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望ましい都市農場の作り方 —民意の反映のためのAIワークショップ

  • 場所100BANCH 3F
  • 時間11:00〜17:00
  • 値段無料
  • 人数20名まで

イベントの様子

「令和の農地改革」は、都市における共有農場の新しいあり方を模索している。地域を活性化させる緑を、みんなで考えていくことはできないのだろうか。今回の渋谷の実験で得た知見を、地域コミュニティの中にある農場、ひいては「場所」の新たな民主的計画方法に展開していきたい。

開催概要

【イベント名】
望ましい都市農場の作り方 —民意の反映のためのAIワークショップ

【開催日時】
2023/6/25(日) 11:00-17:00(開場10:45)

【場所】
渋谷100BANCH 3F LOFT
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-27-1

【参加方法】
上記「イベントに参加する」よりお申し込みの上、当日100BANCHへお越しください

【イベント内容】
生成系AIを用いて渋谷における農場をみんなで考えます。

まず、渋谷の街をフィールドワークして写真を集め、自分が渋谷に感じる可能性を画像や言葉として整理します。その後、撮影した写真からLoRA(追加学習)を作り、画像生成AIとの対話を通して、渋谷農場の可能性を描き出します。そして、SFプロトタイピングのように、画像から未来を考えてみましょう。そこに自分たちはどう住んでいるのだろうか。このようなプロセスをたどって、どのくらいみんなの「好き」が反映されるのかを検証します。

【タイムテーブル】
11:00-12:00 WSの内容説明
12:00-12:30 ランチ
12:30-13:00 渋谷フィールドワーク
13:00-16:00 生成AIとの対話によるボトムアップデザインWS
16:00-17:00 トークセッション+講評+クロージング
※時間帯は今後微変更する可能性があります。

【こんな方におすすめ!】
建築都市関連のデザイナーやプランナー、エンジニアなどすべての関係者(業界・経験・年齢問わず参加可能です)

生成AIを活用した都市や建築への民意反映のあり方を考えるハンズオンワークショップ

私たちは「生成AIのLoRA(追加学習)を用いた、地域性をもとにしたボトムアップデザインの探求」を行います。先日発表した京島LoRAのプロトタイプを発展させ、生成AIによるボトムアップデザインの方法論を探求するため実証実験を開催します。

第1回目は、京島LoRAの生成フローを活用し、渋谷の3つのエリアでLoRAを構築し、そのLoRAを実際に活用して今後あるべき未来都市へのトランジションを想像するプロセスを体験します。生成AIを単なる画像生成の道具としてではなく、コンヴィヴィアルな道具と見立てた新たな建築や都市デザイン手法を体験・模索します。

京島LoRAプロジェクトについて

本プロジェクトでテーマとした京島エリアは関東大震災や東京大空襲、バブルの開発からも逃れた地域であり、木造建築の伝統がいまだに残っている地域です。また自治的にDIYによる改修やコモンズ的な協働認識を持ち長屋をケアし改修しながら住み繋いでいます。このようなケアする考えは大量生産大量消費とは考え方が異なり、これからの住まい方として重要な側面を持っています。しかし近年、東京の宅地開発や防災対策により、京島の伝統コミュニティに危機が訪れようとしている。それに対抗して、自治的な保全活動が行われています。

私たちは東京という近代都市の中で、自発的にそして人の手で維持された京島の建築スタイルを維持し、郷土的建築像を発展させていくことはできないか、そして、この郷土性のために画像生成AIを用いようと考えました。

食べ物には郷土性があり、また建築にも郷土性はありましたが、今ではほとんど残っていません。ユニバーサルデザインが模範となり無印世界へと進んでいく21世紀において、京島の郷土性を抽出し、住民たちによるボトムアップのデザインの参考となるような生成AIの使い方を考えました。画像生成AI ”Stable Diffusion”には、LoRAという追加学習の機能がある。追加学習とは、画像を数十枚ほどAIに覚えさせることで、そのスタイルを再現できるようにする技術のことである。集められた京島の原風景からAIが学習していく「京島らしさ」は、非言語情報のぬるっとした概念となります。この曖昧な概念集合は、住民たちが抱く集合的な記憶として捉えることができないかと考えます。そして、そのAIにより形成された集合的記憶を、住民のための新たなデザインツールとして活用することはできないだろうか?大規模開発や建築家のようなトップダウンの決定方法とは真逆の、ボトムアップでオープンソースな計画方法を提案しました。

 
京島LoRAプロジェクトレポート

企画背景と開催に際しての想い

都市や建築を今一度「開かれたものへ」:

公共であれ,超高層であれ,資本主義の隷になり下がってしまった今生み出されている多くの建物は,瞬く間に忘れ去られていくだろう.クライアントとの閉じられた共感,マネーゲームに勤しむ人たちとの共感,なんの責任も取ろうとはしない人たちとの共感,そんな虚しいものにばかり血道を上げているのだから仕方がない.何かが欠けている.

建築は真の意味でピアソラのように大衆に開かれていない.

今の建築は,勇気をもってそこに橋を架け渡す意志に欠けている.もちろん私自身もだ.他者を断罪するつもりはない.このことについて,みんなで考えてほしいのだ.(新建築「ノスタルジーの行方」内藤廣)

場所は本来みんなに開かれているものです。場所をより良いものとするためには、誰もが能動的にアクセスできる必要があります。しかし、現代社会において土地の開発や管理は一握りの人たちに閉じられ、どこか不協和が起こっているように感じています。民主主義のためにワークショップを行うことは増えてきましたが、それも有効に活用されているとは言いづらいでしょう。私たちは、生成系AIが都市や建築に対しての民意の反映のための媒体になることを期待しています。LoRA(追加学習)という機能は、大量の画像を融合させ、概念化することを可能とします。人々が抱く街の好きなところ、集合的な記憶、すなわち民意を集め、計画に反映することが出来れば、従来のワークショップよりも効果的なものとなるはずだと考えます。

生成AIとイメージで対話し共作する:

知っていることを表現するのに言葉は有用ですが、模型は私たちが知らなかったことまで教えてくれる。私がつくりたいのは、言葉にならない、まだ知らない空間。モノの連なりが生み出す雰囲気を大切にしていきたいんです
模型を行き来してつくる、言葉にならない建築。【建築家 中川エリカ】

GenerativeAIで建築物のイメージを生成する際に、プロンプトとして建築家や様式の名称(例えばゴシック、ロマネスク、ローマ…etc)など入力しますが、それらはすでに人為的に言語で定義されているものから生成イメージが生まれています。これらはプロンプト、つまり「誰か」による比較検討や人為的な言語定義がなければ、そのイメージは生成されません。しかしLoRAは都市や建築には言葉にならない「なんとなくのらしさ」(=ness)や主観的な「好き・良い」(=like)などの言葉になりきらず、また定義されてない主観的な地域のあらゆる人々による視点な集合概念化させることで、街に寄り添った建築を生み出すことができ、設計者や市民参加を補助する大きな可能性があります。

ポジティブな都市変化を想像する:

建築においては作家性の是非は数多く問われてきました。無数の人々が関わり、経済的要因や社会的義務も関係してくる建築は、果たして建築家一人の創作物であっていいのか、という具合に。パターンランゲージや建築家なしの建築も、そういった疑問を投げかけています。

生成AIはデザインの民主化を推進する存在として社会に期待され、デジタルファブリケーションやオープンソース文化など、デザインの民主化は一気に起こっています。画像生成AIも簡単に高品質の画像を作ることができる点で、デザインを社会に開く存在となるでしょう。巨大な都市の未来を誰もが考えることができるとき、幅広い領域で一般の人々がデザインに参入することが可能になると考えます。

本イベントの3つの特徴

1.専門家ではなく、1人の市民としての視点
本イベントはボトムアップデザインを主題にしており建築や都市の専門家という視点ではなく、自らが市民として渋谷という都市のこれからを考え、生成AIとの対話を通して形にしていくことを目的にしています。そのため、専門的教育などを受けている必要はなく、都市や建築の現在のあり方に疑問を持つ方々であれば誰でも参加が可能です。

2.場所を直視して未来想像する
私たちは、建築がその建つ場所を映し出すことを望んでいます。デザインが場所や地域の固有性を表現するよう努めます。村を歩きまわり、景観を調査して、土地が培ってきた表情を学びます。人々の暮らしを見つめ、土地の歴史を調べます。このようにして、デザインのなかにその場所らしさを表現するための鍵やきっかけを掘り起こしてゆきます。(象設計集団)

単なる生成AIによる飛躍的な画像生成ではなく、地に足のついた生成AIの用い方やフィールドワークを行い場所の固有性を捉えた上での未来都市の想像を行います。そのため、現実を直視しない妄想や人文知に偏った綺麗な未来を想像するSF系WSではありません。都市や建築のプランナーではなく、あくまで市民として実際の生活や日常をこれからどのように変える必要があるのか、生成AIを用いるとどの程度ポジティブに都市変化を考えることができるのかを悩みながら考えます。

3.オープンな議論による創造
NESSプロジェクトはオープンであることを重要視しています。そのため生成AI技術等の用い方もレポートにて詳細に公開しています。まだまだ私たちの考えるボトムアップな都市や建築の作り方は未熟であり、今回の参加者の皆さんと様々な角度から議論を行うことができたら幸いです。

運営メンバー

・Suudo
東京大学建築学専攻M2
Twitter:https://twitter.com/pseudoschiz0

・Masaki
早稲田大学建築学科中谷研究室在籍。 アイセック・ジャパン事務局長を経験後、建築デザインファームやクリエイティブチームにて活動。現在は社会変革に対して建築デザインを紐付けたプロジェクトを多数展開している。研究テーマは「いきものの建築史と解築学」
Twitter:https://twitter.com/hamorari3

・Yusuke
東京大学都市デザイン研究室在籍。産業としての建築・ランドスケープの生産から、都市を捉えなおすことを目指し、空き家の改修実施設計監理・ネパール世界遺産のプランニング・奈良吉野木材の海外マーケット開拓・まちづくりWSの開催等、多岐にわたって都市のヒト・モノと関わる。
Twitter:https://twitter.com/eugene_mori

注意事項

・イベントの内容は予告なく変更される場合がございます。そちらの点はご容赦ください。
・今回のイベントでは会場のみなさんが写り込んだお写真を撮影、記事で使わせて頂く場合がございます。予めご了承ください。
・コロナ感染症対策に関しまして、2週間以内に新型コロナウイルス感染症陽性とされた方との濃厚接触に該当する方、倦怠感や喉の痛み、発熱等の症状のある方につきましてはご参加をお控えいただきますようお願いします。 また、参加される方御自身の自己責任、自己管理の元に本イベントへの参加をお願いします。

お問い合わせ

イベントに関するご質問や取材希望などある方は、以下のメールアドレスや電話番号までご連絡ください。

森原正希(もりはら まさき)
メールアドレス:info@hitasula.com
電話番号:080-4123-9685

主催プロジェクト

Reiwa no Land Reform

【プロジェクト概要】
私たちは、地元の世田谷区を中心に、建築、都市計画、ランドスケープの側面からデザインアプローチを展開し、街を食べられる森にすることを目指しています。ファニチャースケールでは、都市農業のプロダクトの製作・実装を、さらに都市スケールで、都市政策提案や、ファニチャースケールの活動を支援するファンドのスキーム策定を行います。マルチスケールの活動により、都市システムを草の根的にアップデートすることを目指します。

プロジェクトページはこちら
https://100banch.com/projects/reiwa-no-land-

 

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