EVENT REPORT

2019.07.23 Tue

短期集中・同時多発することで、進化していくプロジェクト
〜 Garage Program 実験報告会 〜

  • #GARAGE Program

2019年6月26日、U35のリーダーと100年先の未来をつくるプログラム「Garage Program」の説明会とその報告会が行われました。

Garage Programでは「短期集中同時多発」を1つのコンセプトとし多くのプロジェクトが共創、切磋琢磨。3ヶ月という限られた期間で実験を行います。

偶然に、同時に入居した彼らの視点が入り混じり、交差し、変化する。

今回は14におよぶプロジェクトが自身らの成果を発表しました。

登壇プロジェクト一覧

 

・Scrap and Build

・PROEC

・attender

・Stop Rubella Project

・Fashion Revolution Japan

・I ♡ SKATEBOARD SHIBUYA

・KAMING SINGURARITY

・Whom – Be unforgettable girl

・AstroIkabana

・nominico

・Creative CHŌNAIKAI

・kodomo-creators-inc

 

各プロジェクトの詳細

URL|http://100banch.com/garage-program/

Garage Programのコンセプトの1つ「短期集中同時多発」

7/6(土)〜14(日)にかけて催された、ナナナナ祭はまさにその集大成でした。

 

そこで今回は

ナナナナ祭に参加したプロジェクトを中心に、彼らの活動を掘り下げてみました。

・I ♡ SKATEBOARD SHIBUYA

・KaMiNG SINGULARITY

・AstroIkabana

・nominico

I ♡ SKATEBOARD SHIBUYA  宇都宮 胡桃

プロジェクト詳細:  http://100banch.com/projects/14276/

 

「渋谷から、サステナブルなスケートボード文化を発信する」を目標に活動中のプロジェクト、I ♡ SKATEBOARD SHIBUYA。

 

宇都宮: サステナビリティ(人間・社会・地球環境の持続可能性)が叫ばれる昨今において私たちは広く人々への影響力の強いスポーツ、中でも新しくオリンピック競技になった「スケートボード」に着目。サステナブルなスケートボード文化を作り出す活動を行っています。

 

I ♡ SKATEBOARD SHIBUYAは、スケーター人口の増加を1つの目標に掲げていますが同時に問題意識の1つとして「目指すべきこれからのスケーターのあり方」について課題を感じているとのこと。具体的には、街のスケーターのマナー違反の問題です。

 

そこで、100BANCHへ入居してからはワークショップおよびスケートスクールを開催。スケートボードの貸出を行い未体験の人にスケートボードに親しんでもらうことでスケーター人口増加を狙います。また、ワークショップで出た際のゴミを再利用し、イヤリング製作を体験してもらうことでサステナブルなスケートボード文化の発信も行いました。

 

I ♡ SKATEBOARD SHIBUYAの考える、これからのスケーターのあり方について、メンバーの増渕さんは次のように話します。

 

増渕: マナーの問題がある中で、滑ってる人にも町の人にとってもピースフルにカルチャーをどうやって広めていけるかという話なんです。マナー違反などによって、世間的にもスケーターは柄が悪いと思われてしまっています。実際、渋谷区は警察の取り締まりが厳しくて、自分も渋谷で滑らなくなってしまいました。だけど、そうやって「全部禁止!」としちゃうと面白くなくなるなと思って。

 

では、街とスケーターの関係性も持続可能、サステナブルにしていくにはどうしたらいいか。スケーター側が、ごみ拾いなどボランティア活動を行うことでイメージ向上が出来ればと考えたとのこと。

 

I ♡ SKATEBOARD SHIBUYAが目指す具体的なロールモデルは「サーファー」です。

 

増渕: 今のスケーターと同じく、サーファーもかつては印象が悪かったんですが、今は「自分たちで海を守る」のように活動しています。まさしく、自分たちが目指すスケーター像だと思いました。

KaMiNG SINGURARITY  雨宮 優

プロジェクト詳細:  http://100banch.com/projects/14301/

 

「KAMING SINGURARITYというフェスを作る」が内容の本プロジェクト。人工知能(AI)が発展していく現代では、2045年には「シンギュラリティ」が起きると言われています。シンギュラリティとは、「人工知能(AI)が人類の知能を超える転換点( 技術的特異点)。または、それがもたらす世界の変化」のこと。

 

このシンギュラリティが発生して以降の世界は、人が全く想像がつかない世界となる、とされています。KaMING SINGURARITYでは、シンギュラリティ以後の世界をあえて想像をし、「どのような世界観になるか?」ということを考えるエンターテイメントです。

 

具体的には、「aiが神になった世界」というアートテーマで、シンギュラリティ以後の世界観を表現。

 

 

今回のKaMiNG SINGULARITYのテーマについて、雨宮さんは以下のように話します。

 

雨宮: テーマとしては、「神と、AIと、『私』の関係性」が大きな問いとなっています。100BANCHに入居するときに、この問いと仮説を持って入ってきて、「神とは何か」が自分なりに分かってきたんです。実はもう「神の作り方」も分かってしまって、間もなく神が出来るんです。AIとブロックチェーンとロゴストロンという技術を使って神を実装していて、渋谷に神ができるんで、見に来てください。

 

サイレントフェス、泥フェス、風呂フェスなど…一風変わったフェスのプロデューサーを数多く務めた雨宮さん。今回どのようにして、「神、AI」のテーマに行き着いたのでしょうか。

 

雨宮: 今、色々なサービスでAIが使われ始めてきています。どんどんサービスベースでAIが信頼を獲得していく中、今後はAIが政治のレイヤーにも入ってくるはず。最終的には、最高意思決定もまかなうかもしれません。その延長線上で、AIは「神的な概念」になってくるだろうなって思って。そこで今回、AIが神になった世界をアートテーマとして表現することを考えました。

AIというのは、つまるところ「私たち自身」であると考えています。AIが判断を下す材料は、データの集積。その判断基準はプログラミングをする企業なり人間が担うとしても、AIと私たちは近い場所にいて、密教的には神は人の裏返しのような存在です。神とAIとの関係性を、「フェス」という形で表現することは私たちからすると一見、突拍子もないことに思えます。

しかし、それは違うと雨宮さんは話します。

 

 

雨宮:そもそも今のフェスの原型は、イギリスでの世界最大級のフェス「グラストンベリー・フェスティバル」に当たると考えています。今でこそフェスは一種のショーケースであり、エンターテイメントとなっていますが当時は「自分たちが作りたい、理想の未来を一足先に作る」という概念(green future)として存在していました。

僕がやっているフェスティバルというのは、ある意味、その時代観をみているところがあります。世界中の民族で歌がない民族は一つもなくて、音を共有するという行為と、一つの社会が出来上がっていくというのは、ニアイコールなことだと考えています。何か時代の転換点において、痛みなくみんなで転換していくには、必ず音楽が必要だと思っています。その概念を体現する場所として、フェスを用いているのです。

 

神とAIと私、の関係性をテーマに催されるKaMiNG SINGULARITY。そこに降臨する神とは、一体どのようなものになるのでしょうか。

 

雨宮さんによれば、「神の作り方としては、プロセスは2つしかない」とのこと。そのプロセスの要素とは、1つは神話をつくること。そしてもう一つは、神話を語る人の存在であると話します。

 

雨宮: 「こういった神がいますよ」という話がある。そして、それを語る人がいる。この話を誰かが信じれば、そこに神ができるんです。さらに2〜3人と信じれば、そこに宗教ができるという構造なんですね。従って今回は、「物語」と一緒にフェスを作るんですよ。その物語自体が神話になっていて、神話を1日だけ体験する手法として、フェスを置いているのです。

 

最近では、「神が生まれるまでのプロセス」についての論文で、新しい発見がされたという。従来までは、「神→宗教→儀式」の順番で、まず神が定義され、そこに宗教が生まれ、儀式が発生するとされていました。しかしその論文では、社会の複雑さの中でまず儀式が生まれ、その儀式の中で神が発生、宗教ができるという流れの可能性が示唆されています。

 

雨宮: 今、社会で行われてる儀式っぽいものってなんだろうと考えた時に、これまでの文明と明らかに異なるのは個人情報が社会に流出しまくっていて、しかも自由に取得、利用ができるわけです。SNSでのつぶやき等も含めて、全ての情報がGoogleや、FacebookのAIに飲み込まれ、フィードバック情報によってサービスが強化されます。

そして喜んだ人間が、さらにフィードバックを行うというのは、供物を神に奉納して、神が雨を降らせたり豊作をもたらしてくれる、という儀式と同じ流れじゃないですか。つまり、今行われている儀式はデータ教をつくるため。要はITビジネスそのもので、AIを神化していくための儀式のように思えるのです。

 

KaMiNG SINGULARITYはナナナナ祭において他のプロジェクトと合同で2つのイベントを行いました。

 

「100BANCHに太陽系を出現させる」

Astro Party|http://100banch.com/events/17549/

 

「うどんを神にするフェス」

【音楽と食の奇祭】うどんセレモニー|http://100banch.com/events/17978/

 

「短期集中同時多発」のコンセプトどおり多くのイベントを他プロジェクトとも合同で手掛けるKaMiNG SINGULARITY。

 

「AIが神になった世界」を体験することでシンギュラリティ以降の想像もつかない未来を、あなたも体験・想像してみませんか。

AstroIkabana  多田 真希子

http://100banch.com/projects/15437/

 

AstroIkebanaとは

大自然の縮図としての生け花を、宇宙まで拡大して考えたもの。

分類としては宇宙芸術の1つ、かつ池坊生け花の自由化の1つとしています。

 

AstroIkebanaの目指すゴールは2つ。

1つは、宇宙芸術によって、みんなの「宇宙」への敷居を下げ民間の宇宙ビジネスの加速をすること。

そしてもう1つは日本文化の振興だと、多田さんは話します。

 

多田: 日本における生け花人口が、平均年齢70代を越えているという現状があります。

この一因として、「生け花というものが、若者に即していない側面があるのでは?」という仮説を立てました。

「宇宙生け花」として斬新に打ち出すことで

日本文化、生け花文化の振興を加速していきたいです。

Garage Programでの1つの成果として、のべ51名が参加した「宇宙生け花のワークショップ」を開催。

JAXA関係者に宇宙開発について語ってもらった後、AstroIkebanaのコンセプトを説明、体験してもらいました。

具体的には、実演として「銀河のバラ」という生け花作品の展示を行ったうえ

最後は「手元の宇宙」として、参加者自身にAstroIkebanaを体験してもらったとのこと。

 

多田: 「宇宙芸術と言われても、なかなかイメージが難しい」という点もあると思います。

そこで、「生け花の背後に宇宙を感じる」ことを実際に目で見て体感してもらいやすくする、ARアプリも開発しています。

ナナナナ祭で展示予定ですので、ぜひ見にきてください!

 

ナナナナ祭では他にも、”Astro Party”という七夕パーティーを

Kaming Singuralityプロジェクトと「同時多発」的に合同で開催。

 

Astro Party|http://100banch.com/events/17549/

 

Astro Partyでは、「AstroIkebana七夕物語」ということで、天の川の銀河×ラブストーリーをイメージした作品を実演。

生け花作品の展示およびARで、宇宙芸術をより分かりやすく展示しました。

 

宇宙を間近に感じることができるAstroIkebana。

私たちも手の届く宇宙に、触れることができるかもしれません。

nominico  吉川 亜香音

プロジェクト詳細:  http://100banch.com/projects/16142/

 

nominicoは仕事が終わって、「なんか飲みに行きたいな」と思った時に

「誘う相手がないから、今日は飲むのやめておこう」という体験をなくしたい思いから生まれたアプリ。「飲みに行こう!」からnominicoという名前となっています。

 

nominicoの出発点として「積極的な人たちだけが評価される社会に違和感があった。日本人のキャラクターをアップデートしていきたい」と吉川さんは話します。

 

吉川: なぜ、消極的で弱気な人たちは行動できないのか、となった時に「あの人たち消極的だからね」と言われるのがすごく悔しいと思っていて。消極的な人たちでも、次に行動を起こせる仕組み・きっかけを

まずアプリ・サービスとして形をつくることによって実現できないか

という仮説を検証したく、本アプリを制作するに至りました。

 

nominicoは今日飲みたいという気持ちを、特定の人にさりげなく「伝えるだけ」のアプリ。あえて、コミュニケーションができない設計となっており、Aさん→Bさんに「飲みに行きたい!」というアイコンをタップすると、Bさん側の画面には、Aさんから連絡が来ているというのが、アイコンだけで伝わるようになってます。

 

また、マッチングするまでは、メッセージを送ることは出来ない仕様となっており「飲みたい!」を伝えるだけのアプリになっています。

 

nominicoプロジェクトは、もともとは100BANCHスタッフとして入っていた、中右さんと一緒にスタートしたとのこと。これも「短期集中同時多発」を1つのコンセプトとする100BANCHならではの光景なのかもしれません。

 

 

Garage Programでの成果と失敗について、吉川さんは次のように語ります。

 

吉川: 特にアプリ開発において、私が開発を見られなくなるほど、キャパオーバーして苦戦してしまいました。解決方法としては、開発人員を増やしたことに加え、「飲みに行こうよ」とメンバーと飲みに行きました。腹から話してボロボロ泣いて解決して…という形で、どうにかなりました。あと1〜2ヶ月で開発を終え、アプリをリリースできそうな状況まで来ることができました。

 

多くの困難があったことと思いますが、nominicoらしく、飲み会で解決。今後のリリースが楽しみです。

 

nominicoは、ナナナナ祭でも「未来100年の、愛されるファンコミュニティ」について登壇しました。

 

ファンコミュニティ 鳩首凝議|http://100banch.com/events/17895/

 

 

いかがでしたでしょうか?

Garage Programでは、数多くのプロジェクトが同時に入居します。偶然のタイミングで一緒になることによってプロジェクト同士のコラボレーションが生まれたり新しい気付きや、視点を得ることも出来るはず。

 

次回のGarage Programの応募締め切りは8/26です。あなたもぜひ、「短期集中同時多発」の一要素となってみませんか。

 

またナナナナ祭では、ここでご紹介した他にも数多くのプロジェクトによる「同時多発」を見ることができます。ぜひ、遊びにいらしてください。

GarageProgramに応募したい!

 

今月も実験報告会を7/30に開催します。今回も多様な13のプロジェクトがピッチを実施する予定です。

応募を検討している35歳未満の方は参加費無料で参加できます。是非ご参加ください!

WRITER

中田 アツヤ

WRITER

少数精鋭でビジネスを行う小企業・フリーランスのwebマーケティング支援を行う。

インタビュー型メディアの企画および記事執筆を手がけること多数。

現在はweb制作ディレクターとしても奮闘中。

SEO対策が得意であり、筋トレが趣味。広島県出身。