- イベントレポート
100年先の未来を描く6プロジェクトが登壇 2023年10月 GARAGE Program実験報告会
訪日・在日ベジタリアン、ビーガンの食品購入における困難を
アプリを通じて解消したい
私たちは訪日・在日ベジタリアンやビーガンが抱えている、食品の原材料表示の内容が分からないという課題の解決を目指すプロジェクトです。
「GlabelJapan」というアプリを通して、訪日・在日ベジタリアンやビーガンの人々が食品の購入の際に原材料表示に書かれている内容が分からず、購入しにくいという課題を解決するプロジェクトです。アプリには、ユーザーが写真を撮る・バーコードをスキャンすることで原材料表示の記載内容が分かる機能と、コミュニケーションツールとしてレストランでの会話をしやすくする機能があります。訪日・在日ベジタリアンやビーガンの人たちに「GlabelJapanがあるから安心して食生活を楽しめる」と言ってもらえるようなアプリを実現します。
日本は、ビーガン、ベジタリアンの旅行客が年間145〜190万人と多いにも関わらず、食の多様性に対する認識が薄く、日本語で書かれた原材料表示が分からない人たちへの意識が欠けているという現状があります。
例えば私のビーガンの友達が日本に来たことがあったのですが、彼が旅行中に何度も 質問してきたのが、カップラーメンなどの原材料表示の写真を送ってきて「これってビーガンでも食べられる?」というものでした。私自身が原材料表示を見ても専門用語などが入っているため判断が難しく、数分調べてから返事をするということがありました。 この時、私はこのように困っている人を効率的に楽に助ける方法はないだろうかと考え、どこにでも持ち運べてパパッと判断してくれるような便利ツールがあれば良いなと思い、このプロジェクトを立ち上げました。
「GlabelJapan」は、日本語を読めない訪日・在日外国人のベジタリアンが日本の食品の原材料表示に動物性食品が含まれているか判断できない問題を解決し、食生活を支援するアプリです。 このプロジェクトが成功することで、訪日・在日外国人のベジタリアンが日本での食生活に不便を感じることがなくなるという仮説を検証します。
このアプリにおいて重要となるのが原材料表示を認識するAI作成です。この3カ月間を通してAI、大規模言語モデル(LLMs)開発ができればと考えています。(今はプロトタイプでのテスターを集めてテストをしています。)
原材料表示を認識するためにはText-ClassificationのAIフレームワークが必要となるので、既存のものを使うだけではなく、そもそもフレームワークから自作してより正確性のあるAI開発に挑みたいと思っています。
AI開発のためには元になる教材データが必須となってくるのでベジタリアンレストランなど今まで築いてきたコネクションに加え、100BANCHでつくる新しいコネクションから教材データを収集していきたいと考えています。コミュニケーション機能においても、実際ユーザーにとって価値のある機能なのかを100BANCHで検証していきたいです。
ほかには、原材料表示をスキャンするとき、様々な形状の食品パッケージに対応できるようにスキャニング技術の実験もしていきたいと思います。
訪日・在日外国人のベジタリアンに「日本に来てもGlabelがあるから安心して食生活を楽しめるね」と言ってもらえるサービスを実現したいと思います。毎年日本に観光に来るベジタリアンの145〜190万人の旅行客が満足して使用できるものにしたいです。
社会の制度などによって阻害されない、誰もが自分らしく生きるための選択肢がある社会になってほしいです。
プロジェクトリーダー小谷理人
2007年生まれ。現在東京学芸大学附属国際中等教育学校に通っている高校2年生。小学五年生の時いきなり親の仕事の関係でミャンマーに住む。最初は英語が全く喋られなかったが、世界中から来た様々な人たちと毎日学校に通い暮らし英語を学んだ。様々な価値観や異文化に囲まれて育ってきた。コロナとミャンマーでのクーデターによって帰国。
日本に旅行しに来たビーガンの友達がきっかけで、訪日・在日ベジタリアン・ヴィーガンの食生活が困難な現状を解決すべくXCodeを1から独学で学び『GlabelJapan』を開発中。
メンバー川口拓真
2006年生まれ(年齢は秘密)。現在東京学芸大学附属国際中等教育学校の高校2年生。生まれた時から台湾に15年間住んでおり、ダンサー&モデルだった。牛肉と羊肉が食べられなく、台湾でベジタリアニズムを経験したためGlabelJapanのメンバーとなる。ファミリーマートさん、コンビニ弁当を一つずつ持ち上げて、食品表示から「牛肉」と「羊肉」をディテクトしていた僕を許してください。
メンバー若林仁菜
2005年、アメリカ生まれ。タイで暮らした後、東京学芸大学附属国際中等教育学校で6年間、IB教育を受けている高校3年生。日本細胞農業協会やフードテック官民協議会で活動しながら、バイオテクノロジーの社会受容を研究中。現在は、社会と科学の関係性を起点に、市民参加型の科学技術ガバナンス構築に精を出している。
石川県副知事西垣 淳子
東京都出身。東京大学法学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省。経済産業省では日本の魅力を発信するクールジャパン政策や、日本のモノづくり産業支援政策等を推進。特許庁時代には、商標や意匠を活用したブランディング戦略や、技術情報等をベースとした知財戦略を支援。現在は石川県でデジタル化、グリーン化等を通じて中小企業支援に力を入れている。