未来は不動産ならぬ“可動産”にあり。 「動く家」バスハウスで、新たな未来を創造
- イベントレポート
渋谷ストリーム開業!! 渋谷川に滲み出て、100BANCH Street!!を開催
9月13日に渋谷に新しくオープンした複合施設渋谷ストリーム。その開業に合わせて9月30日まで開催されているShibuya River Fesに100BANCHからも18のプロジェクトが参加し、9月16日の日曜日に100BANCH前のエリアいっぱいを使って、100BANCH Street!!とあ付けた、「青空公開実験」を実施しました。
100BANCHの建物から渋谷の地域に滲み出ることで、より一般のお客さんにも未来の兆しを体験してもらうことを目的に、それぞれのプロジェクトが自ら企画を考え、約1ヶ月半の短い期間で企画を完成させました。この記事では、それぞれの企画の内容を紹介します。
漆黒の車体を初お披露目。BUSHOUSE
バスを改造した移動型住居の普及に取り組むBUSHOUSE。今回は前回のナナナナ祭で披露した車体を漆黒の塗装に塗り替え、展示を実施。当日は実際に車内に入ってソファーに座ったり、二段ベッドに登ったりと、多くの見学者が訪れました。特に子ども達に大人気で、親子連れが車内で多く写真を撮っていたのが印象的でした。その場で「これいくらで買える?」という驚きの相談もあり、リーダーの青木大和は今後の市販化に向けた確かな手応えを得たと自信有り気に語ってくれました。
BUSHOUSE プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/bushouse/
渋谷のど真ん中で茶会!?
渋谷川沿いに畳が敷かれていて何かと足を止める人々。そこに和装で決めた姿で現れたのが、今回の果物茶会を企画したTeaRoomリーダーの岩本涼。今回は果物を扱うという斬新な形式での茶会を渋谷のど真ん中に畳を敷いて開催しました。実際にワークショップに参加した外国人のお客さんは、その風流さに大変驚いていました。またブースでは、TeaRoomがプロデュースする茶葉も販売。お客さんから近い声でフィードバックをもらうことができ、彼らにとっても学びになったそうです。
TeaRoomプロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/11063/
青空の下で活版印刷
見慣れない形をした活版印刷機が目を引くプロジェクトがPapertype x Shibuya。活版印刷の伝統と技術を新しい形で未来へ継承していくための活動を展開しており、今回は紙で作った活字にオリジナルのテクスチャーをつけて刷ることで、オリジナルカードを作成するワークショップを実施しました。特に活版印刷に初めて取り組む子ども達の人気が高く、リーダーの守田篤史は渋谷の子どもたちの好奇心に驚いていました。
Papertype x Shibuyaプロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/8745/
クリエイティブワーカー を健康に
かわいいキャラクターと白衣のスタッフが目につくブースを企画しているのは、180mg/dl。彼女たちは糖尿病をテーマに、新しいコミュニケーションをデザインすることで予防医療に取り組んでいます。今回のブースではワンコインで血糖値が測れる簡易診断を実施し、実際に今日何を食べたかのアンケートを通じて、糖尿病リスクを遊び感覚で気軽に知ることができる機会を提供しました。実際に100人以上の方にアンケートを回答いただき、素晴らしいテストの機会になりました、とリーダーの丸山亜由美は語りました。
180mg/dl プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/11175/
渋谷の街に巨大な地球が出現
100BANCH Streetで一際目立った球体型のオブジェがあります。中央には球体型の水槽が置いてあり、可愛らしい金魚が水槽の中を泳ぎ、周りを覆うように様々な植物が植えられています。これは「Growroom(グロウルーム)」という都市の中で地産地消のスタイルへの関心を高めるためにデザインされた食糧生産システムで、実際に育てた植物は食べることができます。このシステムはコペンハーゲンにある「SPACE10(スペース・テン)」という実験スペースで開発されたもので、このデザインや組み立て方はWEBサイト上にオープンソースとして公開されています。
URL|https://space10.io/space10-open-sources-the-growroom-2/
7月にSPACE10の共同創業者のサイモン・キャスパーセンが100BANCHに来訪してイベントを実施したことで、今回のコラボレーションが決まりました。
製作に当たっては100BANCHのメンターを務めるVUILDの秋吉浩気さんにご協力をいただき、デジタルファブリケーション機材を用いてパーツの切り出しを行いました。
Growroomの特徴は、オープンソースのデータを活用することで、誰でもどこでも設置と解体が可能になる点にあります。実際に設営も100BANCHのメンバーと、Panasonicの社員の皆さんの協力を得て実施しました。
当日は沢山の方々に実際に中に入って鑑賞をしていただき、参加者からは「ずっと展示をして欲しい!」という声もあり、次の展示に向けて弾みをつける機会になりました。リーダーの邦高 柚樹は今後大阪での大型展示も決まり、GrowroomとAquaponicsを掛け合わせた新しいQ roomを製作すると意気込みを語りました。
Now Aquaponics! プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/now-aquaponics/
ロングテーブルを渋谷川沿いで
夕方から100BANCHの前に様々な食材を持ったお客さんが続々と集まってきました。その中心にいたのは白い白衣をまとった料理人。この企画「Wasteria 無理をしないディナーパーティー」は、自然、野菜、環境、参加者、全てのものがとにかく無理をしない、ありのままであることを大切にする1日限りのディナーパーティーです。参加者が規格外の野菜や、スーパーの売れ残りなどの「フードロス食材」を持ち寄り、それを出張料理人/イートディレクターのソウダルアさんが一流の料理へと進化させていく。リーダーを務めた大山 貴子は、地方でも既にこの企画のお声がけがあり、是非色んな地域で実施をしてみたいと語りました。
また大山 貴子は東京の青梅で無農薬の野菜を育てる OME FARMと埼玉の飯能でオーガニックの食品ブランドを営む Alishan Organic Centerとコラボをして、一切ゴミを出さないパッケージフリーの「Zero Waste Market」としても出展。ゴミを出さず、環境に優しいライフスタイルを提案しました。
Food Waste Chopping Party プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/food-waste-chopping-party/
都市に余白をつくるキッチンカーを。DIYで。
黄色い車体に目を惹かれて近づくと、愛嬌のある二人がお客さんを迎えています。If You Sit On The Tableという企画名で、キッチンカーを製作するAngya+と食料廃棄の問題に取り組むFood Re-Valuationの2つのプロジェクトが共同で、都市空間にコミュニケーションが生まれる余白をデザインしています。Angya+の松本 光貴と山中 真太朗に話を聞くと、このトラックは山口県の下関で自らDIYで製作し、渋谷まで運転をして来たという。手触り感のある彼らが生み出すコミュニティがとても楽しみです。
Angya+ プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/11144/
Food Re-Valuation プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/11202/
歩き疲れたらホッと一息。しいたけおだしで。
渋谷ストリームを歩き疲れたあなたにぴったりの商品を提案するのが、椎茸おだしを販売する椎茸祭。お湯を入れるだけですぐに飲めて、ベジタリアンの方でも味わえる「oh!dashi」が街行く人々から好評を集めていました。子供たちは初めて見る椎茸栽培キットに興味津々で、食い入るように見入っていました。
椎茸祭 プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/shiitake/
次世代を担う10代のクリエイターたちも出展
高校生や学生たちのクリエイターたちを支援するプラットフォーム構築に取り組むTeenet Creators。そこに所属するクリエイターが自らの作品の展示販売を行いました。まだまだ荒削りな彼らの作品ですが、今後の進化が非常に楽しみです。Teenet創業者で、自身もまだ高校2年生の柳川 優稀は、実際に彼らの作品を購入してくれるお客さんと直接コミュニケーションを取れたことが大きな学びにつながったと語ってくれました。
Teenetプロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/Teenet/
渋谷の街からヒッチハイク!?
読者の中でヒッチハイクをした経験がある方はどれくらいいるのでしょうか?Hitchonはヒッチハイク文化を広めようと活動するプロジェクトとして、今回擬似ヒッチハイクの体験ができる機会を用意しました。参加者は自分の行きたい場所を書いたボードを持って街頭に立ち、ヒッチハイカーの感覚を体感する。リーダーの荒木 孝文に話を聞くと、アンケート調査を実施したところ、100名以上のお客さんに回答をいただき、「ヒッチハイクをやってみたい」という人と、「ヒッチハイクが怖い」という人の両面の意見を深く聞く事ができたと語りました
Hitchconプロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/10136/
NY帰りのお茶ハイボール
オーガニックのパウダー茶を通じて、様々な食の楽しみ方を提案するNODOKA。彼らが提供したのはほうじ茶、玄米茶、煎茶の3種類のお茶と、それをアルコールとMixした新しいハイボールです。リーダーを務める洪 秀日はNYのフードフフェア帰りの忙しい中出展をしてくださり、実際に参加者からも「お茶とお酒の組み合わせは面白い」という感想をいただけました。
NODOKA プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/nodoka/
Panasonicが届ける極上のクラフトビール
100BANCH Streetで美味しそうなビールを片手に歩く人々。実はこのビールを提供しているのがPanasonicだとしたら驚くでしょうか。BREWALK(ブリューウォーク)はテクノロジーの力を使って、日本全国の小規模なブルワリーさんと、クラフトビールを気軽に楽しみたいファンを繋ごうとするPanasonicの新規事業です。今回は奈良醸造、Kakegawa Farm Brewingの2つのブルワリーさんのクラフトビールをワンコインで提供。LANDの店頭で、3日間だけの販売にも関わらず、毎日閉店前に売り切れてしまうという大好評ぶりでした。
BREWALK プロジェクト詳細:http://craftdrinks.jp/2018/09/13/craft-x-tech-
ふんどしお祭り男がかき氷を発電!?
100BANCHの前でひときわ異彩を放っていたのが、ふんどし一丁の男たちと、LEDがギラギラ光るコスチュームのギャルたち。なにやら近づくとかき氷を売っている!? もうこの時点で情報量がパンクするのですが、この企画を手がけたのは、ふんどしの製造販売をする東大発ベンチャー企業の「褌部(ふんどしぶ」)と渋谷を拠点に電子工作 x ギャルをテーマにイベントやワークショップを行う2人組のユニット「ギャル電」。ふんどしマンが電動バイクにまたがり、そこから発電した電力でかき氷機を回し、完全「オーガニック」な環境に優しいかき氷を提供しています。お客さんに味を聞いてみると、「味は普通に美味しいです笑」と返答が。彼らは夜まで電動バイクを漕ぎ続け、用意したかき氷全てを完売できたことに、リーダーの星野 雄三が一番驚いていました。
褌部 プロジェクト詳細 :https://100banch.com/projects/fff/
「コオロギラーメン」渋谷川の新名物へ
100BANCH Streetを歩いていると、威勢のいいこえで「コオロギラーメンいかがですか~!」という声が聞こえてきます。100BANCHでは名物になっているコオロギラーメンが満を持して、ポップアップとして出展。彼らは世界で初めてコオロギからだしを取るラーメンを開発しており、ラーメン1杯に80匹のコオロギが使われているというから驚きです。お客さんに気になるお味を聞いてみると、「嘘!? 普通に美味しい!これ絶対お店出せるよ!」と驚きの声が上がりました。リーダーの篠原 祐太は、すでに開店に向けての準備をしていると話し、渋谷川沿いでコオロギラーメンを食べられる日ももしかしたら遠くないかもしれません。
Cricet Ramen プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/8771/
夢を応援する0円食堂を
少額寄付のオンラインプラットフォームPolcaで集めた資金で、夢を持った人を応援する0円食堂を運営する、polca食堂。今回はサンドイッチを作りながら夢を語る素敵な時間を提供してくれました。参加者はチェキを撮って、そこに自らの夢を刻んでいきます。クリエイティブワーカー の聖地となる渋南の10年後が楽しみになるような夢ばかりで、これからが楽しみです。
渋南の100年前と100年先をつなぐ
100BANCH Streetの当日は渋谷を代表する神社である金王八幡宮例大祭の日でもあり、お祭りのついでに足を運ぶ来場者も多数訪れました。この日のハイライトは、お神輿が100BANCH前を通った瞬間。100年以上の歴史を紡いできたお神輿と、これからの100年先を創ろうとする100BANCHが交差をした瞬間に、とてつもない熱量を感じました。
新しく開かれたこの道を100年先に繋がる道へとしていくお手伝いを、100BANCHは今後渋谷の地域の皆さんと一緒にできたらと思っています。新たな企画の機会を是非お楽しみにしていてください。
(撮影:小財美香子)
P.S.
100BANCHの褌部と担ぎ手の皆さんが出会った時に、一瞬で打ち解けた様子はイノベーションを感じる瞬間でした。笑 来年は担ぎ手に呼ばれるといいですね!
夜は野外でピッチイベントを実施
100BANCH Streetのナイトプログラムとして、活動プロジェクトが普段の取り組みを紹介するピッチイベントを行いました。
その様子は別記事でまとまっていますので、こちらも是非ご覧ください!
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