!~

私たちの暮らしの中の様々なシーンで活躍している暮らしに寄り添ったコンビニ。お弁当や日用品、最近ではクリーニングサービスや荷物の受け取りまで、その時代に必要とされるライフラインとして便利な商品やサービスを輩出し続けてきました。
次の時代に求められるコンビニを一緒に描き、その時代に求められる暮らしのニーズや便利を再定義する『未来のコンビニプロジェクト』がスタート。2019年1月から計5回のワークショップを実施しました。UXデザイナー、料理人、農家、地域おこし協力隊などさまざまなバックグラウンドを持つ参加者総勢47名が、有識者へのヒアリングやフィールドワークなどを経て、普段見えているコンビニから一歩踏み込み、隠れた課題や本質を考えながら、提言したコンビニの姿とは?

今回は5月25日に開催したプロジェクト最後となる成果発表会と、100BANCH2周年祭ナナナナ祭期間中に開催したスピンオフイベント「未来のコンビニトーク」の様子を、未来のコンビニプロジェクト運営メンバーのオオヤマタカコがレポートします。

最終成果発表会は、浜離宮にあるパナソニック株式会社コネクテッドソリューションズ社(CNS社)本社ビル内に今年設置されたカスタマーエクスペリエンスセンターにて開催。未来のコンビニプロジェクト参加メンバーが、各々がフォーカスしたいテーマごと9チームに別れて考えた「未来のコンビニ」を発表しました。

①ニューリテールな社会でのコンビニ

②地球の健康

③インフラ再定義

④未来のコンビニ店舗

⑤Huvlab.

⑥働きやすいコンビニ

⑦チーム当事者意識

⑧コンビニライフスタイルラボ

⑨コミュニティとTech

 

当日は13時にスタート。最初にチームごと2分間の提言ピッチを行った後、事前に用意したパネルを使い、会場内に用意したブースで展示説明会を実施。講評者としてお越しいただいたCNS社員や招待客の皆様にプロジェクトの説明を行い、参加者全員で特に気に入ったチームへ投票をしました。最終的には上位4チームに7分間のプレゼンテーション時間が与えられ、来場者全員の前で発表を行いました。

 

CNS社樋口社長にも講評者としてご参加いただきました。

講評者ご紹介時には会場からどよめきが起こりました。

①ニューリテールな社会でのコンビニ

買い物弱者に着目したコンビニを考えた「ニューリテールな社会でのコンビニ」チームは、全ての人たちが取り残されなず、さまざまな立場の人が買い物を楽しめるコンビニを描けないかと提案しました。未来のコンビニではテクノロジーの発達のおかげで利便性が高まり、家から出なくても買い物が完結するようになると過程。外出が困難な方や、対面でのコミュニケーションが苦手な方といった買い物弱者でも、手にとって商品を選ぶ楽しみを損なわずに買い物ができるVRコンビニによって全ての人が快適な買い物体験を行えるようになると主張しました。

 

②地球の健康

「地球の健康」チームは、地球にとって健康なコンビニを提案しました。これから起こりうる社会課題を時間軸で分け、時間軸に沿って分析し、2040年に想定しうるコンビニの姿を描きました。シェアリングエコノミーやサブスクリプションを活用した廃棄の少ないサービスや商品提供のあり方、宿泊機能を併設させてモバイルハウスの中継拠点にするなど、2040年の暮らしや社会課題解決に特化した提案を行いました。

 

③インフラ再定義

「インフラ再定義」チームは、未来のコンビニを考えるにあたり、未来の暮らしにおいてなにがコンビニエンス(=便利)なのかを分析、コンビニエンス=社会に価値をもたらす、ストア=インフラ拠点と定義。B2Bとしてのコンビニを提案しました。ロジスティックス機能を兼ね備え、人口減少、所得減少、買い物・交通・医療・介護難民など、将来的に起こりうる地域課題を解決する自立分散型組織を中心とした地域拠点のコンビニを提案しました。

 

④未来のコンビニ店舗

「未来のコンビニ店舗」チームは、ECの普及などで店舗型ビジネスの危機が叫ばれる中で、アイデアと技術の力でリアル店舗にブレークスルーを起こす提案を行いました。精力的なフィールドワークとユーザーニーズの分析を生かした「現場感」と「生活者目線」に基づくコンセプトによって、消費者・店舗・本部・地域の「四方よし」を実現することを目指し、1分で気持ちの切り替えが行えるBOXルーム、触覚にアプローチした新しいマーケティング方法、地域と繋がるプレミアム店舗、地域コミュニティの起点になるコンビニについて話しました。

 

⑤Huvlab.

「Huvlab.」チームは、現在個人が抱える課題と2040年に向けて必要なこと、今のコンビニに必要とされているものを掛け合わせた未来のコンビニを描きました。この先起こりうる幸福度の低下や、地域社会の分断、つながりの希薄化などのが引き起こすであろう心の病や孤独などといった将来的な暮らしへの不安を解消する手口として、個人同士の繋がりが持てる、コミュニティ形成に特化したコンビニを提案しました。

 

⑥働きやすいコンビニ

「働きやすいコンビニ」チームは、2040年に、コンビニに関わる全ての人が働きやすく、働きたいと思えるコンビニの実現を目指した提言を行いました。近年問題視されている過労死や業務過多、人手不足、アルバイト人材に対する軽視を解決するため、成果報酬や業務単位での報酬制度の提案や、タスク単一化などの業務別の好きや得意に特化したアルバイトの戦力化、顧客のマナー改善などを行うことにより、従業員の労働課題を解決するコンビニの必要性を未来のコンビニ機能を介して解いていました。

 

⑦チーム当事者意識

「チーム当時社意識」は、「何かしらの生きづらさを抱えている人に寄り添う」という原体験を持っているメンバー3人が集まりました。生きづらさを抱えている人が「I’m sorry(すいません)」ではなく「Thank you(ありがとう)」と言える解放区としての未来のコンビニを描きました。「真のにぎわいは、そこからはじかれる人がいない状態でつくられる」という立脚点が、SDGsの「世界の持続可能な開発・発展・成長・活性化・にぎわいは、誰一人とりのこさない世界の実現によって可能となる」という理念へ到達することに目を向けることで、2040年のコンビニは、少しでも社会にはじかれた人も優しく包摂するコンビニエンスを提供する場所であってほしい。と強く主張しました。

 

⑧コンビニライフスタイルラボ

「コンビニライフスタイルラボ」では、AI/機械化が進んだ社会で、労働や移動が短縮し、人々の暮らしに余白が増えることを想定。多様な価値観、暮らし方、働き方、生き方に対応する新しい生活拠点の一部としてのコンビニを提案しました。場所についても、今のように実店舗ではなく、オフィスの下や空き家や古民家など、場所の制限なくインストールができるコンビニを目指したいと語りました。

 

⑨コミュニティとTech

「コミュニティとTech」チームは、「知産地商」というコンセプトのもとコンビニが地域の多様性に基づいた繋がり・文化を生み出す中心になるだけでなく、地域から新しい形の豊かさを生み出す存在になると主張。コンビニに地産地消や小商いをサポートする役割や、スマホで呼べるコンビニを提案し、地域におけるニーズを解決するプラットフォームとしてのコンビニを提案しました。

 

 

展示会では、1時間にわたりチームごとのブースでパネルや自作の冊子を使い、他の参加者や招待客に向けて提言の説明を実施。その後、発表会の参加者全員で投票を行い決まった上位5チーム(4位が同点で2チームだったため)に7分間の発表を行なってもらいました。

投票の結果は以下

1位:huvlab.

2位:未来のコンビニ店舗

3位:コンビニライフスタイルラボ

4位:コニュニティとTech、働きやすいコンビニ

 

コンビニライフスタイルラボの発表後、講評者であるカフェ・カンパニー株式会社 代表取締役社長 楠本修二郎さんからは、「カフェカンパニー設立時の企画書には、今後人口が減っていく社会において、集客は日常使いをしてくれるエブリデイカスタマーしかないという発想のもと、コミュニティの起点やライフスタイルのハブとしてのカフェの話を盛り込んでいた。コンビニという場所がコミュニティ化していく姿を考えるとワクワクする」とコメントをいただきました。

また株式会社リ・パブリック共同代表の市川文子さんは、プロジェクトチーム全体に対して「ビジョンが良いチームもアイデアが良いチームもたくさんあって、それぞれのチームの良いところを繋げたらすごく良いものが生まれるのではと感じました。なのでお互いにフィードバックし合うことでさらに良い未来のコンビニが生まれるのでは」とアドバイスをいただきました。

以上成果発表の後は、講評者も交えた懇談会を実施。参加者同士や講評者を交えたコミュニケーションが行われました。

 

 

また、7月8日には100BANCHの2周年祭「ナナナナ祭」にて、スピンオフイベント「未来のコンビニトーク」を開催。平日月曜日開催にも関わらず大勢の方にお越しいただきました。イベントでは各チームの提言の他、2チームに分かれパネルディスカッションを実施。未来の暮らしにおいて予想される暮らしの細分化における多様性、選択肢の自由、シェアリングエコノミーの可能性により、暮らしを根本から支えるコミュニティの起点になるようなコンビニが将来的に求められるのではないかという話で盛り上がりました。

 

未来のコンビニプロジェクト2.0

5ヶ月間にわたり開催された未来のコンビニプロジェクトは終了。、現在参加者が考えた提言を次に繋げるべくプロジェクト冊子を9月末完成に向けて制作中です。完成版は100BANCHにて配布される予定なので、各チームの提言、またプロジェクト全体について興味のある方は、是非9月末以降100BANCHにお越しくださいますよう、お願いいたします。

WRITER

Food Waste Chopping Partyプロジェクト

大山 貴子

リーダー

EarthommUnity 代表。東新宿の実験トライアングルコミュニティスペース&自然派カフェ「みせるま」ディレクター。 米ボストンサフォーク大にてゲリラ農村留学やアフリカで人道支援に従事、卒業。ニューヨークにて新聞社、EdTechでの海外戦略、広告代理店コピーライターを経て、「みせるま」に参加。小さな街角スペースから発信する平和活動を食を通じて行っている。2017年春よりEarthommUnityを立上げ、サステイナブルな暮らしの提案を行う。

#食