- イベントレポート
短期集中・同時多発することで、進化していくプロジェクト 〜 GARAGE Program 実験報告会 〜
ファッションの街・渋谷から、 これからの服の生産と消費について考える。
私たちが日常的に触れているもので、生産と消費のあり方を問い直されているものが大きく分けて3つあります。それがエネルギー、食料、ファッション。最初の2つは現在大いに研究されていますが、今度はファッションの番です。
渋谷区の基幹産業であるファッションを通して地球環境や労働環境の問題を考え、発信していくことで、日本、そして世界中のファッション業界に影響を及ぼすことが期待できます。
ファッション業界に長く関わる中で、日常に喜びをもたらしてくれるファッションという業界がこれからも健全にあり続けられるために、できることをしたいと思った。
アパレル企業と消費者、双方が関わり合いながらよりよい生産と消費のあり方を模索していくことで、業界全体が変化していくはず。そのためには、売上や流行にとどまらない、生産から廃棄までのプロセスへの包括的な理解と興味を醸成する必要がある。
・生産背景の透明化、環境負荷の軽減を目指して取り組みを進めているアパレル企業と、これから取り組んでいきたいアパレル企業が有機的につながり、情報交換や協働につながる機会をつくる。
・繊維産地が抱える問題を知り、行動するきっかけを提供する。
・消費者視点で生産背景への興味を深めることができる仕組みを構築する。
・国内での現場の工場と触れる機会を提供する。
上記のためのイベントや情報発信を行う。
・省庁・商社・アパレルブランド・ファッションメディア・消費者が集い、ファッションについて考える機会となるイベントを開催する。
・イベント開催後もディスカッションが続いていくような、小規模な研究会を開催する。
ファッションがもたらす喜びを大切にした上で、着る人・作る人・動物・自然環境のどこにもしわ寄せが行かない、健全なファッション産業が再構築される。
リーダー鎌田 安里紗
1992年、徳島県生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程在籍。エシカルファッションプランナーの肩書きで、フェアトレードでの洋服の商品企画、洋服の生産工場への視察ツアーの主催、コットンを育てるところから服をつくる「服のたね」など、様々なプロジェクトを実施している。
エシカルファッションジャパン竹村 伊央
1982年名古屋生まれ。高校卒業と同時に渡英。イギリスにてエシカルファッションのスタイリストとして活動したのち帰国。2012年にエシカルファッションの PR 活動をする団体:ETHICAL FASHION JAPAN(EFJ)を設立。エシカルの啓発を含めたイベントや講演活動をしながら、エシカルなファッションを集めた期間限定店:EFJ store を運営する。
インヒールズ岡田 有加
大学卒業後M&Aコンサルタントとして勤務。退職後渡英、ロンドンにてフェアトレードファッションブランドのホールセールエグゼクティブを勤める傍ら、夜間学校にてファッションデザインを学ぶ。2012年エシカルファッションブランドINHEELS起業。クリエイティブレジデンス、Almost Perfectの運営も手掛ける。
産地の学校山脇 耀平
1992年生まれ。兵庫県加古川市出身。大学在学中の2014年、実の弟とともに「EVERY DENIM(エブリデニム)」を立ち上げ。デニム製品の企画販売や生産現場へのツアーを中心に、生産者と消費者がともに幸せになる、持続可能なものづくりのあり方を模索している。2017年より繊維産地の課題解決に特化した人材育成学校「産地の学校」運営事務局を務める。
BUTAI PROJECT斉藤 圭佑
1988年、下関生まれ。立教大学国際経営学部を卒業後、博報堂入社。独立後、オフィスワーカー向けのヘルスケアサービス、メディア運営等手がける。現在は、サステナビリティ推進に関するプロジェクト開発を行いながら、包括的に持続可能で社会と環境にも配慮できる起業家やクリエイターが生まれる仕組みづくりに取り組んでいる。
株式会社リ・パブリック共同代表市川 文子
広島県出身。慶應義塾大学大学院にて修士課程修了後、当時まだ珍しかった人間中心デザインの職を求め、フィンランドに渡航、携帯事業メーカー・ノキアに入社。世界各国でのフィールドワークから課題を起点とした製品やサービスの開発に従事。退職後、博報堂イノベーションラボ研究員を経て、2013年株式会社リ・パブリックを創設。現在は持続可能なイノベーションをテーマに地域や組織における環境整備およびプロセス設計の研究・実践を手がける。広島県事業「イノベーターズ100」ディレクター、グローバル・リサーチ・ネットワーク「REACH」日本代表。監訳に「シリアルイノベーター~非シリコンバレー型イノベーションの流儀」。