「中銀カプセルタワービル」を、消えゆく文化遺産のタイムカプセルに!
Capsules of artists
プロジェクト概要
取り壊しの危機に瀕している近代建築「中銀カプセルタワービル」を、同じく失われゆく危機に瀕している様々な文化をテーマにしたアートや表現物で埋め尽くし、それらの価値を100年後まで伝える「タイムカプセル」を作るプロジェクトです。
私たちの社会は、文化的に非常に価値があるとわかっているものを、それにも関わらず壊すという選択をしてしまうことがあります。
中銀カプセルタワービルを中心として、消えゆく文化的遺産を100年後まで伝えていくためのアートプロジェクトを始動します。
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#コミュニケーション
動機
ダンスの力、広義の振付の力は、既にパッケージ化された“踊る”こと以外にも広がりを持って社会に馴染んでいくことができるのではないか。
ダンスに長く関わり、アートの現場で働く中で、私はこのことを考えざるを得ません。資本主義的には非効率で無駄なものでも、切り捨てずに愛していける豊かな社会の一員になりたい。豊かで文化的な社会をできるところから創っていくために、ダンスやアートの持つ強いメッセージ性を借りて、何か面白くて新しい表現や取り組みができないかと常に考えていました。
今回カプセルタワービルの保全活動をしている方から、「何かダンスをやってくれないか」という相談をいただき、またその想いの背を押され本プロジェクトの発足に至りました。
仮説
例えば、パンダの絶滅とウナギの絶滅は「絶滅動物」という大きな社会課題として語られ、注目も大きいです。しかし「文化の絶滅」は個別に語られ、そのジャンルに関心のない人には届きません。築地市場の移転も、憲法9条の改正も、様々な文化の保全活動をひとつの拠点から発信することで、強くできるのではないか。そして、まさに取り壊しの危機に瀕している文化建築のカプセルタワービルこそ、その拠点にふさわしいのではないかと考えています。
実験
WEB上のカプセルタワービルに、アート作品と文化保全の訴えを「入居」させていき、全140室の満室を目指す。具体的には、カプセルタワービル内での作品制作・発表の様子をWEB上にアーカイブしていく形をとる。
自身のアート以外の様々な文化へも越境できるアーティスト、社会問題に関心の強いアーティストの方々と協創して進めていきたいです!
目標
・プロジェクトの具体化
・WEBの開設
・10室のアーティストの声掛け→作品制作開始
・上記に加えさらに10室のアーティストへの声掛け
未来
カプセルタワービルが様々な絶滅危惧文化を格納し、100年後まで送り届けるタイムカプセルとなる。また、それ自体が発信力を持って多くの人の興味を引くコンテンツとなる。
リーダーインタビュー(秋山きらら)
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「あなたはどんな風に育ちましたか?」
美大卒の両親の元、一人娘として育つ。クラシックバレエで全国大会入賞を果たすも、才能の限界を感じる中学時代。目立つ本名を抱えながら、都立御三家の高校に推薦入試で突破。多感な高校時代を、都立御三家–日本一の文化祭を誇る「国立高校」で過ごすが、頭のよさでは太刀打ちできないと知り、演劇やバンド活動など“創る”ことに傾倒。ダンスはもちろんのこと、ジャンルを超えた創作を好むように。
「欲しいものが無かったら自分でつくったらいいんじゃない?」と母に言われた幼少時代。おままごとセットも学校の工作ブームも、今ではプロジェクトも作っているなぁと。 -
渋谷の街のエピソード
ダンスサークルの練習に向かう時、必ずスクランブル交差点をダッシュして通っていた馴染みの深い街。練習後のごはんや公演の演出打ち合わせ、深夜リハーサル後の夜明けの渋谷など、私の渋谷はダンスカルチャーとともにある気がします。
そういえばプロジェクトメンバーの加藤と出会ったのも、ダンスサークルでした。学生時代には他にもコワーキングスペースでインターンをしたり、パルコや文化村や先輩のおすすめのカフェに行ったりして。「人間関係カフェ」は今でも私の癒しスポットです。 -
メンバーたちの意外な一面
かとこー(加藤航平)さんは、プロジェクトの最終局面で私がいっぱいいっぱいになっていても、理系らしく冷静に、時に冷淡に、論理的に詰めていくので、無感情でタスクをこなすロボットか何かだと思っていました。しかし最近、ダンスや新し物好きなところが共通点で、彼の中に「やるのは面白いけど利益に繋がらないこと」に全力を尽くす理由を見つけてきています。 -
意気込みをお願いします!
ダンス。文化遺産。それだけでは刺さる人が少ないものを、どうやって多くの人を巻き込んでいけるのか。資本主義的に無駄なものでも切り捨てずに愛していける豊かな社会を目指して。まずは、中銀カプセルタワービルから発信できるよう、このプロジェクトを形にしていきます!
PROJECT TEAM
秋山 きらら
プロジェクトマネージャー
1991年東京生まれ。振付家。コーディネーター。パフォーミングアーツを中心に企画制作をする傍ら、自らも作品制作をし、大学卒業後に立ち上げた「身体企画ユニット ヨハク」ではこれまで11作品を発表。2018年は、あうるすぽっとや金沢21世紀美術館シアター21で発表した。
加藤 航平
プロデューサー
1990年生まれ。広告代理店でコピーライター・ビジネスプロデューサーとして勤務する傍ら、脚本執筆・振付・落語など舞台の企画・上演を続けている。2019年春d倉庫新人劇作家シリーズ参加予定。
mentor廣川玉枝
SOMARTA Creative Director / Designer
ファッション、グラフィック、サウンド、ビジュアルデザインを手掛ける「SOMA DESIGN」を設立。 同時にブランド「SOMARTA」を立ち上げ東京コレクションに参加。 第25回毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。単独個展「廣川玉枝展 身体の系譜」の他Canon[NEOREAL]展/ TOYOTA [iQ×SOMARTA MICROCOSMOS]展/ YAMAHA MOTOR DESIGN [02Gen-Taurs]など企業コラボレーション作品を多数手がける。2017年SOMARTAのシグニチャーアイテム”Skin Series”がMoMAに収蔵され話題を呼ぶ。