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未来のコンビニプロジェクト 第4回 ~最終報告会に向け、自分たちが描きたい「未来のコンビニ」を見つめなおす

早いもので未来のコンビニプロジェクトは第4回目を迎えました。今回で100BANCHを会場にしたワークショップは最後。次回の最終成果発表会に向けて、未来のコンビニプロジェクト参加者の熱量はさらにヒートアップしてきています。未来の暮らしに寄り添うコンビニの姿はどんなものなのか?
未来のコンビニプロジェクト運営の大山貴子がレポートします。

最終報告会まであと1回!

第4回目の未来のコンビニプロジェクトを4月20日に開催いたしました。5月25日にパナソニック株式会社CNS社カスタマーエクスペリエンスセンターで開催する最終成果発表を1ヶ月先に控えた今回は、チームごとの現状共有だけではなく、本プロジェクトに対する参加者一人一人の声や思いを一度棚卸し、言語&ビジュアライズ化することで、未来のコンビニに対する解像度を高めるワークショップの時間を設けました。

本日はなんと菓子メーカーに務める参加者からアイスクリームとお菓子の差し入れをいただきました。コンビニライフスタイルlab.チームのメンバーであるお二方、アイスクリームのカップには「CVS LS Lab. ice break」とチーム名が書かれたシールが貼れてあり、細かい作り込みに運営一同感動。当日は気温が暖かかったこともあり、参加者全員でアイスクリームを堪能しました。ありがとうございました!

本日のワークショップでは、最初の30分間は各チームに分かれ、今日までの間に考えてきた視座についてグループ内でのディスカッションを行いました。コンビニライフスタイルlab.チームでは、チーム内最年長の参加者が、未来年表で2040年に予測されていることを読みときつつ、同じチームの若いメンバーに20年前の暮らしがどうだったかを話していました。当時は、当然ながらスマートフォンがなく、二つ折りのガラパゴス携帯が主流。Windows95が発表される前はインターネットの認知度も低く、パソコンもウェブサイトも主にテキストベースだったことを回顧しながら、2000年に話題になりつつあったインターネットなどのテクノロジーが、約20年後の現在で主流になっていると指摘。現在から20年後の2040年という近未来において、最近着目されているドローンなど最先端テクノロジーが当たり前に使われるようになるのでは?と話していました。それを踏まえてイメージした未来のコンビニは、食べ物をシェアできる場所になったり、人々が集まる拠点になっていったりするのでは?という予想をシェアしていました。

 

「未来のコンビニ」像をより鮮明に ~個人ワーク~

グループ内の現状共有時間の後は、未来のコンビニの解像度を上げるために、個人レベルで考えるワークショップを実施。これまで行ったチームで設定した問いを深める議論や各セッションでのワークショップを振り返る時間を設け、最終的にはそれをチーム全体で共有し、改めて最終提言で大切にしたいポイントをまとめる作業を行いました。

まずはじめに、ワークシートを使いながら20分間1人で考える時間をとり、各々がイメージしている「未来のコンビニ」を言語化&ビジュアル化してもらいました。

参加者にはワークシートを使い、自分と向き合いながら以下の問いを考えてもらいました。

①2040年、あなたが描くコンビニはどんな姿に?3つのキーワードと絵で。

②①で描いた未来のコンビニについて、もう少し具体的に。

③あなたが描く未来のコンビニを実現するために、どんなプロジェクトが必要?

個人ワークでは参加者一人一人、未来のコンビニに対するビジョンを絵や文字を使い考え、解像度を高めた様子でした。地球の健康チームのメンバーである鍼灸師の参加者は自身が考えている未来のコンビニについて、地域の高齢化や、過疎化、またコンビニなどの店舗がテクノロジーの発達により必要ではなくなるを考えると、空き家・空き店舗がどんどん増えていくのではという課題を前提にした未来のコンビニのあり方をビジュアル化していました。使われなくなった古民家を再利用したコンビニを絵で表現。そこには、必要最低限の日用品が販売されていつつ、シェアキッチンが併設されており、作った食べ物をシェアできる、人の温かみを感じることができるコミュニティ空間が描かれていました。また、必要最低限の栄養源が取れるような完全食を販売するコーナーも儲けることで、他者との接点を求める人、効率化を求める人の両方面から食べることや健康であることについて提案できる場を考えたいと話していました。

 

各チーム、最終発表に向けた進捗状況を共有

ワークショップの後は、各々がビジュアル化した未来のコンビニ像の中で他のチームメイトとの共感度が高かったものや、提案作りに重要だと感じた要素を全体で共有し、議論する時間に。その後、ワールドカフェ形式で各チームごとに現在議論している内容を共有しました。

コンビニエンス(便利)の新定義を考える「便利チーム」は、そもそもコンビニは要るのか要らないのか、未来のコンビニに求められるものは何かを中心軸に議論を行なっていると全体へ共有。未来のコンビニにおいて、物流や機能面が発達に着目し、Eコマースなど家にいながらコンビニでものを買うのと同じ便利さで買い物ができるようになるのではと予想しているそうです。人が日常生活を送る上で外に出歩く必要がなくなる一方で、人と人が繋がる場が必要になってくるのではという問いのもと、小売よりもコミュニティとしての役割のほうが強くなると話しているとチームメンバーが説明していました。

またそうなった場合のマネタイズをどのようにおこなっていくかという話もされていました。小学生から高齢者まで多様な人種が集まりフラットに対話できたり、コワーキングスペースを設けたりと、リアルなコミュニケーションが出来る場所として未来のコンビニが活躍できるのではないかという意見でチームメンバーの考えがまとまりつつあるが、AIやテクノロジーによってコストダウンが実現しうる会計業務などと比べて、コミュニティデザインは人によるマネージメントが必要不可欠であることから、これらの人件費をどのように捻出するかが課題だと話してしていました。聴聞していた他のグループの参加者からは、アメリカでは、運営も全て利用者に任せ、はらいたい分だけ払うというシステムのレストランの事例がある。このモデルであれば、様々なバックグラウンドの人も集まりやすくなるし、人件費も無理なく捻出できるのではというフィードバックがありました。また他にもコワーキングスペースは利用料を取れる、売り上げを作るという点で言えば、コンビニをコミュニティとして利用する人たちが欲しいものがあれば大丈夫なのでは?という指摘をしている参加者もいました。

また、お客さん目線ではなく、コンビニに関わる全ての人を対象にした問いを設定している「働きやすいコンビニチーム」では、前回フィールドワークで訪問したスマホ会計ができるコンビニで感じた、商品を手に持ちながらの会計が想像以上にスマートではないという気づきをベースに議論を重ねていました。その結果、テクノロジーを介した業務フローはもしかしたら利用側や働く側にとって、あまり優しくないのではという疑問や、生産性向上のみを意識したテクノロジーやAIによる業務の自動化が進むに連れて、従業員のモチベーションを高めることが粗末にされてしまうのではという、雇用に対するソフトな面での課題意識が生まれたそうです。

このことから、現状として思いついたことは、従業員のアレクサやSiriのようなAIアシスタント機能を小型化し、普段着けている名札のようにそれを身に着け、従業員との密なコミュニケーションを行います。会計や商品の在庫管理などをAIアシスタントが担いながら、「出勤お疲れ様でした。」などといった、声がけを行うことで従業員のモチベーション向上につながるのではと議論しているそうです。前回発表時に話していたRFIDを活用した無人レジの導入など、そもそも従業員の人数やタスクを減らすというよりも、あくまで従業員の働きやすさにフォーカスし、人間の働き方に寄り添うテクノロジーを考えていくことが、このチームが設定した問いの答えになるのではと話していました。また、今、コンビニ従業員が感じているであろう働きにくさから働きやすくするというマイナスから0に引き上げるだけではなく、働きたくなるようなシステムを考えたいと今の思いを共有していました。そしてコンビニだけでなく、コンビニに商品が届くまでのサプライチェーンの川上から川下に関連する全ての人が働きやすいと感じるコンビニを考えたいとチーム内で話しているそうです。これに関して他のチームの参加者から、働きたいコンビニとはどんなものか、働きにくいと感じている従業員の目線にたったシナリオを作ってみると何か気づきがあるかもしれないというフィードバックがありました。

第4回目のワークショップでは、次回の最終成果発表に向けて個人レベルで自分たちが向き合っているテーマの未来のコンビニ像を考えていただきました。各チーム、この内省ワークショップを経て改めて自分たちの思いを共有し合い、目指すコンビニ像が明確にビジュアライズされたのではと思っています。第5回目の最終成果発表まであと数週間。ここからどんなアイデアが生まれるか、今から楽しみです!

 

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