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ナナナナ祭2022クロージングイベント「100年先をつくる~杜から学ぶ時間のとらえ方~」レポート<後半>

ナナナナ祭2022の最終日に開催されたイベント「こんにちは未来」の後半では、前半に行われた「明治神宮の杜」に関するクロストークの内容を踏まえながら、100BANCHのメンバーが5年間の活動やナナナナ祭2022で挑戦した「変態」について振り返りました。

杜から学ぶ時間のとらえ方

 

則武:これまでの5年を振り返るとメンバーそれぞれの成長がとても目覚ましく、100BANCHに入居してから後に起業したチームが今累計44プロジェクトあり、今年もすでに11プロジェクトが起業しています。

 

プロジェクトの累計も733と、去年からでもこれぐらい増えてます。コロナ禍でも決して緩んでいるわけではなくて、いろんな形で本当に実験を続けてくれていたなというのが私の印象です。

 

そして、クラウドファンディングもこの1年で8プロジェクトが新たにチャレンジをして、今までで61プロジェクトがクラウドファンディングに挑戦し、そのすべてが達成しています。これはすごいねとクラウドファンディングの会社の方にも言っていただけるのですが、自分たちのWillから始まっている活動であるが故にすごく共感性が高いのかな、という風に考えています。

 

100BANCHは、今年の2月に一般社団法人百番地を設立しまして、 100BANCHのコミュニティからもっともっといろんなものを生み出していこうという体制にしております。ここからはその一般社団法人の理事3人でお届けしていきたいと思います。庭野さんと新田さん、さっきまでの話の感想はどうですか。

 

庭野:私も近代知と伝統のせめぎ合いっていうワードはすごくいいなと思って聞いていたのと、100BANCHはやんちゃな人間まみれな場所なので、この人たちをどうコントロールしていけばいいのかというのは、うんと思いながら聞いていました。

 

新田: 私もすごくたくさんのキーワードをいただいた、すごく嬉しい時間でした。天然(の杜)を更新していくみたいな、自分たちで管理するだけじゃない。想定外のこともたくさん起こるヘテロなものをどう歓迎するか、みたいな言葉も上がっていました。予測不能なことが起こり過ぎる時代だからこそ、その想定外を歓迎するというような姿勢であったり、そういった心持ちもすごく大事なのかなと思いつつ、この100年前と違う団結っていう感覚があんまりなくなってきている若い世代の人たちに対して、共感が人が人を動かすみたいなところに繋がっていくんだろうなと思いながら、聞いておりました。

 

則武:運営側としては極力関わらないことも大事で、杜も極力関わらないけど人がどう関わり続けるかみたいなところで、杜と100BANCHを重ねて聞いていました。

5年間の運営で感じた「疾走と積層」

ここで100BANCHの5年間を振り返りたいと思いますが、庭野さんにとって、この5年間はどうでしたか?

 

庭野:5年はめちゃめちゃ早く感じていました。今年2月にナナナナ祭に向けて行った合宿で、「100BANCHってどんな場所だっけ」というのを書き出すワークショップをやった時に、スタッフ側の100BANCH像とメンバーから出た100BANCH像がほとんど一緒だったんですよ。それを見た時に鳥肌が立つような感動があって、急に5年間を実感しました。100BANCHの最初の時期は今ほどごちゃごちゃもしていなかったし、メンバーも1日に1人来たらいい方ぐらいの時もあったけれど、100BANCHってこういう場所だよね、みたいな話が、メンバーも同じレベルでできるようになったっていうのが、5年ってすごいんだなって感じましたね。

 

則武:100BANCHがどういう場所なのかっていうのは、すごく難しかったんです。この5年間、100BANCHを定義しすぎたくないっていう思いもあったんですが、それが結果的にスタッフとメンバーで語る言葉が一緒だったっていうのはすごく嬉しかったんです。それって、多分日々の積み重ねの中でしか、出てこないことだなと思うから。

 

新田:私も5年間でいろんなことがいっぱいありました。入ってきたタイミングで「アイデアがすごくあるんです。」っていう段階の人もいれば、もう既に事業化している人もいるみたいな、そういったグラデーションが最初からあるところで5年も経つと、自分たちの分野以外の人たちとも仲良くなって一緒にコラボして作ろうみたいになるんです。私も食べ物や植物を使ってみたいというかなりプリミティブな世界から、全然関係のないAIをやってるチームと仲良くなって、全然違うものができたりとか。100BANCHが300人ぐらいにメンバーが増えてきたあたりで、「なんかなんでも100BANCH内のつながりで、ある程度できるんじゃないか。」みたいな感覚も出てきつつ、それぞれやっぱり5年たつと物凄い成長スピードで突き抜けていくチームもいたりだとか、多様性がひたすら増していくと言うか。また新しい仕組みとかもできても、面白いタイミングだなと思ってます。

 

則武:次のチャレンジャーにおすすめできるポイントはなんでしょうか、

 

新田:まずは、 コミュニケーションをとってみることでしょうね。人と人が同じ空間で変わり始めるってちょっと勇気がいることだとは思うんですけれども、ちょっとした「こんにちは」というその1歩さえ踏み出してしまえば、もしくはこういうお祭りみたいな、みんなで何かを成し遂げようみたいなタイミングだと、それがうまく加速するかなと思います。

 

則武:100BANCHって新しいチームが毎月やってくるし、前からのメンバーもいっぱいいるので、フェーズもいろんなチームが混在するっていう難しさがずっとあったという風に思ってはいるんです。だからこそ、生まれてくるエネルギーみたいなものも同時にあったと思っていて、何かその辺がこれからもそうあり続けられるといいな、と思っているポイントでした。

 

則武:この前、疾走と積層って言われたんですよ。積層した厚みの上に、新しいメンバーが疾走していく、と100BANCHを表現されて、確かにその両方があるから、このナナナナ祭とかもこういう形でお見せできるものになってるんだなっていうことを思ったりしました。

則武:運営側としては、100BANCHは変態する場であり、芋虫が成虫になるみたいな変態を遂げてほしいっていう思いがずっとあって、このナナナナ祭も実はそういう場として脱皮変態が起きてほしいという期待を込めて、実施しているイベントです。

ナナナナ祭2022メンバーが挑戦したそれぞれの「変態」

則武:今回どんなチャレンジがあったか、どうだったかっていうところも、メンバーに聞いてみたいと思います。

 

加藤:Physics As Artの加藤です。数式を使って、アート作品を作っています。変態しましたね、ほんとに変態してます、ずっと変態し続けてる。去年のナナナナ祭で作らせていただいた、サインコサインの数式で似顔絵を作るというのがTikTokで大バズりして、ブルーピリオドという漫画の原画展に作品を出してたりするぐらい飛躍を遂げたりしました。今回展示した「幸せのスナップショット」も、すでに340人以上の方に体験いただいていて、またまた違うプロジェクトにどんどん進化していくかなっていう感じです。

 

カズキタ:インドからの刺客のカズキタです。100BANCHで大体怒られるギリギリのことをやって進化していくというか、変態していく活動をやってますね。僕らは100BANCHをインドにするっていう活動で、去年のナナナナ祭ではボリウッドダンスというインドのダンスを急に踊り始めたら周りの人も踊るのかっていうのをやって、まあ踊ったような踊んないような微妙な結果だったんですけど、今年はチャイを突然配ったら人は飲んでくれるのかとか、そっからコミュニケーションもとれるのかっていう実験を繰り返してます。

 

新田:もうインドが登場した瞬間に、その場がインドに全部持ってかれるっていう。

 

カズキタ:そうですね。でも、それがなんでインドになるのか、空気が変わるのかということを言語化したり、構造化したりするのを頑張っていこうと思ってます。チャイを配ると、なんか話が弾むんですよね。なんでなんだろうなって、ずっと昨日考えてたんですけど、めっちゃ甘くて、めっちゃ熱いものって飲むのにめっちゃ時間かかるんですよ。なので、飲み終わるまでの時間が長いので、コミュニケーションが生まれざるを得ないっていうことなのかなって、今思ってますね。

 

瀬戸山:下の川沿いに置いてある「100BANCH farm」をやってる瀬戸山です。これまで僕は「やさいのキャンパス」っていう食育系のツールでワークショップをやっていたんですけど、今回は野菜を育てるというプロセスに着目して、子供たちや地域の人たちを巻き込んで、人も循環する農園を渋谷でできるのかっていう実験をしました。

 

瀬戸山:実際にやってみると、移動式の畑の前には、路駐の自転車が停まらなかったり、日に日にゴミのポイ捨てが減っていったりとか、そういうプロセスはすごい面白いなと思いました。イベントの当日に収穫した野菜をみんなで料理して食べるって、結構シンプルなことをやってたんですけど、めちゃくちゃ楽しかったですね。

 

則武:1番最初のイベントは5月頃に種を配って、6月に植え付け、7月に収穫祭と、今回のナナナナ祭では1番期間をかけて準備をしてくれていて、関係も強いなと思ったんですが、変態しましたか?

 

瀬戸山:単純に人が動く原理みたいなところがすごく勉強になったなと思っていて、関われるハードルの低さと楽しさみたいなところの絶妙な関係みたいなところがすごい実験的で面白くて。はい、変態しましたね。

 

今村:私は大宇宙大学っていう、ちょっと不思議な名前のプロジェクトをやっています。仕事などのツールがどんどん広がっていくのに対して、学校を従来のスタイルじゃなくて、もっとオンラインで学べるとかが広がっていったら、いろんな体験からもっと学びを得てもらえるんじゃないのか、という未来を1日でも早く、この世界に届けることを目標に活動しています。

 

今村:今回ナナナナ祭では、ターニングポイントマップというのを作りました。世界地図に色んな人の思い出が詰まっていくもので、10日間やり続けて、最初は白地図みたいだったところが、さっき調べたら150件の投稿をいただきました。今ではすごくたくさんの思い出のピンが留まっていて、いろんな人の思い出がアーカイブされていく様子を見ると、すごくよかったなと思っております。

この思い出が今後本当に自分の求めている未来に繋がっていくかをしっかりと検討しながら、これがちゃんと繋がっていけるように責任を持って毎日動いていきたいと思います。

 

安田:WaQ!!!の安田です。 僕たちはひたすらちびっ子に落書きをさせまくって、その作品がその場でTシャツにプリントをされて、子どもたちがそれを着て持って帰れるというワークショップをやっています。ただ、それは表面的な話でしかなくて、もっとわがままになっていいという思想とか、自分で一から何かを作る体験を子どもたちに植え付けているチームです。

今回のナナナナ祭の変態ポイントでいうと、まさにど変態だったなというところが1個ありました。今回はちびっ子向けに一切活動をしなくて、これまでのワークショップの中で生まれたデータを大人たちが見て、素敵だなと思って買ってくれて、大人たちはそのTシャツを街で来てくれると、そのお金が回り回って、子供たちのワークショップの参加費を支えられます。想いで繋がるというか、いいなとか好きだなっていう思想の循環である種の経済モデルを描けないかなという実験をこの10日間していました。

 

髙野:SHINONの髙野です。写真家として活動している中で自然写真というものに対して向き合うことが多くて、そういった中でメンターの岩田先生にご相談しながら、自然写真ともっと向き合うために写真をマテリアル、素材と一緒に写真を焼き付けることで、素材のストーリーと写真のストーリーを融合させたら、もっと1枚1枚にゆっくりと向き合えるんじゃないかなっていう作品を作りました。ナラ枯れの木に、実際まだ生きているナラの森を印刷したり、仙台の町がまだ開発する前の陸橋を作る時に生まれた砂をガラス化して、そこに完成された風景を印刷する、ということをやっています。

楽:私のプロジェクトは6色の虹のそれぞれ色の違う、冷たい足湯を用意して、足湯に入っている時間にコミュニケーションが生まれる、みたいなことをやってました。

 

柏原:Be in your shoesというプロジェクトをやっています。 私が留学していたベネチアには4世紀や5世紀に建てられた歴史的建造物が自分の学校までの道のりになったり、友人と待ち合わせする場所になったりと、歴史的建造物が自分の思い出と交わって、もっと大切にしたくなるような場所でした。急にコロナで日本に帰ってくることになって、そういう場所を東京で見つけられないなって思った時に、東京で暮らしていくことへの息苦しさみたいなのを感じていて、でも、東京のこういうことが嫌いとかっていうのではなく、もっと面白いアプローチをとって、みんなと楽しめたら面白いなと思って活動しています。

変態ポイントは、これまで自分のエキシビションしかやってこなかったんですけど、お祭りに参加することで、自分とは会うはずじゃなかった人とお話ができたりとか、自分とは違う場所に住んでいる人とお話できたのが、すごくすごく楽しかったなと思っています。

 

則武:橋はほんとにちっちゃい子にも大人気で、なんかよじ登って、ちっちゃい子の方が躊躇なく登っていったりという、すごい可愛い光景が川の前で繰り広げられていました。

 

滝本:The 21st century da Vinci、21世紀のダビンチを名乗って活動している発明家のリッキーと申します。当初100BANCHに入った時は、コミュニケーションのハードルをいかに下げるかをデバイスで解決することを試みる、スマートマスクを開発していました。表情が見えるマスクに対話システムを組み込んで、マスク自身も話すみたいな奇妙なものなんですけど、そういうものを開発していました。

今回ナナナナ祭に至っては、発明品ではなく発明それ自体について展示しました。というのは、発明とか発明家って何? っていう意見が多く寄せられたので、1回ここで発明って何かっていうことを提示してみようと思いまして、それを仏教における曼荼羅の構図で表現しました。もう1つ、中高生に対して発明の自覚を持ってもらうことによって、もっと自分らしく生きられるように、何か助けにならないかなというワークショップをやらせていただきました。

発明曼荼羅の展示の方でいろんな意見をいただいたのですが、もう何も分かんないっていう人と、「あ、やばいね」みたいなガチではまっちゃう層の2種類に大別できました。ハマる人はほんとに1時間から1時間半ぐらい対話しちゃって、だんだん声がガラガラになってくる。なんかそういう人たちがほんとに数人とかじゃなくて、意外と半々ぐらいに出てきたっていうのが非常に面白いなと思っていて、そういう人たちにも届けつつ、わからないって思ってる人たちが分かりたいと思えるようにコミュニケーションを取っていくかっていう気付きを得ることができたんで、今後はいろんな人に発明の可能性について気付いてもらって、いろんな人が発明家になれるような体制を築いていきたいなと思います。

 

則武:こんなたくさんの愉快な仲間たちとともに、ナナナナ祭を作ってきました。これからもいろんな新しいチームが入ってきて色々な関わりを持ちながら、100BANCHはやっていくんだろうなと思いますが、せっかくの機会なので、この先100BANCHがどういう場であったらいいかっていうことを一言ずつ話して、終わりにしようかなと思います。

 

庭野:100BANCHでは、GARAGE Programというプログラムを変わらず5年間やってきたっていうのが何よりも私は重要なポイントだなと思っています。ナナナナ祭のようなハレの場で皆さん来ていただいたり、メンバーが集まって盛り上がるっていうところが表に出やすいかなと思うんですけど、私は日常の部分が何より重要だと思っていて、5年間続けてきたガレージプログラムにずっと人が入り続けるっていうのが、1番誇らしい部分だなと思っています。なので、そこは変わらずやり続けながらも、その成果を見てもらったり、気づいてもらえるようなポイントとしてハレの日の設計をしていく、というのことを変わらずやっていけたらいいなと思っております。

 

新田:毎回新しい出会いがあって、全然違うことが起こってずっと楽しいというか、ずっと新鮮な気持ちがあります。続けていこうと努力するというよりは、関わりたくて、仕方がないような状況を作るみたいな、その感情が動くみたいなことも、今回いろいろ気づいたことだったかなと思います。永遠の杜っていう、すごくワクワクするようなテーマや願いとか共感であるとか、そういったところをみんなで分かち合えるようなことが続いていくといいなと思います。これだけいっぱいアウトプットしたので、1回みんなで話し合いたいですね。

 

則武:庭野ちゃんも言ってくれたけれども、60回の審査会っていうのは、すごくすごく重みがある数字だなと思います。メンターさんもすごくお忙しい方々なのに、お時間を押さえてくださって、838件を審査してくださっている。そして、そのチャレンジャーの中には惜しくも通らなかった子がいて、どうして通らなかったのか、すごい悔しい思いをしながらも、またエントリーして来てくれる人がいるっていうチャレンジのエネルギーが、この世の中にこれだけあるんだっていうことを知れたことっていうのは、この5年間とっても貴重なことだったと思うし、そのチャレンジの連鎖みたいなものが、この100BANCHからまた起きていくような仕掛けっていうのを、これからも続けていきたいなという風に思っています。

 

そして、この100BANCHがいろんな変態たちがいつも集まっていて、楽しそうに活動をしていて、そこに得も言われぬ調和とか新しい共生が生まれてくると、これからももっともっと楽しく、未来に向けて意義ある100BANCHになるんじゃないかな、と思っているので、私も明治神宮100年の杜のように「極力関わらない」ことを大切にしつつ、みんなのエネルギーでそういう場になっていってくれるといいなと思っています。

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