- イベントレポート
100年先の未来を描く4プロジェクトが登壇 2023年4月 GARAGE Program実験報告会
ワクワクする手段で食から健康を紡ぐ社会に
本プロジェクトは、健康機能性、環境問題への貢献性をも兼備した「食べられる栄養スプーン【salii】」の開発/販売を行う。若年層に蔓延する「食事への抵抗感(ギルト)」や「プラスチック使用への抵抗感(ギルト)」からの解放を目指し、“食から健康を紡ぐ選択肢”を提示する。
プロジェクト代表中原杏菜の祖母が関節リウマチという疾患に苦しんでいたことをきっかけに、高校1年生のとき「疾患に対する食材の効果」について研究を開始。リソースがなかったため、大学教授に懇願して研究室をお借りしながら「食と健康」分野の研究を必死に進める中で、「世界中の研究者が生み出した素晴らしい研究成果の多くが、社会実装に活用されずに眠っている」ことを知り、自分は世界中の「食と健康」分野の研究成果を社会実装することを志す。様々な疾患に対して様々な食材の治療効果が多くの研究報告にて解明される一方で、社会では「エセ医学的な認識」が広まっていることから、社会実装の手段選択が非常に肝心であると考えて模索。まだ世の中に無いワクワクする手段での社会実装を目指して思考を張り巡らし、問い続けていたときたまたま目に入ったプラスチック製の空気清浄機を見て「社会課題として深刻視されているプラスチックを、食べて健康になれたら、超最高なのにな」という考えが突然降ってきた。ちょうど当時、「自分達が排出したプラスチックによって多くの生き物が次々と死に至っている現実」が心に突き刺さって抜けず、様々な思いと思考が重なってアイデアが降りてきた。自分の思考を深掘りしながら専門的な情報の収集を開始し、実現可能性を模索するなかで「食事で消費するプラスチックが食後に食べられ、栄養も取れるものにする」という方向性に定め、「食べられる食器」を製造している日本の企業と協業させていただくことが決定。実現可能性と商品機能価値などの観点から問い続けた末、「食べられる栄養スプーン【salii】」の開発を決めた。
食べられる栄養スプーンは、21世紀の若者が食へのワクワクを取り戻すための種になり得るのではないか。
食への罪悪感やプラスチック仕様への罪悪感など、窮屈に感じやすい現代若者社会で生きる多くの人へ、『食べられる栄養スプーン』を手に取って頂くためのイベント・販売。
toBでの販売をおこなった後、ブランドとしてメッセージを社会に発信していく方法を具体的に模索し、具体化。
・SNS、メディアへの露出
・プロダクトの販売にとどまらず、食の体験を届けるための方法を模索
・ブランドとして次のステップを具体化
食べられる栄養スプーンをきっかけに、若者が食へのワクワクを取り戻す
純粋に食事が健康になる手段として楽しまれる社会にする
代表中原杏菜
2003年生まれ。高校一年次から疾患に対する食の補助的療法の研究を開始。「食から健康を紡ぐ選択肢」を社会に提示する手段を模索した末に「食べられる栄養スプーン【salii】」を開発・販売するプロジェクトを始動。前身研究がサイエンスキャッスル研究費のアサヒ飲料賞にて最優秀賞を受賞し、現在は今年夏の販売開始に向け準備中。自分のワクワクする本能に従ってテケテケ走り回っている。
ディレクター久米さくら
2003年ドイツ生まれ、ベトナム在住経験あり。日本に帰国した際、この国の暮らしやすさに気付くと同時に身の回りで起こる社会問題にグローバルな視点から目を向けるようになる。世界規模のビジネスコンテストや若者向けコンサルティング企業でのインターン経験より、本プロジェクトでは主にマーケティングやSNS運用・コンテンツ制作などの広報を担当。趣味は「ヘルシーで美味しい」レシピ開発。
プロダクトマネージャー桑名君佳
2003年東京生まれ。ニュージーランド留学から帰国後、日本の若年層における社会課題への意識向上を目的に活動を始めたものの、意識の向上と同時に抱く窮屈感や罪悪感に疑問を抱く。これらの葛藤を如何にポジティブなアウトプットに繋げるか模索していた際に本プロジェクト代表の中原杏菜と運命的な出会いを果たしプロジェクトに参画。
カフェ・カンパニー株式会社 代表取締役社長楠本 修二郎
1964年福岡県生まれ。リクルートコスモス、大前研一事務所を経て、2001年カフェ・カンパニーを設立。 コミュニティの創造をテーマに「WIRED CAFE」など約80店舗の企画・運営や地域活性化事業、商業施設プロデュース等を手掛ける。 2021年「日本の愛すべき食を未来につなぐ」ことを目的にグッドイートカンパニーを設立。 その他、内閣府クールジャパン等の政府委員や東日本の食の復興を目的とした「東の食の会」、「おいしい」を軸に新たな循環や仕組みを生み出し持続可能な未来への貢献を目指す「おいしい未来研究所」の代表理事等も歴任。
プロジェクトの歩み