Octopus Project
未知なる生物「蛸」から、人の社会を問い直す
複数のカルチャーが入り混じる景観の、新たな見方を確立したい。
私たちは複数文化を越境した、新しい風景の見方の確立を目指すプロジェクトです。
ルーツとは別の国で生まれ育つ子ども「サードカルチャーキッズ(TCK)」は、文化の狭間で自身の文化的アイデンティティを特定するのに苦労を要します。そんなTCKが抱える複雑なアイデンティティを受容する方法を、世界中に既に存在する複数の文化が入り混じった風景=エスニックタウンの景観のあり方に探ることを試みます。どんな人も自分のアイデンティティを受容し、精神的な居場所を持つ未来を目指したいです。
自分が複数文化にまたがり育ったサードカルチャーキッズの当事者であり、アイデンティティを受容する過程で様々な困難があり、自分自身で折り合いをつけるために始めた制作になります。
昨今、多様性にかなり注目が集まっているものの、マイノリティの文化は注目はされど別枠として語られることが多いように感じます。自身が属するものが現時点でマイノリティである場合、そのアイデンティティの受容の過程には多くの困難があります。世間の風潮を変えるだけでなく、当事者が自分自身で折り合いをつけられるような新たな考え方を模索したいです。自分自身が当事者としてその受容の過程を発信することが、同じような誰かの力になるのではないかと考えています。
1.サードカルチャースケープという概念をより深化させる方法を模索する。その過程で、インタビューや景観の分析の表現手法も同様に検討したい。
2.その制作や概念の適切な発信の手法を実験したい。
サードカルチャースケープをテーマにした展示会を企画し、その内容を決める。展示の実現に向けて、制作等を行う。
サードカルチャーというあり方が、既存の文化や国の単位と同列に語られる未来。
Third Culture Scape リーダー張伊琳
2000年生まれ、中国人の両親を持ち、日本で生まれ育つ。慶應義塾大学SFCでランドスケープデザインを学ぶ。大学3年時に休学し渡星、ランドスケープデザイン事務所でインターン。帰国後、景観デザインの提案がgood design new hope賞を受賞。卒業制作として、世界中のチャイナタウンを訪問し、自身のルーツとは別の土地に育つサードカルチャーキッズとしての一人称の語りを通してその風景を再解釈する際の新たな概念『サードカルチャースケープ』の発見と、それに基づいた作品の制作を行う。
プロジェクトの歩み
入居開始