NOFF(旧:ONOFF)
社会の分断を解消し、ONとOFFの境目をシームレスに
社会の分断を解消し、ONとOFFの境目をシームレスにするプロジェクト「ONOFF」は、ナナナナ祭2023で「ゴザピクニックステーションー 休息充実・分断緩和 ー」ブースを作りました。休憩所、トークセッションピクニック、ハンドメイド作品販売など多様な顔を見せた本ブース。企画背景や当日の様子をONOFF安藤がお伝えします。
はじめまして、ONOFFの安藤智博です。私たちは、去る7月15日、16日に開催されたナナナナ祭2023でブース出展とトークセッションを実施しました。渋谷リバーストリートを古ゴザでジャックして、持ち運べる可動式休憩スポットと、畳で作った簡易休憩ステーションを展開し、渋谷のまちに憩いの空間を演出しました。また、両日共に夕方の日差しが落ち着いてくる頃に、都市に関連する様々な方々をゲストにお招きして、来場者と一緒に畳の上で話し合うトークセッションを実施しました。今回は、ONOFFによるナナナナ祭2023での実験的な活動報告と今後の展望についてレポートしたいと思います。
私たちは「社会の分断を解消し、ONとOFFの境目をシームレスに」を掲げて、地域コミュニティ、伝統と革新、人々の稼働と休息という三つの分断を繋ぎ止め、古ゴザを活用したピクニックシートの開発と、ピクニックカルチャー企画の二本柱で活動を行うプロジェクトです。
詳しくはこちら https://100banch.com/projects/onoff
主に都内の都市空間で畳やゴザを広げて、人々の憩いの場や交流の機会を創出してきました。
チームメンバーは五名で、企画の担当、経理の担当、リサーチとデザインの担当、畳職人で空間設計の担当、ピクニック大好き担当とそれぞれが役割を持ってユニットを結成しています。もともとは、アーバニズムとピクニックカルチャーに関心のあったメンバーと畳職人が出会い、「畳やゴザを活用して都市に憩いの空間を作れないか」と合流したところからプロジェクトが始まりました。その後、地域のアートフェスタや祭りなどに出展する機会を頂きながら、100BANCHでは主に古ゴザを活用したピクニックシートの製作活動を進めてきました。
100BANCH入居当時から、後のちょうど三ヶ月にナナナナ祭が控えていたこともあって、製作したゴザピクニックシートの試作品を来場者の方々に見て触れて頂く機会として位置付けられるのではないかと考えました。
そのため、まずはこのナナナナ祭での出展をマイルストーンとして、チームでそれまでに何が必要か、どんな準備をしていくべきかを議論し、チーム内で定めた目標としては以下の二点となりました。
①古ゴザを活用したピクニックシートの試作品の完成
②試作品のテスト利用とユーザーヒアリングの実施
まずは、都内の畳店と連携して20枚以上の古ゴザを試作品用に調達し、そこから、メンバーで日時を合わせて、100BANCHに足繁く通いながら試作品の制作を進めてきました。具体的には、パラコードを利用した、古ゴザのデザイン改良を実施しました。従来の手法を用いた縁の取り付けだと、丸めた時に厚みが出てしまい持ち運びにくいため、可動性を意識したストレッチの効いた作りになるように試作品作りを進めていきました。
ナナナナ祭では試作したピクニックシートを用いて「ゴザピクニックステーション ー 休息充実・分断緩和 ー」という企画を計画し、渋谷リバーストリートにて、持ち運べる可動式休憩スポットと、畳で作った簡易休憩ステーションを展開しました。これによって実際にゴザや畳に触れてもらいつつ、試作品に対する感想を吸い上げることができました。
当日は、日差しも強く非常に暑い中にも関わらず、多くのお客さんが来場してくれました。休憩ステーションで飲み物を飲みながら休憩したり、子供たちがシャボン玉を楽しんだり、地域の方が手遊びを教えてくれたりと、来場した方々が思い思いの休息の過ごし方をされていました。
また100BANCH全体の休憩所として、他のプロジェクトのメンバーも涼みに遊びに来てくれました。せっかくなので、プロジェクトのチラシとフライヤーを置いていってもらい、ステーション内に設置することで、休憩所利用のお客さんに対して、他のブースに自然に案内をすることができ、意図せず総合案内所としての役目も果たすことができました。
また、今回のナナナナ祭では特別企画として、トークセッションピクニックと題して都市や地域コミュニティなどに関するゲストにお越し頂き、休憩所で畳の上に座りながら、四つのテーマをもとに来場者と語らう時間を設けました。テーマは以下の通りです。
①「伝統と革新」(ex.職人気質、ファミリービジネス)
②「都市での休息」(ex.都市とリサーチ、Urban Health)
③「社会の分断」(ex.アーバニズム、ソーシャルキャピタル)
④「ピクニックカルチャー」(ex.地域探索、コミュニティ設計)
二日間ともに、大変気温が高く、外での実施は不安もありましたが、夕方の日差しが弱くなる時間帯で、かつ冷たい飲み物やうちわなどを提供しながら実施したこともあり、熱中症などの心配もなく、無事盛況にイベントを終えることができました。
今回、トークセッションでは多くのゲストの方々にご協力を頂きました。
お越し頂いたのは、アジアを起点とする都市体験のデザインスタジオfor Citiesより石川由佳子さん、東池袋を拠点にゴミ拾いとコーヒータイムを行うCleanup & Coffee Club(CCC)より高田将吾さん、地域と人々をつなぐ感性共有媒体としてzineを出版するethnodivingより松丸里歩さんとイケガミアキラさん、常識を打破するクリエイティブを育む共創型コリビングニューヤンキーノタムロバよりダバちゃんさん、都市の丁寧なリサーチに基づく場づくりを行うCollective Urban Pointより川口翔平さんと信夫あゆみさん、職人街と商店街をつなぐ文化活動拠点11-1studioより砂越陽介さん、東京の街を食べられる森にアップデートする活動を行うReiwa no Land Reformより森屋友佑さんにお越し頂きました。
ONOFFからは、代表の安藤智博がファシリテーターを務め、畳職人また畳作家でもあるtatami.boyこと中田雄梧がスピーカーとして出席し、二日間にわたって、多様な観点からのトークが繰り広げられました。来場者の方や、100BANCHプロジェクトメンバーの参加もあり、ブースは大盛況となりました。この場をお借りして、今回ご協力頂いたゲストの皆様に感謝を申し上げます。
今回のナナナナ祭を通して①古ゴザを活用したピクニックシートの試作品の完成、②試作品のテスト利用とユーザーヒアリングの実施という当初掲げた目標を無事に達成することができました。
更にプロダクトの改善案だけでなく、企画として古ゴザを活かした都市介入の活動に繋がる示唆をヒアリングから多く得ることができ、非常に有意義な展示期間となりました。今後の展望としては、今回頂いた改善案を開発に反映させ、様々なサイズのシート作りや他素材を活用したデザイン案の試作に取り組んでいきたいと考えています。また加えて、自治体や教育機関などと連携し、実際に公園や河川敷にゴザステーションを展開して一般の方にも広くピクニックシートを利用して頂き、更なるヒアリングなどに繋げていくことができればと考えております。
想定する利用シーンとしては、大学の広大なキャンパスなどでのお昼休みのピクニック利用、公園でのママ友同士やカップルでの休憩利用、砂浜や川沿いなどでのレジャー利用などを検討しております。試験的にピクニックシートを設置してみたいという方がもしいらっしゃればぜひお声がけください。また同時にこの試みに興味を持って頂けた畳店の方々、都市研究の方々、そしてピクニックが好きなそこのあなた!ぜひ、一緒にゴザを持ってピクニックに行きましょう。
P.S.
今回、ナナナナ祭では100BANCHの他のプロジェクトのブースでも多くのコラボをさせて頂きました。ユニークなプロジェクト毎の様々な活用によって素敵な風景がたくさん見られました。コラボして頂いた皆様、本当にありがとうございました。
■Online Yomikikase YOMY!の皆さん
https://100banch.com/projects/online-yomikikase-yomy
■Aikata Labo For Healthy Relationshipsの皆さん
https://100banch.com/projects/aikata-labo-for-healthy-relationships
■Reiwa no Land Reformの皆さん
https://100banch.com/projects/reiwa-no-land-reform
■MORINOEBIの皆さん
https://100banch.com/projects/morinoebi
■SHISHIMAI habitat cityの皆さん
https://100banch.com/projects/shishimai-habitat-city
■LiAの皆さん
https://100banch.com/projects/lia
■pecoliの皆さん
https://100banch.com/projects/omochi
■University of Universeの皆さん
https://100banch.com/projects/university-of-universe