- メンバーズボイス
Space Mongology - 超未来宇宙編 - 昆虫食が描く虚構と現実の新世界—ナナナナ祭2022を終えて
昆虫食はニュースタンダードな食文化になるのか!?
「昆虫食」プラットフォーム兼メディア「bugology」を立ち上げ、現状ゲテモノかスーパーフードとして認識されている。
「昆虫食」を、ヴィーガン料理のような食文化におけるニュースタンダードとして普及させたい。
現状の昆虫食は未分化な状態であり非常に不安定な分野である。 しかし、長期的に見ると新しい文化となりうるだけの可能性を秘めている。
2013 年にFAO(国際連合食糧農業機関)の昆虫食に関する報告書”Edible insects Future prospects for food and feed security” の発表以降、世界各地で「昆虫食」が注目されるようになり、関連企業や関連研究が増加の一途を辿っている。
各々が独自の路線で「昆虫食」を社会実装している現状に対し、それらが体系化されることのないまま、一過性の流行 食として消費されきってしまうことを我々は懸念している。
こうした状況に対し、WEB メディア「bugology」を立ち上げ、乱立する「昆虫食」についての情報を中立的に集積し、 整理し、発信していくことで、「昆虫食」を食文化のひとつのニュースタンダードとして体系化し、人類が昆虫を食材と して受け入れ、グルメとして享受する日常の到来を加速させる。
同時に、「昆虫食」関連企業や活動家、研究者、料理家を中心に、他ジャンルのクリエイターや企業とコラボレーション しイベント・ワークショップを行う。こうした多様な体験を提供することで、老若男女を問わず、広く一般にまで「昆虫食」 への興味を持ってもらい、未来の食文化の土台作りに参加してもらう。
WEB メディアとイベント・ワークショップの両軸を運営することによって、「昆虫食」についての理解と体験を繋ぎ、食 文化におけるニュースタンダードとして「昆虫食」を確立する。
1.【「昆虫食」× 他ジャンル 】イベントの定期開催サイクルの立ち上げと、試験運用
これまで3-4 回に渡って不定期に開催してきた、昆虫食分野の起業家・クリエイター・料理家・バーテンダー・理論家などが一同に会するBUGOLOGY イベント「昆虫食解体新書」を、「昆虫食」と他ジャンルとのコラボレーションをテーマに、定期開催のイベント・ワークショップとしてアップデートする。
既存の食文化や昆虫料理に囚われず、他ジャンルのクリエイターや料理家たちが” 多角的に”「昆虫食」を実験することで、器、カトラリー、空間設計、音響、ファッションといった、料理を取り囲む食文化全体としての「昆虫食」を実験的に実装し、来場者と共に昆虫食の未来を構想していきたい。
2. 「昆虫食」特化の WEBメディア「bugology」の立ち上げ
上記の定期イベントによって、他ジャンルのクリエイターたちが生み出す「昆虫食」のプロダクトや言論、そしてその検証結果である来場者のレスポンスなどをアーカイブ(集積・整理)するメディアを立ち上げたい。
アーカイブした情報をデータとして運用可能なものへと転換し、客観的な視座に基づいて未完成の食文化「昆虫食」の方向性をディレクションし、発信していくことで、100 年後のニュースタンダードとなりうる可能性を最大化したい。
そのために、メディア運営による情報の集積、発信、食文化のディレクションというサイクルによって、現状ゲテモノかスーパーフードとしてしか認識されていない「昆虫食」のイメージをどれだけ変えていけるのか検証したい。
Bugology は数年内にメディア運営を確立させ、昆虫食分野をリードするひとつのハブへと成長させたい。 我々が掲げる目標は、「美味しい昆虫食の創作」ではなく、昆虫食の「一般層への普及」と「新しい食文化としての成立」 であることを強調したい。
こうした目標は、個人やひとつの集団だけによって、一朝一夕に達成されるものではないが、 昆虫食のアクター達を巻き込み・導くような仕組みやサイクルを構築することはできる。こうした仕組みこそが、「昆虫食」 メディア”bugology” である。
「昆虫食」に関する情報を集積・体系化したアーカイブを作成するとともに、そのアーカイブが人々のリファレンスとなることを目指すメディアだ。 多くの食文化は長い時間をかけて知の体系や技術の体系を作り上げてきた。
しかし、” より速く・より多く” を産めるよ うになったこの現代社会を逆手にとり、” より速く・より多く” を集め、体系化し、伝えていくようなメディアを確立できれば、「昆虫食」を十数年で豊かな食文化へと育てることができるかもしれない。
また、昆虫食分野をリードしていくためには、ネットメディアの整備だけでは不十分であり、より広い他分野に参加を呼びかけるコラボレーションイベントの運営によって、段々と豊かになっていく「昆虫食」のハブとしてBugology が機能する必要がある。
他分野からの参入を促すイベントを定期開催・フランチャイズ化していくことで、より多様な「昆虫食」 の生産を助力していき、結果として豊かな情報リソースを獲得する。
イベントはメディアへのリファレンスを生み、メディアは新たなイベントへの参加者を生む。こうしたサイクルを数年内に確立し、企業体あるいはNPO として運用していきたい。
美味しく、洗練された「昆虫食」が日常を彩る未来、それこそがBUGOLOGY が実現したい未来である。現状、FAO(国際連合食糧農業機関)のレポートが示すように、昆虫食は世界規模で爆発する人口増加に対応するための逃げ道としてのスタートを切ったばかりだ。
この流れから予測される未来において、昆虫は世界の貧しい者たちへの最低限で安価なタンパク源でしかない。
Bugology はこうした未来の方向性を修正し、効率的な栄養源でありながら(あるいは、そうであるからこそ)、未来の食糧を支えるだけでなく、「食べること」の未来を豊かにするような「昆虫食」を広く一般に普及させたい。
既存の豊かな食文化は長い時間と多くの人々の生活のなかで、知の体系や技術の体系をジェネラティブに作ってきた。”より多く・より速く” 作り、消費できるようになった現代社会を逆手にとり、「昆虫食」を体系化していく仕組みづくりによってBugology は豊かな未来の到来に貢献していきたい。
フリーター大西 陽
1990年生まれ。KU Leuven、LE75など中退。在学中はデザインやアートを幅広く学ぶ。中退後は道玄坂のカフェにてリードバリスタとして勤務。現在はフリーターとして様々なことに挑戦中。
クリエイティブ高橋 祐亮
1992年生まれ。慶應義塾大学SFC・東京藝術大学大学院を経て現在は建築設計事務所を中心に活動。在学中より昆虫食のプロジェクトを継続。
メディア洲崎翔
1992年生まれ。慶應義塾大学SFC在学中は文学・批評について学ぶ。卒業後、フランスへ遊学。その後映画・映像制作を学び、現在プロデューサーとして活動。
映像真島宇一
1992年生まれ。横浜国立大学教育人間学部人間文化課程芸術文化コース卒業後、フリーランスの映像ディレクターとして活動中。
運営サポート坂園俊太郎
1995年生まれ。桑沢デザイン研究所中退。在学中にはファッションについて学ぶ。FabCafe Tokyoにてバリスタとして勤務しながら、YUIMA NAKAZATOの制作アシスタントとして活動中。
カフェ・カンパニー株式会社 代表取締役社長楠本 修二郎
1964年福岡県生まれ。リクルートコスモス、大前研一事務所を経て、2001年カフェ・カンパニーを設立。 コミュニティの創造をテーマに「WIRED CAFE」など約80店舗の企画・運営や地域活性化事業、商業施設プロデュース等を手掛ける。 2021年「日本の愛すべき食を未来につなぐ」ことを目的にグッドイートカンパニーを設立。 その他、内閣府クールジャパン等の政府委員や東日本の食の復興を目的とした「東の食の会」、「おいしい」を軸に新たな循環や仕組みを生み出し持続可能な未来への貢献を目指す「おいしい未来研究所」の代表理事等も歴任。
プロジェクトの歩み
入居開始
3月6日は「啓蟄の日」。冬籠りした虫が這い出るこの日、昆虫食で未来の食が体験できる『昆虫食解体新書 #啓蟄祭』を渋谷・100BANCHで開催
WHAT’S NEXT? -新食視点-
ナナナナ祭 EXHIBITION【2F GARAGE】
100BANCH ナナナナ祭2019 キックオフイベント 今年の企画ラインナップを紹介!
渋谷で未来のグルメを堪能! 100BANCHナナナナ祭の「食」にフォーカスした新感覚イベントをピックアップ
【速報レポート】グルメに昇華された昆虫食、渋谷街歩きホラーツアー、宇宙体感フェス、親子でSTEAM教育など雨の七夕は感覚と思考を刺激:渋谷「100BANCH ナナナナ祭 2019」2日目!
GARAGE Program説明会&実験報告会
やがてそれは日常に溶け込む――未来の昆虫食“文化”を先取りして魅せた「ナナナナ祭2019イベント WHAT’S NEXT? -新食視点-」実食レポート
GARAGE Program説明会&実験報告会
試行錯誤しながら、未来へ前進していく 〜 GARAGE Program 実験報告会 〜2019年9月
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ナナナナ祭2022開幕——本拠地・渋谷での3年ぶりの夏祭りで未来を熱く発信!
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