

培養肉技術から生まれた、身体を育む培養液エナジードリンクをつくる
A cultured energy drink
プロジェクト概要
培養肉作りの経験から私たちの身体の細胞に必要な栄養素で設計した、本当の意味で身体の細胞を増殖させ身体を育むことができる培養液エナジードリンク。飲んで健康になりつつも、細胞とは?培養肉とは?DIY BIOとは何か?に想いを巡らせ、敷居が高く人々に知られていないバイオ研究に興味を持って貰うためのプロジェクト。
動機
世の中へのメディアの普及に伴い、一般の方と専門家の距離が近くなることで興味を持った技術に関してブログやYoutube動画で知り学べる機会が増えてきている。特にプログラミングやロボティックス分野はその流れが顕著で市民科学やDIY実験としての普及が進んでおり、それに伴い社会人の趣味や子供の自由研究としての取り組みなどにより裾野が広がることで市民から新たな技術が生まれ、分野内でシナジー効果が生まれ、技術発展に繋がっている。 しかし国内バイオ系ではその動きはまだ少なく、バイオ研究自体がブラックボックス化している傾向がある。
もちろん、その理由としては安全性や高価な実験機器、複雑な手法などの複合的なものであり簡単に解決出来るものではないという前提がある。バイオ系にあこがれや興味を持っても一人で学び知れる機会が少なく、他分野の初心者から見ると分野自体が敷居が高くなっており、バイオ系の世界に興味を持って挑戦したくても想いを叶えられない現状にある。
ではどうしたら、バイオ系を興味を持ちやすく学びやすくより身近な分野にできるのか?
現状の様に研究室だけで決まった人が取り組むのではなく、安全や責任は持った前提で研究室の外に出てみんなが気軽に自由に学び取り組める”遊び心”ある研究が必要だと考える。そのためにバイオ研究者なら知っている培養液を実験だけの道具ではなく、敷居が低く身近で妄想が膨らむ”遊び心”のあるプロダクトを作りたいと想いで応募しました。
仮説
バイオ研究は発酵や遺伝子編集により食の可能性を広げたり、タンパク質・大腸菌合成により新たな薬を生み出し病から人々を救いだしている。同じく新たな技術として世の中に広まっている「培養肉」も従来の畜産業の派生型として世に無い新たな肉を生み出せたり、世の中から飢餓を減らし世界中の人が満腹になれる未来を創れる可能性がある。
実際に培養肉はアカデミックや企業で研究が進むものの、コスト面や法律面から一般普及には追い付いておらず、みんなで気軽に食べて実物を元に議論を重ねるのではなく、実物がない中での机上論同士の討論となっている。 そこには培養肉とは何か?の疑問もあるのだが、そもそも前段階として、細胞とは、培養液とは、バイオとは何か?の疑問があり、深く知られていないことで具体的なイメージや自分事にできずに分野や技術普及の障壁となっている。
その障壁を解消するための方法として、バイオ技術を無理やり紹介して認知を広めるのではなく、炎色反応を利用した花火や、pH変化などを利用した知育菓子などの様に、プロダクト自体を楽しみながらも、自然と疑問に思い、興味を持ち、自ら調べる行動に繋がるプロダクトが必要だと考える。そこで上記の仮説に対する答えとして、培養肉作りにも使い、バイオ研究者にとって身近である培養液に”遊び心”を加えた培養液エナジードリンク作りを目指す。
実験
1M/3月 材料選定/試作改良(100BANCH)
2M/4月 試作改良(100BANCH)/プロダクトプロモーション動画作成/発表資料作成/プロダクトデザイン/細胞試験実施
3M/5月 製品製造先/販売ルートの確認
4M~/6月~ 商品化と発売に向けて
調査:リーガル関係/価格調査
販売: 製造委託先/販路探し
目標
1. 外部も含めてイベントの実施して, 一般の方に紹介して飲んで興味を持って頂く。
2. 10PJの採択
3. TikTokなども活用した月2回以上の動画の投稿と, 1000回以上の再生数を維持。また1万回以上の再生数も目指す。
未来
100BANCH=培養肉, DIYバイオにも取り組んでいるイメージの定着化を行い、ハブになれる様にする。その上で100BANCHや渋谷の方々も巻き込み、渋谷初でDIYバイオ, 培養肉を身近なカルチャーとする。
プロジェクトリーダーへ一問一答
-
あなたはどんな風に育ちましたか?
下に弟がいる男2人兄弟で、一般的な家庭で育つ。生まれも育ちも横浜だが、大学や職場は東京でもっぱら遊ぶのは渋谷や新宿だった。
小学4年生の時に交通事故に遭い顔面複雑骨折と両目神経切断を経験、99.9%の確立で失明すると宣告されたが、担当医が「私にも同じ歳の子供がいる」と諦めずに施してくれた長時間の手術の末に両目神経が繋がり失明を免れることが出来て今も元気に生きている。
それから医者を目指したが血に対する苦手意識から葛藤の日々、そこで再生医療を知り、再生医療の研究に大学から携わる。その研究の日々から再生医療を食に活かしたら面白そうだと考えて、今は趣味で培養肉の研究をしている。 -
渋谷の街のエピソード
培養肉の研究をしているラボが渋谷にあり、研究をするために昔から通っている街。また渋谷は様々なカルチャーを持つ方が集まるので渋谷での日々の出会いにいい影響を受けている。DIYバイオや培養肉を渋谷発のカルチャーにしたい。 -
メンバーたちの意外な一面
メンバーの新城健太さんは動画作成のプロフェッショナル。
お互いに分野は違えど、毎週渋谷のラボでDIYバイオ, 培養肉, 細胞について熱く語り合う仲。バイオ分野の面白さをもっとみんなに知って貰いたいよね、という野心を一緒に持っています。100BANCHを見つけて紹介してくれたのも新城さんなんです。
岡咲航平さんは発明王です。
今回のPJでは一緒に培養肉やエナドリを共に創りますが、他にも昆虫の研究や趣味で3Dモデリング。さらには数十万~数百万する実験機器をDIYで自作してしまうなど、楽しさを推進力に幅広い挑戦をしています。彼と話した人はみんな驚きに包まれ、その熱意がメンバーの刺激になっています。ここまで話をした後では意外性が少ないかもしれませんが...彼の自宅の部屋はまるで研究室の様に様々な実験機器が揃っており圧巻です。 -
意気込みをお願いします!
培養肉やDIYバイオの敷居を下げてみんなが楽しめるように、
その切っ掛けとなる培養液エナジードリンクを作る。
そして最終的に目指すは渋谷初DIYバイオのストリートカルチャー化。
プロジェクトメンバー
-
プロジェクトリーダー
細胞研究・食品開発担当田所直樹1996年 神奈川県生まれ, 横浜の海を見て育つ。交通事故の経験から医学の道を目指し、再生医療の研究をしていたが。食べるのが大好きで、まだ世の中にない最高の肉を作ること、そして世の中から空腹の人を無くしたい想いで趣味で再生医療の技術をベースとした培養肉の研究を進める。 本業は化粧品や食品の開発を行っている。
-
動画編集担当新城健太
1987年沖縄県出身。 DIYbioに興味を持ちShoujinmeatに参加。 バイオ系の実験を動画投稿し、誰にでもわかりやすく伝わるようなDIYbio動画を模索している。
-
細胞研究担当岡咲航平
1998年神奈川県生まれ。 ものづくりと実験が好き。自分の部屋で細胞や藻類の培養をしており、培地の管理が毎朝の日課。実験機材はDIYで自作する。昆虫学が専門の大学院生。
メンター
-
東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授岩田 洋佳
1969年生まれ。タイ、インドネシアで幼少期を過ごす。
東京大学 農学部卒。東京大学 大学院農学生命科学研究科で博士号を取得。
農業と情報科学の融合をテーマに、農研機構(農林水産省系の研究機関)などで研究に従事後、2010年より東京大学 生物測定学研究室 准教授。
現在は、ゲノム科学と情報科学の融合による品種改良(育種)の高速化に主眼をおき、中米やアフリカにも研究を展開中。
- TOP
PROJECTS - A cultured energy drink