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2019.04.02 Tue

全人口にとっての”コンビニエンス”って?【未来のコンビニプロジェクトフィールドワークレポート vol.1】

  • #食

  • #サスティナブル

みなさん、こんにちは!
『未来のコンビニプロジェクト』の企画を担当している菅本です。

未来のコンビニを考える上でより広い視野を持つために
様々な立場の方にインタビューを行いました。

第1弾は、萩大島船団丸 代表の坪内知佳さんにお話を伺いました。

山口県萩市大島、人口約700人の小さな島。
坪内さんが結婚を機に萩に移住したとき、漁業を中心に成り立っているこの島は、漁獲量の減少や日本人の魚離れなどを理由にまさに衰退の一途を辿っていました。

「一緒にこの島の漁業を立て直して欲しい」

ひょんなことから島の漁師と出会い、相談を受けてから約9年。
坪内さんは漁業の経験が一切無かった中で、漁師をまとめ上げ、鮮魚を船から飲食店に発送する”鮮魚BOX”を中心に、6次産業化に取り組まれてきました。

そんな坪内さんの考える、”便利”や”これからの流通”について伺いました。

 

「コンビニって、30-40年間スタイルが変わっていないけど、そろそろ時代に合わせて変わっていっていい頃だと思っています。これまでは、いつでも欲しいものが手に入るという”コンビニエンス(便利)”を追求してきたと思いますが、それは全人口にとってのコンビニエンスではないと思います。もう少し幅広い視野でコンビニエンスの定義を考えてみるのは面白いかと。

 

24時間営業に関しても、人不足が問題になっている中で無理に続けることによって負担になる方も多いでしょうし、無駄にエネルギーや資源を使ってしまう原因にもなり得ると思います。”24時間営業している”という前提があるから使う人がいるのであって、”24時間営業していない”ということが当たり前になれば、それに合わせた動きができるはずです。」

 

 

「コンビニの持っているロジスティクスシステムは本当に発達していると思います。

工場で作ったものを、近隣の店舗にそれぞれ必要な数販売できる。POSシステム(販売時点情報管理)も発達しているので、何がいつどこで売れたか?も把握できている。

このシステムを活用して、一次産業従事者にとっての”コンビニエンス”を生み出すこともできると思います。

例えば、コンビニで納品できるようにするのも面白いですね。その店舗で売り切れない量の一次産品はトラックが荷物を運んできたタイミングで集荷してもらって需要のある他の店舗に配送してもらう。

大量に一次産品を生産したり収穫したりできない方も、身の丈に合った量を出荷することが可能になるので、高齢化が進む一次産業の現場では需要があるでしょう。

全国では、地方市場の競り値低迷(販路がないため)や、市場の廃業が相次ぎ、これからますます増えていくので、そういった側面の課題解決にも繋がると思います。

また、消費者にとっても地元の一次産品を新鮮な内に手に入れられるというメリットがあります。」

 

「萩大島には商店があります。漁協組合が運営しているので、商店での買い物は魚の水揚げの売り上げから相殺されています。

そんな大島ならではのスタイルも良いのですが、例えば先ほどのような流通が可能になれば、小さな離島にもコンビニができてそこで商品を手に入れられるだけでなく、納品場として”稼ぐ場”にもなり得るのかもしれません」

 

一次産業など、”コンビニエンス”を考える上であまり考えられることのない点に着目してみたり、コンビニの既存のシステムと掛け合わせたりしてみると、まだまだ”コンビニエンス”のポイントは広めて深めていけるのだと感じました。

坪内さん、ありがとうございました!

WRITER

MUSUNDE HIRAITE

菅本 香菜

リーダー

1991年、福岡県北九州市出身。中学から高校時代にかけて拒食症を患い、最低体重は23キロまで低下。命も危なくなる経験をした。熊本大学入学後に拒食症を克服し、食の大切さを実感。大学では民俗学を専攻し、食卓について研究した。大学卒業後は、不動産会社での営業を経て、食べものつき情報誌『くまもと食べる通信』の副編集長として活動。熊本震災後に上京し株式会社CAMPFIREに転職、CAMPFIRE×LOCAL担当として全国各地の挑戦をサポートしながら地域で活躍する方々のコミュニティづくりに努める。本業の傍ら2017年5月に、旅するおむすび屋さん『むすんでひらいて』プロジェクトを立ち上げた。 三角のおむすびを結ぶのが得意。

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