EVENT REPORT

2022.07.07 Thu

ナナナナ祭の見どころを一挙に紹介!「オープニングイベント」レポート

  • #ナナナナ祭2022

3年振りに100BANCHの本拠地・渋谷での開催となったナナナナ祭。初日の7月1日の夜には、オンラインによるオープニングイベントが開催され、ナナナナ祭の概要や各プロジェクトリーダーによるプログラムの紹介、また、今回のナナナナ祭を機にスタートした100BANCH woodsの取り組みも発信されました。趣向を凝らしたプログラムが次々と紹介された、オープニングイベントの様子をレポートします。

まず、ナナナナ祭でプロジェクトマネージャーを務めた庭野が登壇。オープンから5周年となる100BANCHの概要を改めて紹介するとともに、コアプログラムであるGARAGE Programにこの5年間で838のエントリーがあり、264プロジェクトが採択されて活動していることを紹介。100BANCHという名前のごとく、たくさんの人やエネルギーが集まる場所へと成長してきたことに、感謝の言葉を伝えました。

そして、今年のナナナナ祭について概要を紹介。

庭野:100BANCHが渾身のエネルギーでお届けするのがナナナナ祭です。多くの方に日頃の実験の成果をご覧いただくとともに、一緒に未来を作っていけるようなイベントになればと思って企画してきました。3年ぶりとなる渋谷での本格開催。7月1日から10日まで、100BANCHプロジェクトと共にお待ちしています。

ナナナナ祭・プロジェクトマネージャー 庭野里咲

 

続いて、ナナナナ祭のメインビジュアルを担当したグラフィックデザイナーの大日向伸さんが、メインビジュアルに込めた想いを語りました。大日向さんは、ガレージプログラム40期生で、Color Fabのリーダーとして活動していました。


ナナナナ祭のメインビジュアルを担当した大日向伸さん

大日向さんは、100BANCHでは「Color Fab」というプロジェクトで、3Dプリンティングによって新しい色彩を作るという活動をしていました。それがきっかけで、今は「積彩」と名前を変えて、事務所を立ち上げ、その代表をしています。

100BANCHで作っていたのは、遊色瓶という、見る角度によって色が変わる不思議な花瓶。これは色自体を素材にして3Dプリンターで細かい配色をしながら積み上げたもので、昨年のナナナナ祭山口キャラバンでは、遊色瓶の販売も行いました。


100BANCHで作っていた「遊色瓶」

今回手がけたメイングラフィックについて大日向さんは「モチーフにしたのはマンデルバルブという3次元フラクタル図形で、フラクタル構造というのは、単純な数式からカオスな形状が生まれてくるものですが、そこが100BANCHの在り方と近いと思って採用しました」とのコンセプトを語りました。

大日向:例えば、則武さん(100BANCHオーガナイザー)が、Zn+1というような100BANCHのルールというか、こうしてみようみたいなことをやったときに、そこから人と人が出会ってどんどん分岐して、拡散していく。それがn=100とか1000になっていくころには、則武さんが想像もしてこなかったようなカオスが生み出されていくような、そういうエネルギーが100BANCHにはあると感じたので、そのエネルギーをこういうグラフィックでデザインしました。


ナナナナ祭のメインビジュアル


メインビジュアルの元となったマンデルバルブ


簡単な数式からカオスが生まれる

続いて、ナナナナ祭2022のプログラム紹介が行われました。ナナナナ祭2022では、イベントと展示を合わせて全部で31のプログラムが用意されていますが、オープニングイベントではそのうち20を超えるプログラムがプロジェクトメンバー自身によって紹介されました。

 

ちびっこがつくったTシャツ屋さん/WAQ!!! 安田舜

安田:子ども達が自分の好きを思い思いに描いたラクガキをTシャツに載せて届けるアパレルブランドです。今回はこれまでに行った創作ワークショップで生まれた作品をセレクトしました。子ども達は好きなものを描き、あなたは好きなものを選ぶ。そしてその売上げで、子ども達が参加するワークショップの費用を無料にします。好きという気持ちを起点に大人も子どもも交わり、輪を広げていくあたたかいお店です。是非きてください。


このようなTシャツが売られている

 

発明曼荼羅 – Multiverse –/The 21st century da Vinci 滝本力斗

滝本:今回発明とは何か、発明家とは何かということを啓蒙するために、ワークショップと展示を行います。ワークショップでは、「退屈な未来に君の空想を」ということで、社会に対して何かしらネガティブな印象を持っている人たちが多い中で、いかにそれをわくわくする世界に変えるかというところを一緒に考えていきたいと思っています。発明は想像したことを現実にすることに他ならないのですが、そのためにどのようなアクションをとるかということを一緒に考えていきたいと思っています。

もう一つが、「発明曼荼羅」で、これは発明ってどういうことなの? というのを図像化したものです。これをきっかけに皆さんと対話しながら、発明について考えられればと思っていますので、是非いらっしゃってください。

 

100人の人生のターニングポイントマップ/Univerity of Universe 今村柚巴

今村:私は大宇宙大学というプロジェクトを行っています。100年後には大学や学校というものが概念化すると私は考えていて、今は学校に通う時に東京は東京、地方は地方という一つの場所にこだわっていると思いますが、そういう垣根や学校という場所を超えて、いろんな場所でいろんな人の学びを得ていくような世界を目指すプロジェクトです。

今回、「人生のターニングポイントマップ」というWebサイトを作りました。これは世界地図の中に、自分の思い出といった人生の岐点となった場所がマッピングされていて、そマッピングされた場所がハッシュタグで同じような場所を調べられるサイトです。今回100BANCHに来ていただくと、私が話を聞いて、その場で場所をマッピングします。

また、7月9日には「100年後の学校」というテーマで、学校の中の学びを作った人、外の学びを作った人、そして私の3人でクロストークをします。オンラインでも見れるので是非チェックしてください。

人生のターニングポイントマップ

 

幸せのスナップショット/Physics As Art 加藤雅貴

加藤:私は数式を使ったアートを作っています。今回は数式の原点に立ち戻りました。ニュートンは重力を数式にして可視化し、アインシュタインは時間を数式にしました。私が考える新しいサイエンスでは、人間の内面や表現を可視化することが重要で、今回は人々の感情や人々の幸せを数式によって可視化して、アートとして表現するイベントを開催します。声を取得して、色ごとに幸せを表現して、お土産として200円で持って帰れます。

 

物語の橋/Be in your shoes 柏原瑚子

柏原:私がベネチアから帰国して東京で暮らしている中で感じた、居心地の悪さみたいなものに対して、「嫌だなあ」という気持ちをただ言い続けるだけではなくて、何か面白いアプローチででみんなと一緒に楽しみながら、東京という街、東京に住む人をエンジョイしたいとプロジェクトを立ち上げました。

今回のナナナナ祭では、渋谷にある見えなくなってしまった物語をピックアップして橋をかけました。来場者が一人ずつ橋の上でスクリプトを開けて、来場者一人だけが上演を行っているような状態を作る予定です。橋を降りるときには、渋谷にかつてあった景色とかを感じて、新しい渋谷との関係性をみんなが作れればいいなと思っています。

 

100BANCH farm/YASAI no CANVAS 瀬戸山匠

瀬戸山:僕は「YASAI no CANVAS」という、野菜のペーストで食パンにお絵描きをすることで食育とか個食をなくすことプロジェクトをやっています。今回は100BANCHとコラボということで、

「100BANCH farm」という移動式の畑を100BANCHの前の渋谷川に設置しました。。みんなで作って、みんなで食べる、「渋谷系循環型農園」がテーマです。100BANCH farmにはみなさんができること6アクションが書いてありますので、そのアクションをして、野菜を食べに来て下さい。

 

血糖値を色に変えてみようワークショップ/Langerhans 細目圭佑

細目:Langerhansでは、糖尿病をテーマに血糖値を可視化するプロジェクトをやっています。みなさんは健康だと思うので、糖尿病といってもはて? という感じだと思いますが、世の中には小さい子でも先天的に糖尿病になったり、女性が妊娠を機に糖尿病になることもあり、今10人に1人くらいが糖尿病です。

その人達の課題として、血糖値管理が面倒臭いとか数値で管理するのが大変ということで、それをもっと既存の医療機器ではなく色に可視化するとか音に変換するとか、ちょっとアート寄りにすることで、少しでも慢性的な辛さを解放しようという課題解決をやっています。

一方で、100年先の目線でいくと、血糖値を可視化するというのはバイタルデータを自分の外に出して可視化することだと思っていて、それっていわゆる人間拡張でもあるし、健常者もバイタルデータを可視化して、日々の生活に活かしていくみたいなことの先駆けなんじゃないかなと思っています。今の患者さんの課題感と、未来の人の在り方を行ったり来たりするプロジェクトになっています。

 

存在する写真/SHINON 髙野洋

髙野:私は今回「存在する写真」をテーマに展示をしています。21世紀になって写真という技術はデジタルの時代に入ってきていると思います。InstagramとかSNSとかでフローとして流れていく写真というものに、あえて昔のフィルム時代のような1枚の写真を印刷して形に残すことで、一つ一つの写真により価値が生まれるんじゃないかなと思って、展示物をいろいろ作りました。

今回は、奈良の枯れた木にまだ生きている森を焼き付けたり、仙台の街の開発のときに生まれた砂をガラス化することで土地の色が残し、そこにモノクロの写真を載せて街の完成された絵を土地の色と一緒に一つの作品にしたりしています。

 

薬草ものがたり/the herbal hub 新田理恵

新田:私はずっと薬草文化という面白いものがあまり知られていないのがもったいないなと思って、7年間かけて全国を回ってきました。それを今回「薬草ものがたり」という形で集めていこうと思っています。会場には薬草地図を置いてますので、みなさんにとっての薬草物語を書いてもらったりしながら作っていけたらと思っています。薬草茶の量り売りなどもやっています。

 

薬剤師の解剖展・調剤喫茶farmateria◆ナナナナ屋台/調剤喫茶ファルマテリア 福井彩香

福井:私たちは薬剤師なんですが、薬剤師ということはあまり言わずに、街角とかで屋台を出して漢方茶を配りながらみなさんとお話をしています。なかなか日常の中で、健康の話をすることが少ない中で、おしゃべりの中で社会的なものとか、人と話す中で健康について考えるきっかけができればと思ってやっています。

今回は展示とイベントをやります。展示は「薬剤師の解剖展」として、薬剤師がどんなことを考えているをイラストや文章で紹介しています。持ち帰りできそうな薬剤師川柳も作っているので、よかったら是非ピックアップしてみて下さい。

生薬を使ったクラフトジンジャーシロップのかき氷も週末出しています。大人の味ですが是非食べに来て下さい。

 

人間湯~ナナナナ祭版・納涼冷水足湯~/all-gender-spa-sauna-with-sharehouse 楽

楽:僕がやっているプロジェクトは「オールジェンダーサウナ」というもので、LGBTQとか、男湯女湯で分けられるとちょっと行きにくいすべての人に、サウナや銭湯を提供します。もっとやりたいことは、それを使って政治を変えることで、ジェンダーマイノリティの人達のために法制度を変えていきたいと思っています。

ナナナナ祭では、お茶や花を浮かべてジェンダーマイノリティのレインボーフラッグである6色の足湯に浸かりながら、自分の属性やマイノリティ性を考えていけるプログラムを用意しています。是非遊びに来て下さい。

 

Asemnle MOCK-PLAMO Life/MOCK-PLAMO 境悠作

境:MOCK-PLAMOは、木製の1/1でプラモデルのように組み立てて使うことができる家具キットの開発を進めているプロジェクトです。我々が普段活動している岩手県の釜石市は、311で非常に大きな被害がありました。それらの経験を元に、防災だったり、避難所、仮設住宅で使える家具を開発したいということで、企画がドリフトして進んでまいりました。

今回のナナナナ祭では「災害との共生」がテーマで、ソファの横板で、地震や津波、火事をモチーフにしたオリジナルのデザインを起こして企画を進めてきました。

また、災害が起きたときだけでなく平時でも活用できるよう、家具の組み立てを行いながら、人々が有機的に関係性をもって自主防災組織というものができあがるような関係性を作るためのワークショップもオリジナルで企画しましたので、お時間のある方は是非ご参加下さい。

 

昆虫食解体新書~超未来宇宙編~/bugology 大西陽

大西:僕達は「bugology」というプロジェクトをやっています。僕達は2018年にデザイナー集団で、当時はまだ環境問題の手段だった昆虫食を、どうやって美食にできるのかというのをデザイン視点でいろいろ考えてきました。

今回は、宇宙でどうやって生存できるのかをテーマに、昆虫を宇宙に飛ばして見ようということを考えました。NASAや論文などを調べたのですが難しくて面白くないので、2152年に月面で遭難したバクスターという主人公が、どうやったら昆虫食やいろんな食を通して生き残っていけるのかという話を小説にして、各リファレンスに大学の資料を一緒にして、一冊の資料として落とし込んでいます。

 

チャイ飲むかい?/インドからの刺客 高野一樹

高野:インドでは頻繁に聞かれるこの言葉。きっとインドの秘密があるに違いない。おはようでもこんにちはでもなく、最初にかける言葉が「チャイ飲むかい?」。果たして友達が増えるのか、それとも誰かが騙されるのか、ナナナナ祭ではみなさん、身の回りにご注意下さい。

 

納豆で奏でる竹のある未来/natto pack2.0 鈴木真由子

鈴木:私は竹がたくさん放置されて廃棄されているということを知りました。納豆の容器に今は発泡スチロールのものが使われていますが、もっと自然に優しいもの、環境にいいものを作れないかということで、今回竹紙を使った納豆を作りました。

府中にある登喜和食品さんという納豆会社さんが特注で作ってくださっています。すごく美味しくて、竹紙納豆を器のようにして食べることができます。

最後に、ナナナナ祭を機にスタートする100BANCH woodsの取り組みについて、オーガナイザーの則武さんが説明しました。


100BANCH オーガナイザー 則武里恵

則武:私が100BANCHで5年間にわたってに出会ってきた264ものプロジェクトは、それぞれがそ自分の信じる未来を持っていてそのアプローチ方法も本当に多様なのですが、未来に対する真剣な想いであるとか、次の世代とか地球に対して責任感みたいなものを持っているところとか、そういうところはきっと共通していると思っています。

次の5年、10年のはこの芽がもっともっとすくすく育って、今はまだ100BANCHにいない人達の未来への想いを一緒に育てていけるような場所に100BANCHがなっていくといいなと思っています。

そのためにも、私たちが日頃立っているこの地球の未来というところと、自分達が作りたい未来、その両方を一緒に育めるプロジェクトとして、次の命を育む森作りにチャレンジしたいと思って「100BANCH woods」を企画をしました。

100BANCH woodsという取り組みは、ナナナナ祭に来ていただいた方にもご参加いただける企画で、それぞれの未来への願いと一緒に苗を預けることができます。植えた100BANCHで守り育てる場所を「願いの杜」と呼んでいますが、願いの杜で半年くらい育てた苗は、冬になったら、和歌山県の山に植えに行こうと思っています。

そして次の世代となるどんぐりを拾ったりしながら、今木が植えられていない山にもどんどん木が育つようなことにみんなで取り組んで、自分達が立っている地球のことに想いをはせたり、自分達が作りたい未来について、50年後のこと100年後のことを考えるみたいなことができたらいいなと思っています。

続いて、このプロジェクトを共同で進めるsoma no baseのらいらい(西来路亮太)が、自身のプロジェクトと100BANCH woodsについて説明しました。

西来路:soma no baseは、土砂災害のリスクの低い山作りを目指して和歌山県を拠点に森作りに関わる事業を行っている会社で、森林に関わる研究、どうやったら災害リスクの少ない森作りができるのかという研究を行ったりとか、企業さんと一緒にどんな山作りをしたらいいのかということを考えながら森作りをしていくという事業を行っています。

願いの杜は100BANCH woodsのシンボルとなるようなモニュメントで、ナナナナ祭に参加したみなさん全員で作り上げる、一つの渋谷に現れた杜になる予定です。

森林保全に募金とかはよくあると思いますが、お金ではなく、実際に山に戻って20年、30年をかけて大きく育っていく苗木に想いを乗せていただくことで、あの私が刺した苗木って今どうなってるんだろうとか、木ってどういう風に育つんだろうとか、豊かな森ってどんな森なんだろうとか、自分の身近な山でもいいので関心を向けてもらうきっかけにしてもらえる場所になってくれたら嬉しいです。

イベントの最後には、庭野さんが再び登壇、100BANCH woodsのデモンストレーションを行いました。

100BANCHの3階に用意されたたくさんの苗の中から好きな苗を1本選んで、白いポッドに植え替えます。そして、「自分はこういう未来を作る」という宣言を、用意しておいた木の輪切りに書いて飾り、願いの杜に預けるというのが一連の流れです。参加者は会場の設備を利用して、願いの杜と一緒に記念写真を撮影することもできます。

お土産として記念写真も撮影できる


100BANCHがお届けする「未来を育てる夏祭り ナナナナ祭2022」は、7月10日まで開催中です。100BANCHのメンバーや卒業生たちが描き出す未来と、その実現に向けての過程を直接シェアする年に1度の機会。ぜひ熱い想いを感じにきてください。会場に来れない人でも、オンラインでの参加が可能なものもあるので、まずは特設ページをチェックしてください!

ナナナナ祭2022特設ページ

https://100banch.com/nanananasai/2022

WRITER

100BANCH編集部