- イベントレポート
100年先の未来を描く5プロジェクトが登壇 2024年2月 GARAGE Program実験報告会
東京の街を食べられる森にするため、
都市システムを草の根的にアップデートしたい
私たちは、地元の世田谷区を中心に、建築、都市計画、ランドスケープの側面からデザインアプローチを展開し、街を食べられる森にすることを目指しています。ファニチャースケールでは、都市農業のプロダクトの製作・実装を、さらに都市スケールで、都市政策提案や、ファニチャースケールの活動を支援するファンドのスキーム策定を行います。マルチスケールの活動により、都市システムを草の根的にアップデートすることを目指します。
建築デザインを学び、実践してきた私たちが、都市と農業・食糧の現状に課題感を持ったきっかけは2022年パキスタンの大洪水、それとウクライナとロシアの戦争でした。パキスタンの洪水は25つのダムが崩壊し、1年で取れる国内の作物の95%がだめになってしまっている事実、そして戦争によるヨーロッパの食糧のインフレの状態を知りました。これらは決して人ごとではなく、グローバルサプライチェーンに頼る日本において、食料不足の問題は私たちにとっても身に迫る問題である考え、「建築」や「デザイン」の力によって、これらの問題に取り組めないかと考えるようになりました。
私たちは都市を食べられる森にするための複数の現状仮説を持っています。1つ目は「空き家が増えスポンジ化する都市に、都市農業を埋め込めないか?」、2つ目は「コンビニ・スーパーのような、敷地面積あたりで最も利益を出している現在のビルディングタイプに、都市農業を埋め込めないか?」、3つ目は「街路樹や歩道の植栽といった、都市の既存の装飾的な緑を、都市農業に置き換えられないか?」です。
デザインリサーチフェーズ(1ヶ月目):これまでの都市農業に対してのクリエイティブジャンプを起こすための統合的なリサーチ 地域コミュニケーション(1ヶ月目):実装のためのリソース確保+地域住民との合意やコミュニケーション プロトタイピングフェーズ(2-3ヶ月目):リサーチに基づいて「都内における都市農業の最適化のプロトタイプ作成」実機の作成、または建築や都市アプローチを作る。 デザインブラッシュアップ(3ヶ月目):プロトタイプをもとにして、異なるアプローチの検討やブラッシュアップの実行 プロジェクトPR(1-3ヶ月目):既存都市計画に対してのアクティビズムの一環としてのプロジェクトアーカイブをPRする(note・Twitter・Instagramなど)
1:都市農業の手法にクリエイティブジャンプを起こせるプロトタイプの開発
2.:ローカルで草の根的に変えていくためのネットワークの構築
3:区政や行政への農業/緑地化政策や建築構想の提案
「天空の城ラピュタ」の1シーンで、シータが次のように言うシーンがあります。「“土に根をおろし、風と共に生きよう。種と共に冬を越え、鳥と共に春を歌おう。どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ”」 私たちはこれからの50年でシンギュラリティや火星移住..人類観を刷新するような出来事に否定的にも肯定的にも直面します。しかしどんなにテクノロジーが変わろうとも、シータの言うように土や風、季節など地球と人間の生活の間に存在してきたものたちは変わらない、そしてそれらが私たちのこれからの文化を紡いでいくはずです。例え100年先であっても人類が土や自然と共に共存している地球社会であってほしい願います。
プロジェクトリーダー/建築デザイナー森原正希
早稲田大学建築学科中谷研究室在籍。 アイセック・ジャパン事務局長を経験後、建築デザインファームやクリエイティブチーム、XRスタートアップにて活動。現在は社会変革に対して建築デザインを紐付けた個人プロジェクトを展開している。研究テーマは「解築学」。
アーバンデザイナー森屋友佑
東京大学都市デザイン研究室在籍。森原正希とは小学校の同級生。 産業としての建築・ランドスケープの生産から、都市を捉えなおすことを目指し、空き家の改修実施設計監理・ネパール世界遺産のプランニング・奈良吉野木材の海外マーケット開拓・まちづくりWSの開催等、多岐にわたって都市のヒト・モノと関わる。
ランドスケープデザイナー三木つばさ
奈良生まれ東京育ち。 2020年早稲田大学創造理工学部(社会環境工学科 景観・デザイン研究室)卒業。 卒業研究では、都市河川が中央を流れている首都高速道路高架下の広場の設計を通して、「人々が土木に近づく」空間を提案した。
アグリカルチャーアドバイザリ鳥井要佑
東京大学大学院農学生命科学研究科在籍。2019年よりOne Earth Guardians育成プログラムに参加、2021年より一般社団法人SWiTCHのYouth Advisoryを務める。植物栄養学の研究に従事するかたわら、資源循環の文脈で、食品開発や森林バイオマス利用など様々なプロジェクトを展開する。
アーバンデザイナー福本菜那
東京生まれ東京育ち。 日本の中学を卒業後カナダへ留学。現在はカールトン大学でサスティナブルな建築づくりやコンサベーションという分野を専門とし、アダプティブリユースを中心に様々なプロジェクトに携わる。2022年夏には隈研吾事務所でインターンを経験し、北米建築と日本建築の融合を目指す。
コンサルタント澤本 遼多
兵庫生まれ東京育ち、森原/森屋/福本とは小学校の同級生 慶應義塾大学経済学部にて計量経済学を専攻。物事に対して数的に分析することの面白さを学ぶ。卒業後は大手コンサルティングファームに就職し、上流から下流までの様々なプロジェクトを経験。
建築AIエンジニア須藤望
東京大学大学院生産技術研究所本間(健)研究室在籍。
数理アルゴリズムやデジタルデバイスを用いた建築・都市の計画が専門。現在は気候変動から発したさまざまな社会思想や運動を地域計画の文脈と接続できないかを模索し、地域における生成系AIを用いた市民参加ワークショップシステムの開発と研究をしている。
石川県副知事西垣 淳子
東京都出身。東京大学法学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省。経済産業省では日本の魅力を発信するクールジャパン政策や、日本のモノづくり産業支援政策等を推進。特許庁時代には、商標や意匠を活用したブランディング戦略や、技術情報等をベースとした知財戦略を支援。現在は石川県でデジタル化、グリーン化等を通じて中小企業支援に力を入れている。
プロジェクトの歩み
入居開始
フェイクニュース対策のゲームや遺言、竹スイーツなどGARAGE Program 第69期の8プロジェクトが100BANCHに入居
「植物の力を給ぶ、得る。」100BANCH実験報告会
Future Jungleとはなんですか? ──ナナナナ祭 2023ブラッシュアップ合宿
令和の野菜生活
望ましい都市農場の作り方 —民意の反映のためのAIワークショップ
100年先の未来を描く8プロジェクトが登壇 2023年6月 GARAGE Program実験報告会
望ましい都市農場の作り方 —民意の反映のためのAIワークショップ開催
都市で野菜を育てる、ノマド的生活のモデルルーム。令和の野菜生活─ナナナナ祭2023を終えて
「民主主義のDXで、一人ひとりが影響力を発揮できる社会を」100BANCH実験報告会
100年先の未来を描く9プロジェクトが登壇 2023年9月 GARAGE Program実験報告会
「ヒト・モノ・場所をREPIPE(リパイプ/再配管)し、新たな都市の使い方を創造する」100BANCH実験報告会
100年先の未来を描く5プロジェクトが登壇 2024年2月 GARAGE Program実験報告会
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