楽しさの垣根のない場をつくることで、 障害を生み出さない社会を目指したい

Blined Project

プロジェクト概要

晴眼者(見える人)と視覚障害者(見えない人・見えにくい人)の間にある「分断」に対する問題意識から、視覚の状態に関わらずみんなが楽しめるボードゲームの開発と、「楽しさ」をテーマに社会の障害理解を進めるコンテンツ開発に取り組みます。具体的には、私たちが開発したボードゲーム「グラマ」を用いた、社会の障害理解を進める子ども向け出張授業や企業研修、年齢を問わずに楽しく学べるワークショップの開発と実証を行います。

  • 食エンターテイメント
  • 05異質同士でコミュニケーションしている
  • #視覚障害
  • #ボードゲーム
  • #ゲーム
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  • #異文化
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  • #わかりあえなさ
  • #グラマ
  • #62期

動機

晴眼者の大学生である私たちが、これまで視覚に障害がある方と接したことがほとんどなかったという経験から、視覚障害のある人とない人との間に大きな分断が発生していることを感じた。その原因の一つに、人と人を繋ぎ、その繋がりを強めるコンテンツである「エンタメ」や「遊び」のほとんどが視覚を前提としていることがあるのではではないか、と考えた。その仮説を基に、視覚の状態に関わらずに楽しめるボードゲームの開発を行い、20回を超える体験会を開催し、延250名以上の方々と遊んできた中で、「障害は当事者が持つものではなく、社会が生むものである」ということを強く感じてきた。

仮説

私たちは、障害は個人が持つ物ではなく、社会が生み出す物であり、「障害がある」とは、「体や脳の機能の『違い』が、社会のデザインや人々のステレオタイプによって不便さや不利益につながってしまう状況」だと定義している。身体的に障害のある人とない人が同じ空間で接する「体のコミュニケーション」と、そこから一歩踏み込んで互いの内面や価値観を共有する対話などの「心のコミュニケーション」の双方が不足していることが、障害のある人とない人の間に壁ができる要因になっているのではないか。現在、バリアフリーの促進や障害に関する研修、授業、講演会など、「体のコミュニケーション」を促進する取り組みは増えてきているが、「障害者」というラベリングを外し、一人の人間同士として内面を共有するような「心のコミュニケーション」は多くは生まれていない。双方のコミュニケーションを同時に高めていくことで、互いに思いやり、障害を生むことのない社会へと近づけるのではないだろうか。

実験

お互いの違いに配慮し、障害を生み出さない社会を目指すためのココロ、モノ、場のデザイン
1. 言語化|これまでの活動で得た感覚や気づきの言語化による自分達が理想とする社会や問題の深掘り
2. 構想 |「障害」への興味の度合いに関わらず、遊びを通じた障害理解を深めるWSの構想
3. 実証|障害理解のWSの実証
4. 開発|「見ても見なくても見えなくても楽しめるボードゲーム グラマ」の生産ラインの整備

目標

1. メンターを含むプロジェクトメンバーが共感する理念の言語化
2. 3団体以上でのWSの実証
3. WSの事業化
4. 3回以上のボードゲーム体験会の開催
5. 期間内にいただく「グラマ」の注文にメンバー1人で対応できる生産ラインの整備

未来

お互いの違いに配慮し、障害を生み出さない「ココロ」「モノ」「場」で溢れる社会

「プロジェクトリーダーへ一問一答」

  1. あなたはどんな風に育ちましたか?
    二世帯住宅で暮らす一人っ子で、子供思いの親の家庭で育つ。父親の仕事の関係で、生活保護受給者や中途で障害を持つことになった人など、社会における「マイノリティー」と括られる人たちの話を幼少期より常に耳にする。貧乏ではなかった自分の家庭環境と、すぐそばで起きている社会が生む軋轢のギャップを肌で感じていた経験が今の活動やマインドセットに繋がっている。
  2. 渋谷の街のエピソード
    初めて渋谷に訪れた高校一年生のとき、あまりの人の多さと街の輝きに、自分の街を初めて田舎に感じました。今は自分の街を田舎だと断言しています。
  3. メンバーたちの意外な一面
    チームメンバー全員、見た目とのギャップがある可愛いところがあります笑 自分と同い年の三浦は生粋の味噌汁好きで、ご飯とキャベツと味噌汁がおかわり無料の牛カツ屋に行ったときには、味噌汁しかおかわりせずに4杯くらいおかわりしていました。また、林は雨の日も寒い日も命懸けでラフティングをしていて、日本代表を目指しているラフティングガチ勢です。加えて、かなりのお爺ちゃんお婆ちゃん思いで、週に1回は近くに住む祖父母宅に顔を出している飛川と、14時間夜行バスに乗った後なのに遅れてふらっと入ったバスケの大会でリーグ一位通過させてしまうバスケ実力者の横尾がいます。みんなすごい笑
  4. 意気込みをお願いします!
    プロジェクトを立ち上げて約半年、ボードゲーム「グラマ」を障害の有無を問わず様々な方と遊ぶ中で、自分たちの「障害」に対する考え方や社会の見方が180度変わってきました。障害者と一括りに語るのではなく、心のコミュニケーションを通じて互いに一人の人間同士として向き合い、理解し合う。障害を生むことのない「心」「モノ」「場」をより広めていくことができるよう、3ヶ月間、楽しみながら全力で走り抜きます!

プロジェクトメンバー

  • Blined Projectプロジェクト リーダー浅見幸佑

     2003年3月 東京都生まれ。父親の仕事の影響もあり、幼い頃より「格差」や「障害」といった社会の中にある軋轢に関心を持つ。大学1年生のときに履修した福祉の授業で、エンタメや遊びのほとんどが視覚を前提としているものが多いことに疑問を持ち、これまで活動する中で出会ってきた仲間を誘い、本プロジェクトを立ち上げる。社会が「障害」を生み出さない、多様なコミュニケーションと向き合っていくヒト・モノ・場で溢れ続ける社会を目指す。

  • プロジェクトメンバー三浦輝

    2003年3月 宮城県生まれ。高校1年生の時の授業をきっかけに身の回りの社会課題を解決するプロジェクトに関心を持ち、高校在学中は「日々の勉強を楽しくする脱出ゲームイベント」の企画などの活動を行う。大学入学後、活動の中で浅見と出会い、プロジェクトの立ち上げに参画。人と人が関わり、楽しみながらお互いを理解して、社会の課題がポジティブに解決されていく。ビーラインドプロジェクトの活動を通じて、そんな未来を描いていきたいと考えている。

  • プロジェクトメンバー林かりん

    2001年4月 埼玉県生まれ。多様な背景を持つ人が集まって化学反応が起こる場にいるのが好き。「今度は場を作る側に回りたい」という想いから、昨年度Green Innovator Academyで親しくなった代表の浅見からのお誘いを快く受け入れ、本プロジェクトに立ち上げから加入。グラマが作り出す素敵で豊かな空間を今後も広げていこうと仲間達と日々奮闘中。

  • プロジェクトメンバー横尾繁土

    2004年2月沖縄生まれ、埼玉育ち。高校一年の時に掲げたお金持ちになりたいという思いから参加した起業家育成プログラムにて、代表と出会う。世の中の「しかたなくない」に目を向け、仕方ないとされてきた問題に目を向けてもらえるようにと活動をしている。グラマにより、請願者の人々に対して、「視覚障害のある方と関わる機会がないため視覚障害についてよくわからない。」ということはしかたなくないことだと伝えていきたい。

  • プロジェクトメンバー飛川優

    2003年4月東京生まれ。「知らないことを知りたい、知ったことを人に伝えたい」という思いから高校生活では、メディアを通して啓発活動を行ってきた。具体的な領域として、震災や戦争、環境活動に関する取材や映像製作を行っている。大学では防災教育などに取り組む予定。

  • プロジェクトメンバー仲野想太郎

    2002年12月 東京都生まれ。中学3年生でカンボジアにてボランティア活動を経験してから、「あらゆる経験を積んでからもう一度カンボジアの様子を見に行きたい」と感じるようになり、それ以降は経営学を中心に自身の分野問わずとにかく奔走中。

  • プロジェクトメンバー鶴永わかば

    2000年6月 神奈川生まれ。大学の授業をきっかけにインクルーシブ教育に関心を持つ。代表の紹介でグラマを知り、楽しさに惹かれて新メンバーとして加入。大学での活動の経験を生かし、Blined Projectでは広報やデザインを主に担当。

  • プロジェクトメンバー檀上咲恵

    2002年8月 福岡県生まれ。東京育ち。小学校6年生の時に出会った恩師に憧れて教員という職業に関心を持つようになり、それからは自分が1日の大半を過ごす学校の在り方について大学で勉強したいと考えるようになった。来年度からは教育方法学に専攻を絞り、子ども同士で教え合う学習方法が発育と学習の定着にどのように影響するのかについて探究予定。

メンター

  • 渋谷区長長谷部 健

    原宿生まれ、原宿育ち。(株)博報堂退職後、ゴミ問題に関するNPO法人green birdを設立し
    たほか、NPO法人シブヤ大学、NPO法人ピープルデザイン研究所の創設にも携わる。2003年
    渋谷区議に初当選。2015年4月、渋谷区長就任。現在3期目。

    長谷部 健さんのページを見る

プロジェクトの歩み

  1. 2022/9/1

    入居開始

  2. ボードゲーム グラマ 体験会

  3. 「異彩を、放て。ヘラルボニーが始まりの地で語る。」100BANCH実験報告会

  4. 障害を生み出さない社会を目指すBlined Projectが「2022年度グッドデザイン・ニューホープ賞を受賞

  5. 視覚障害の世界に楽しさの革命を起こしたい——アドベントカレンダー2022

  6. 100年先の未来を描く6プロジェクトが登壇 2022年11月 GARAGE Program実験報告会

  7. 見え方に関わらず楽しめるボードゲーム「グラマ」体験会

  8. 「異(ことなる)を楽しみ、言語の壁を超える」100BANCH実験報告会

  9. 遊び?学び?コミュニケーションを楽しむ新感覚ボードゲームイベント「グラマ王国」

  10. 100年先の未来を描く6プロジェクトが登壇 2023年3月 GARAGE Program実験報告会

  11. 見ても見なくても見えなくても楽しめるイベント「グラマ王国」で、年齢や視覚の状態が異なる人が一緒に遊ぶ体験

  12. グラマ体験イベント「くらがりグラマ」開催決定!!

  13. 見ても見なくても見えなくても楽しめるゲーム広場

  14. 一緒に遊ぼう! ──遊びが開く未来のトビラ

  15. 見ても見なくても見えなくても楽しめる、ちょっぴり大人なボードゲーム会「くらがりグラマ」を開催

  16. 広がる遊びの可能性「一緒に遊ぼう! ──遊びが開く未来のトビラ」─ナナナナ祭2023アーカイブ

  17. 「見ても見なくても見えなくても楽しめる」を社会に増やしていくためのゲーム体験広場─ナナナナ祭2023を終えて

  18. 見ても見なくても見えなくても楽しいミュージカル 体験ワークショップ

  19. 「見ても見なくても見えなくても楽しいミュージカル」体験のワークショップ

  20. 「異なる人々をつなぐ接点の発明で、新しい社会の見方をつくる」100BANCH実験報告会【手話通訳付き】

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