• イベントレポート

100年先の未来を描く4プロジェクトが登壇 2024年7月 GARAGE Program実験報告会

100BANCHで毎月開催している、若者たちが試行錯誤を重ねながら取り組んできた“未来に向けた実験”を広くシェアするイベント「実験報告会」。

これからの100年をつくるU35の若手リーダーのプロジェクトを推進するアクセラレーションプログラム「GARAGE Program」を終えたプロジェクトによる100BANCHでの活動報告や、100BANCHでの挑戦を経て、プロジェクトを拡大・成長させた先輩プロジェクトによるナビゲータートークを実施しています。

2024年7月25日に開催した実験報告会では、紙製の活版印刷用活字「紙活字」をはじめ、紙や印刷の技術を軸にブランディングやグラフィックなど様々なクリエイティブ制作に携わるGARAGE Program11期生「Papertype × Shibuya」の守田篤史(株式会社ペーパーパレード共同創業者)をナビゲーターとし、GARAGE Programの計4プロジェクトが活動を報告しました。

本レポートでは、GARAGE Programの4プロジェクトの発表内容をお伝えします。

My Dr.

クリニックの口コミのお悩みを解決!!! 〜クリニックMEOアプリMy Dr.〜

登壇者:堀川心之祐

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/my-dr

「My Dr.」は、手軽に円滑に口コミを集め、再来院を促すことができるクリニック向けMEOアプリ『My Dr.』の開発を通じて、クリニックの口コミ課題の解決を目指すプロジェクトです。

堀川:病院に行った時、「2週間後また病状を見せに来てくださいね」と経過観察を口約束するようなシチュエーションがあります。そういったことのアプリ管理を理由として、患者様にアプリを入れていただき、最後に口コミに誘導しています。病院での診察後、QRコードを読み取ってもらい、「後日アプリから病状を教えてください」とお願いしています。ポイントはGoogle のシングルサインオンでログインしてもらう点です。Googleでログインしているので、経過観察の登録をしていただいた後、口コミの評価もスムーズに完了できるようになっています。また、症状を登録した後に次回の予約を促すような機能もつけています。

今回、100BANCHの3ヶ月で実験したかったのは、このツールで本当に口コミが集まるのか、ということです。いろいろなクリニックで検証させていただき、あるクリニックでは、15人の初診の患者様に「アプリを入れてください」とお願いしたところ、そのうち13名にインストールしていただけました。先生の目の前でインストールするためか、全員の方に星5つの評価を押していただくという結果が出ました。

クリニックさんは多くが保守的でなかなか刺さらなかったのですが、MEOの事業者の方々とタッグを組むことが有効だと分かりました。いま、MEOの事業者さんと一緒に事業を進めていて、最近決まったのが、鍼灸接骨院さんへの導入です。クリニックだとハードルが上がるので、鍼灸接骨院さんでも使えるように、現在、仕様を変えているところです。

「今後は3ヶ月延長させていただき、口コミが増えると経営は良くなるのか、検証したいと思っています。」  と堀川は話しました。

 

TUTTI INDUSTRIES

ものづくりをしてみたい人の初めの半歩に、そのきっかけとなる場づくりをしたい

登壇者:土谷恒樹

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/tutti-industries

「TUTTI INDUSTRIES」は、身近な施設をロボットまみれにして、ものづくりに興味がある方々に手を動かして始めるきっかけを提供するプロジェクトです。

土屋:100BANCHでは、「リアルエンジニアに成りきろう」というコンセプトのもと、子ども向けにワークショップを企画し実施しました。対象年齢は小学校の4〜6年生で、カフェを貸し切って実施しました。まずは、人型のロボットを作ることができる、本格的な仕様設計のオリジナルのキット製作を行いました。続いて「リアルエンジニア」のコンセプトのもと、エンジニアが考えていること、やっていることを落とし込んだ教材をつくりました。それを子どもたちに配布し、自分が担当する箇所に色を塗ってもらうなど、ノートみたいに使ってもらうかたちで実施しました。実際に、5人の子どもたちにロボットをつくってもらったのですが、思った以上に大盛況で非常にいいワークショップになりました。子供たちがすごく楽しんでくれただけでなく、親御さん方も写真をバシバシ撮ったり、ロボットの設計について質問されたりと、非常に楽しんでいただけました。また、「ものづくりをもっと街なかに広げていきたい」という気持ちから、今回のワークショップはカフェを貸し切って実施したのですが、やりたかった親近感のある空間づくりができました。今回のワークショップを実施した結果、ものを作るよろこび、エンジニアリングのリアリティ、親近感のある空間の演出、この3点の重要な要素に気づくことができました。

「今後は地方の人口減少という課題に対して新しい教育の価値の提供を考えており、ワークショップを地方に展開していきたいと考えています。現在、気仙沼の公的なビジネスセンターに協力いただいてワークショップの開催を予定しています。 」と土谷は話しました。

 

BioCraft

未来を彩る光と科学の融合、夢と驚きが広がる人と生物が共生する新たな光景を描く

登壇者:西村隆太郎

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/biocraft

「BioCraft」は、バイオ技術と共生した未来の世界を想像することが可能なバイオクラフトを作製し、世の中に発信し、人と生物の共生を目指すプロジェクトです。

西村:「BioCraft」では、未来の世界で人と生物が共生し、バイオ技術との調和を感じられるワクワクするような空間を創出することを目指してプロジェクトを行っていて、100BANCHでは生物発光のバイオランプを作りました。ナナナナ祭では「もしも渋谷の中心が腐海だったら × 発光生物:持続可能な未来を広げる種」という展示をさせていただきました。 渋谷が腐海の地になった時、生物発光の光でどういったものが作り出せるか、LifehackMaterial の五月女さんからサポートいただき、生物発光によるナチュラルな光の展示作品を作りました。また、PxCell の川又さんに手伝っていただいて、光る花や光る手を作りました。生物発光の展示は、寒天培地発光タイプと液体発光タイプの2種類を作ることができます。寒天培地発光タイプでは、どんな形でも作れ、発光の形は星空系で、微弱発光から強発光までが可能です。液体発光タイプは、好きな入れ物に入れて、緩やかな光で発光させることが可能です。時間差発光やグラデーションなどもできます。

「6ヶ月間、基礎実験で『孤独実験』していたので、これから色々なプロジェクトとコラボしたいです。お話させていただきたいのでぜひお声がけください。」と西村は呼びかけました。

 

OKINA

竹専用の接合部「OKINA」で、あり余る地域資源を「宝の山」にする

登壇者:大野宏

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/okina

「OKINA」は、あらゆる地域にある竹と竹専用の接合部「OKINA」を利用して、地域の人と地域の資源で、地域に必要な空間と資源の循環を生み出すことに挑戦するプロジェクトです。

大野:僕らが開発した「OKINA」は、太さが不均一な竹でも簡単に組むことができる竹のジョイントです。小さなスケールだと、椅子や折りたたみのテーブルをつくることができたり、大きなものになると、イベントやオフィスの什器など、さらに大きいものだと折りたたみ可能なテントや東屋もこのジョイントを使って組むことができます。

「放置された竹林が宝の山になる」ことがプロジェクトの1番のテーマではあるのですが、裏テーマとしては、「被災時、OKINAを使って現地の竹でシェルターなどをつくる仕組みをつくれないか」と考えています。基本的には、現地の人が現地の竹を使って組むことを目指していて、IKEAのパンフレットのように、「家具の組み立て説明書」のようなものをつくって公開し、それを見れば誰でもつくれるように設計しています。100BANCHでも TateruOctopus Project といった他の2プロジェクトが、「自分たちでも使ってみたい」と言ってくれて、OKINAを使って自分たちのブースをつくってくれたことに、OKINAの広がりを感じました。

「僕が知らないところでも急激に活動が活発化していて、関西大学でテントをつくるのにOKINAが使われていたり、九州大学で大きな建築物をつくるのにOKINAを使いたいという話があったり、この1ヶ月くらいでどんどんOKINAが広がってきたと感じています。」と大野は話しました。

 

実験報告会の各発表内容はYouTubeでもご覧いただけます。​​

My Dr. https://youtu.be/ntmE9bIP2Ao?feature=shared

TUTTI INDUSTRIES https://youtu.be/GFUtYSbzhVE?feature=shared

BioCraft https://youtu.be/hJGvslnMsVc?feature=shared

OKINA https://youtu.be/eDQF6imZW4c?feature=shared

次回の実験報告会は8月28日(水)に開催。ぜひご参加ください!

(撮影:鈴木 渉)

 

<次回実験報告会>

「本気のかくれんぼで、本当の自分を解放できる社会へ」100BANCH実験報告会

 

 

【こんな方にオススメ】
・100BANCHに興味がある
・GARAGE Programに応募したい
・直接プロジェクトメンバーと話してみたい
・遊びに興味関心がある

【概要】

日程:8/28(水)

時間:19:00 – 21:30 (開場18:45)

会場:100BANCH 3F

参加費:無料(1ドリンク付き)

参加方法:Peatixでチケットをお申し込みの上、当日100BANCHへお越しください

 

詳細はこちらをご覧ください:https://100banch.com/events/63078/

  1. TOP
  2. MAGAZINE
  3. 100年先の未来を描く4プロジェクトが登壇 2024年7月 GARAGE Program実験報告会

100BANCH
で挑戦したい人へ

次の100年をつくる、百のプロジェクトを募集します。

これからの100年をつくるU35の若きリーダーのプロジェクトとその社会実験を推進するアクセラレーションプログラムが、GARAGE Programです。月に一度の審査会で採択されたチームは、プロジェクトスペースやイベントスペースを無償で利用可能。各分野のトップランナーたちと共に新たな価値の創造に挑戦してみませんか?

GARAGE Program
GARAGE Program エントリー受付中

2月入居の募集期間

11/26 Tue - 12/23 Mon

100BANCHを応援したい人へ

100BANCHでは同時多発的に様々なプロジェクトがうごめき、未来を模索し、実験を行っています。そんな野心的な若者たちとつながり、応援することで、100年先の未来を一緒につくっていきましょう。

応援方法・関わり方