複数のカルチャーが入り混じる景観の、新たな見方を確立したい。

Third Culture Scape Project
複数のカルチャーが入り混じる景観の、新たな見方を確立したい。
「いつか月で会いましょう。地球生命より。」
宇宙人のための芸術作品を月面に送る。
私たちは、宇宙人のための芸術作品を月面に送るプロジェクトです。
私は『ミクロ彫刻展示会』を月で開催したいと考えています。動物の遺伝子情報を含んだミクロサイズの彫刻を多数制作し、「ノアの方舟」を模した人工衛星で月に打ち上げます。そして衛星から彫刻を放出し、月面に動物彫刻を展示します。このプロジェクトは、将来の月面芸術の可能性を探究するものです。
子どもの頃、宇宙に夢を描いた人は多いと思います。でも、大人になるとその夢を忘れ、人間がつくった社会のルールや常識の中で視界が狭くなりがちです。
このプロジェクトでは、人間の視点から少し離れ、地球の外から世界を見つめる挑戦をしたいと考えています。
例えば、数千年後に宇宙人が月面でこのアート作品を発見したら、何を思うでしょう?「地球人って面白い!」と思うかもしれませんし、「なぜこんなものを月に置いたのだろう?」と想像を巡らせるかもしれません。
長い間、私たちの世界では人間中心で物事を考えるのが当たり前でした。しかし、環境問題や気候変動、生き物たちの居場所の喪失、そして人間同士の争いが絶えない現実を目の当たりにすると、「このままではダメだ」と感じる人も多いのではないでしょうか。世界を、人間だけの視点で見るのではなく、もっと広く長い時間軸から見つめ直し、それを作品として表現したいと考えています。
1. DNA入り遺伝子彫刻の改良
プロトタイプ制作は既に成功しました。今後は形状の精度をさらに高め、不純物の封入を減らしていくことを目指します。
2.月面打ち上げの実現可能性の調査
現在、月面葬を行っている企業にプロジェクトを提案し、具体的に検討を進めます。また、宇宙環境における作品の耐久性や視覚的な影響をシミュレーションし、実現の課題を洗い出します。
『月面ミクロ彫刻展示会』を実際に月面で開催します。
100年後、宇宙での暮らしが実現した未来では、アートが科学とともに、人類の想像力を広げる力になっていてほしいです。そして1000年後、宇宙人が私の月面芸術を見つけたとき、「ここに生命がいた」ということを知ってほしいと思います。
Noah's Ark プロジェクトリーダー古山 寧々
1999年岐阜県生まれ。2024年多摩美術大学大学院修了。「非人間から見る人間」をテーマに、電子工作やバイオアートを駆使した作品制作を行い、月面ミクロ彫刻展示会『Noah’s Ark』などを手がける。