EVENT REPORT

2019.09.10 Tue

次の一歩をつかむ場所 〜Garage Program 実験報告会〜

  • #GARAGE Program

これからの100年をつくる、U35の若手リーダーのプロジェクトを推進するアクセラレーションプログラム「Garage Program」では、活動期間終了のタイミングで、どんな実験を行ってきたか発表する実験報告会を実施しています。

 

2019年8月28日に開催された実験報告会では、下記のプログラムが実験を振り返りました。

 Tokyo Re-cycle:東京の街をフードコートに変えて、新しい食文化を生み出す
 Capsule of artist:「中銀カプセルタワービル」を、消えゆく文化遺産のタイムカプセルに!
・【Pick UP!!】  Expanding Identity:演劇ワークショップで、若者たちのアイデンティティの面積拡大を目指します。
・【Pick UP!!】  Fumilay:誰でもどこでも寝れる世の中へ、人類の睡眠環境を拡張する
 PK center:新たなシュート体験の場を創造する!
 nominico:日本人のキャラクターをアップデートする
 Heal the World:モリンガによって創造できる新しい価値観、未来を発信する!
  STEMee:女の子たちの環境に、科学に触れるキッカケを創りたい

 

この記事では、事業拡大のために関係づくりをしてきたFumilay、これまで意識しなかった視点を得たというExpanding Identityを紹介します。

Fumilay 水野勇望さん
プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/18377/

 

水野:僕たちは人々の睡眠不足を解消するために、睡眠環境を拡張することをミッションに掲げ活動しています。日本人の40%は睡眠が足りないと言われています。僕自身も睡眠不足に悩まされるひとりでした。睡眠不足は仕事のパフォーマンス低下だけでなく、事故やミスにつながる恐れもあります。 

そこで僕たちが提案しているのが、仮眠です。日中25分以内の仮眠をとることは、睡眠不足から生じる問題をある程度解消できると言われています。仕事が忙しい人とか、小さなお子さんがいる人とか、寝る時間がとれない人にソリューションを提案できないかと思ってはじめたのが、どこでも寝られる「まどまくら」の開発でした。

 

100BANCHに入居したタイミングと理由については、次のステップを目指していたと言います。

 

水野:次のプロダクトを開発していこうという段階でした。正直、まくらは収益率があんまり良くなかったので、新しいプロダクトをつくったり、ほかの事業でマネタイズできないか考えていたんです。そのためにも、つながりをつくる必要があると思っていました。

100BANCHでは主に、商品の開発 / 改善と事業の拡大を行ってきました。成果として、睡眠医学の医師が共同で研究をしていただけることになり、今後は医学的な根拠に基づいて、プロダクトの開発が進められると考えています。

 

 

水野:そのほかに100BANCHのつながりで、仮眠室を作ろうとしている企業の方にお話を伺うことができて、今はそこに参画できないか相談をしているところです。100BANCHにもけっこう睡眠不足の方が多いみたいなので、試験的にここにも導入したいなと思っています。

 

100BANCH入居期間を経て、次はどのようなことにチャレンジしていくのでしょうか?

 

水野:新しいことも、今後事業展開していくことを見据えて計画立てていきたいと考えています。本当はもっと早くプロダクトをつくりたかったのですが、なかなか睡眠医学の先生にたどり着くことができずにいた時期がありました。何人かコンタクトをとって、ようやく協力してもらえる方が見つかったんです。

今は100BANCHの方につくっていただいた縁から、睡眠をテーマにしたコミュニティをつくるイベントの企画もしています。メンターさんからプロダクトを生産する工場を紹介してもらったこともあり、みなさん、すぐに「連絡するよ、つなげるよ」って言ってくださるのがすごくありがたくて。ここでは自分にないつながりをつくれるのが、すごく大きかったです。

Expanding Identity ヒノ影アランさん
プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/18299/

 

ヒノ影:私たちは、演劇から若者のアイデンティティの面積を広げたいという目標を掲げて、普段は創作ユニットヤマアラシというチームで、演劇やパフォーマンスをしています。
100BANCHでは3階のLOFTスペースで感情を表現してみるワークショップを月に1回くらい開催できたらと思って、6月に入居しました。

 

最初に謝っておかないといけないことがあります……100BANCHをフル活用しようと意気込んでいましたが、7月の最初に公演が決まったりして最初の2ヶ月はほぼ来れていなくて。すみません。

8月の終わりに、ようやくワークショップを開催することができました。感情というものにクローズアップした、誰でも参加できるワークショップ。名付けて「#演劇をやってみる(仮)」です。

 

 

ヒノ影:演劇ではさまざまな感情に出会うことができます。僕自身も思って見なかった感情に出会って、自分が広がっていくのを感じたことがあって。感情の面積は、アイデンティティの面積と比例していくのではと感じました。自分がないという言葉が広がっている昨今、それはアイデンティティがないのではなくて、面積が狭いだけなんだと伝えたいし、証明したいんです。

今回のワークショップでは、さまざまな角度から感情を表現してみる時間をつくりました。「自分を動物に例えてください」と尋ねたとき、最初は「草原の中にぽつんと立っているシマウマ」って言う方がいて。それがワークショップ後には「メガネザル」になったんです。目がめっちゃでかくて、視界が広がってる!Expandじゃん!って。

当日は参加者の表情や声、身体もだんだんほぐれていきました。当日の感想をまとめた動画があるので、よかったら見てみてください。

 

 

ヒノ影:そもそも感情って、自分が言うこととはまた違ったものが複合されていて。喜怒哀楽だけでは言えないマーブルなコントラストがあると思うんです。それを実感してもらいたい。そういう意味では、ワークショップは成功だと思います。これをたたき台にして、今後も開催していけたらと思っています。 

 

100BANCHのGarageProgramの入居期間で、どのような気づきがあったのでしょうか。

 

ヒノ影:僕らはビジネスをやるというよりも、自分たちが初めてワークショップを開催してみる場所として100BANCHを活用できたらいいなと思って入居しました。ここに入ったことで、自分たちがあるべき場所が少しわかった気がしますね。 

2階のGarageで活動していると、隣のチームの会話が聞こえてくるじゃないですか。周りの人たちはアプリを制作するだとか、割とビジネスにコミットしてやっていくようなプロジェクトが多くて。ビジネスモデルをつくっていく人の会話は目的があって、明確な未来を見ている。無駄なく話している感じがするんです。

一方で僕らは、感情っていう漠然としたものを扱っていて、やってみないとわからなくて。具体的な回答が見えてる感じが違うなと思いました。ビジネスとアートの溝を感じたっていうのは正直なところです。今思うと、もうちょっと異物として100BANCHに居られたかもしれないというのはありますけどね。

 

冒頭、なかなか100BANCHを活用できなかったと話したものの、また違った視点を得たプロジェクトもあります。

 

ヒノ影:演劇ってぜんぜん食っていけないんです。そのなかで、食っていけるサイクルを確立したいっていうのもあって。そこの入り口に立ったかなと個人的には感じています。忙しかったとはいえ、自分たちの力不足で。できることは、まだまだあるような気がしています。

次回の実験報告会

事業拡大のために100BANCHのネットワークをうまく活用していくFumilayと、今までと違う環境で新たな視点を得たExpanding Identity。対象的に見える2つのプロジェクトですが、100BANCHでの活動期間を経て、次の1歩を踏み出そうとしているようです。

 

2人のように100BANCHを使っていきたいプロジェクトを随時募集しています。詳しくはGARAGE Program詳細ページからご覧ください。

次回の実験報告会は9月25日に開催予定。入居を検討している方も、ここで繰り広げられる実験に関心があるという方も、どなたでもご参加いただけます。

WRITER

中嶋 希実

編集・チャイ屋

東京と茨城を行ったり来たり。話を聞いたり、書いたり、動かしたりしながらいくつかのプロジェクトに関わっています。ときどきチャイ屋「きみちゃい」をひらきます。

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