• イベントレポート

見え方に関わらず楽しめるボードゲーム「グラマ」体験会

視覚の状態に関わらず共に楽しめるボードゲームの開発をおこなっているBlined Project(ビーラインドプロジェクト)が、2022年11月18日に、初の主催イベントとなる「ボードゲーム グラマ 体験会」を開催しました。見える人も、見えない人も、見えにくい人も楽しめるボードゲーム「グラマ」の体験イベントで、年齢や視覚の状態、福祉への関心の有無に関わらず20人の方が参加してくださいました。大盛り上がりの体験会の様子をお伝えいたします!

ボードゲームで楽しさの垣根を飛び越える

Blined Project は、視覚の状態に関わらず皆で純粋に楽しめる場づくりを行う学生団体です。見え方の違いによって生じてしまう「楽しさの垣根」を飛び越えて、皆で純粋に楽しめるボードゲーム「グラマ」の開発と普及活動を行っています。

メンバーの集合写真

グラマは重さの感覚とコミュニケーションを使って4人で遊ぶ協力型のボードゲーム。違う量の「おもり」の入った、バラバラの重さの袋を持つ4人が、袋の重さをさまざまなテーマにそって伝え合いながら、全員の袋が同じ重さになるように調整していくゲームです。最後には十字の形をした天秤に4つの袋をのせ、見事釣り合えば成功、崩れてしまうと失敗です。

グラマの天秤に袋を乗せるところ

重さを伝え合うテーマは、「コンビニにあるもの」や「学校にあるもの」にたとえて袋の重さを表現するものから、「緊張の度合い」や「嬉しさの度合い」といった感情の大きさに置き換えて表現するものまでさまざま。感情の大きさがテーマの時、重い袋を持っている人は、感情が大きい場面(「緊張感」がテーマならば、「100人の前で歌を歌うときくらい」など)、逆に軽い袋を持っている人は、感情が小さい場面(「感謝」がテーマならば、「鉛筆を拾ってくれたときくらい」など)を伝えることで袋の重さを表現し、周りの人たちはその人の袋の重さを想像していきます。

見え方は関係なく、重さの感覚とコミュニケーションを通じて、相手の好き嫌いや、得意不得意、普段の生活から性格の話まで、深く互いを知ることのできる点が、グラマの醍醐味です。

全盲の方と3人の晴眼の子供がグラマで遊ぶ様子

今回の体験会は、年齢も、見え方も、福祉への関心も問わず、見える人も、見えない人も、見えにくい人も集まって、「グラマ」を通じて、ポップに楽しく繋がれる空間を作りたいという思いから開催した初の主催イベントでした。

 

福祉だけどポップ ボードゲームでイベントを作る挑戦

2022年4月より、40回を超えるグラマ体験会の開催やイベントでのブース出展を重ね、800人以上にグラマを遊んでいただいてきたBlined Project ですが、イベントを主催した経験は一度もありませんでした。

これまでのイベントの多くは、グラマに興味を持ってくださった、視覚に障害のある人たちの当事者サークルの方や、福祉系団体様、時には企業様よりお声がけをいただき、私たちが出張する形で、多くの人に体験していただいてきました。

都内の視覚障害者サークルでの体験会

その中で私たちが感じてきたのが、「福祉に関心を持っていない人に混ざってもらう機会が少ない」という課題でした。

これまで体験してくださった方は、視覚に障害のある方、視覚に障害のある方のガイドヘルパーさん、福祉団体のスタッフさん、福祉に関係のある職業、または福祉を勉強している学生さんといった、「なんらかの形で福祉に関わっている人」がほとんど。そのため、今回はこれまで巻き込むことができていなかった、福祉に特段興味を持っていない方々も参加したいと思えるポップで楽しいイベントを開催することが大きな目標であり、そのイベントがどこまで盛り上がるのか、どこまで福祉のハードルを下げられるのか、という点が検証のポイントでした。

展示されているグラマ

また、ただボードゲームを遊んでもらうだけではなく、1つのイベントとして満足してもらえるものにしたいとさまざまな工夫をしました。

これまでルールブックの端に書いていただけだった、グラマの裏設定やストーリーを説明したり、イメージにあった音楽を流したり、盛り上がるようにMCを工夫したりと、ひとつのイベントとしてクオリティを意識しました。

グラマのイラストパネル

また、4人グループで心を合わせて成功を目指すゲームということから、グループ対抗で1番成功したところを決める「グラマグランプリ」を開催するなど、より盛り上がるようなしかけを準備しました。

 

熱狂のグラマグランプリ

開催当日、100BANCH3階のイベント会場には、総勢20名の方が集まってくださいました。そのうち半分以上が大学生。メンバーの友人やグラマに関心を持ってくださっていた方、100BANCHの告知を見てきてくださった方などさまざまな人が集まり、視覚に障害のある方も数名参加してくださいました。

会場の全体像。20人の参加者が4人ずつのグループになってテーブルを囲んでいる

ケルトチックな音楽をBGMに、今までで一番明るくはじまった体験会。初めは、初対面同士の方が多く緊張気味だった参加者の皆さんも、グラマを遊ぶうちに段々と距離が近づき、会話が弾んでいきます。

計4回の体験のうち、後半2回は「グラマグランプリ」と題し、チーム対抗で成功の数を競いました。第3回目の「嬉しさの度合い」というテーマでは、「宝くじで5等が当たったときの嬉しさくらい」「ギリギリ終電の時間に間に合ったときの嬉しさくらい」「好みの雑誌を見つけたときくらい」など、それぞれの個性あふれる表現で、袋の重さを伝える様子が印象的でした。「宝くじは全部で何枚かってるときくらい?」「終電逃したらタクシーで帰るの?」など、さまざまな質問をかわしながら、それぞれの袋の重さを想像し、調整していきます。

袋持って重さを伝える表現を考える様子

それぞれの重さを伝え合う様子

最終的には2回連続で成功させたチームが一人勝ち。天秤から手を離す瞬間の会場の緊張感から、釣り合ったチームの大歓声と崩れてしまったチームの落胆のため息と笑い声。大熱狂のグラマ体験会となりました。

天秤から手を離す瞬間

それぞれの袋を交換して重さを確かめ合う様子

 

遊びという入口の持つ可能性

今回の体験会を終えて、「遊び」や「楽しさ」という入口から人と繋がること、楽しさを通じてわかりあうことの素晴らしさを再確認できました。視覚の状態も、年齢も、福祉への関心の有無も、バックグランドも関係なく、ボードゲームを囲み、遊ぶ過程で自分の経験や性格を打ち明け、相手の気持ちを想像しながら距離が縮まっていく、そんな体験会を実現させられたと思います!

また、BGMやMC、グラマグランプリといった演出についても高評価をいただき、今後のイベントに向けて自信と気づきを得ることができました。

Blined Project は今後も、楽しさや遊びを入り口にさまざまな人が集まり、お互いをわかりあえるような場を作っていきます!参加してくださった皆さん、ありがとうございました!集合写真。

 

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