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混沌の祝祭「Jungle Rave」でみた未来自然─ナナナナ祭2023を終えて

コンセプトデザイン 雨宮 優

ナナナナ祭期間中の7月15〜16日にかけて行われたオールナイトパーティー「Jungle Rave」。100BANCH初のオールナイトイベントは、今回のナナナナ祭のコンセプトである「Future Jungle」を1夜の体験に顕現した企画でもありました。
今回のナナナナ祭のコンセプトである「Future Jungle」をデザインし、「Jungle Rave」の総合プロデューサーを務めたGARAGE Program18期生の雨宮 優が振り返ります。

Future Jungle」とはなんだったのかを振り返る。

ナナナナ祭の会期中、そこに未来は、ジャングルはあったか。

無論、あった。

というかそこには未来とジャングルしかなかった。

渋谷川沿いというキャッチーな通りで展開されたブースは、モリノエビという謎の概念のプレゼン、インドからの電話、ダンボールを被った胴長の獅子舞、畳のチルエリア、などなど。統一感もなければ、それがなんなのかも分からない、渋谷川を歩く人々に混乱と衝撃を与えた。

日常の延長線上では決して遭遇しないハプニング。

これが都市という人間に最適化した環境を離れた自然、ジャングルの姿だ。

それはどこか怪しいし、得体が知れない。故に、未知の美しさ、未開の楽しさがそこにはある。

今はまだ誰も知らない概念が並んだ露店。それが将来的に当たり前の日常になるのかどうかはおいておいて、未来という”分からない”ものに対して、一息には”分からない”ことを表現する姿は未来に対して実に誠実だ。

数ヶ月の制作期間や合宿を経て、Future Jungleは大いに茂っていった。
理想的な姿とは何かという思索があった。またそれに向けて現実に立ちはだかる壁とどう折り合いをつけるかという葛藤もあった。ジャングルの植物もそのようにして、内的な改造と外的な対処を繰り返しながら進化する。

プロジェクト同士で生まれた新たな繋がりは今後も根を伸ばし、情報やリソースの共有が続くだろう。その中で新たな種が芽生えるかもしれない。太い幹に発達し、何百年も生きる樹木が生まれるかもしれないし、若木のうちに鹿に食べられて、土に還るかもしれない。

その全てが等しく未来への肥やしになる。ジャングルはこれからも未来に向けて、未知という愉しい余白を保ったままに、健全に発達する。

その1つの土壌たる100BANCHのこれまでを、これからを、総じて祝いたい。

エントロピーが増大し続けるこの世界において、散逸それ自体を祝うことができたら、アガリだと思っている。混沌を祝う百年後の予祝祭として、100BANCHへ贈り物をこさえるように「Jungle Rave」をつくった。

Jungle Raveは200人以上のご予約が入り、大賑わいで終了。

当日の様子はというと、熱狂のパーカッションライブの後には元素を模した精霊が踊り、段ボールの獅子舞が現れては周囲を噛み付いて周り、事態がおさまったかと思いきやステージに高座が現れ落語が始まり、次のDJ(成人男性)は服を脱ぎ子供服姿でフロアをぶち上げ、1階には三途の川が現れて死後の世界で死生観を語り合うスナックが賑わい、怪しい甘い香りに釣られて外にでると笹を鍋で煎る謎のカルチャーが発生し、2階では黙々と翌日のための準備が進められ、フロアに戻ると上裸で腕相撲対決が勃発し、J-POPからシベリア、アフリカ、琉球民族のclub remixで沸きにわいて、終わったのは朝の6時。

フェスティバルづくりで大事なことは自律分散的に不思議で愉快なことが起きる土壌づくりと余白づくりだと思っているのだけど、100BANCHという土壌にオールナイトという余白を付与したらこうなった。

100BANCHは本来アクセラレーション施設という側面があるのだけど、メンターによるメンタリングやVCやメディアとの接続のみならず、祭というとびきりぶっ飛んだイノベーションの誘発ができる土壌、カルチャーがある故に凄まじいポテンシャルを秘めていると思う。

今年で100BANCHは6周年。

毎年7/7に開催しているナナナナ祭は来年でいよいよ7・7・7祭。

Future Jungleというコンセプトから発生した創発や身体知がどこに着地するのか、あるいはしないのか、今からとても楽しみである。

 

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