渋谷で死と出会う

MUJO

プロジェクト概要

死は我々がコンロールしきれない内なる自然であり、変化である。
死を日常に溶かす作品を通じ、死を忌避する対象としてではなく、生に活用する対象として捉え直す機会を提供する。

  • 食クラシ
  • 10自然(じねん)の生き方が追求され、健康の多様なあり方が広がる
  • #死
  • #死生観
  • #無常観
  • #生の尊さ
  • #コミュニケーション
  • #50期

動機

高校の3年間、島根県海士町へセルフ島流しをした。海士町には10年後には無住化していてもおかしくない集落があり、住民の中には「自分の代で集落を閉じることの罪悪感・後ろめたさ」を感じている人もいる。しかし、その人は何も悪くない。右肩上がりを是とし、終わりをタブー視する風潮が、その罪悪感・後ろめたさを助長しているのではないかと思った。ものごとに始まりと終わりがあるならば、終わりに優しい眼差しを向け、軟着陸する選択肢が必要である。これは集落に限らず、人も家も墓も寺も神社も会社も。終わりを迎えた時の気持ちが、ネガティブ一色で染まらないように、役割を果たし、生き切ったと思えるようなメンタリティの再興を行いたい。

仮説

無常観を取り戻すことで、世の中の悲しみの総量を減らせるという仮説を持っている。私がお世話になっていた農家や漁師は「しょうがない」という言葉をよく使う。海が時化てるけん船をだせん、しょうがない。今年は寒かったけんよく実らん、しょうがない。この言葉にはうまくいかなかったことを受け入れる時に使う。しかし、多くの自然をコントロールできるようになった都市部で暮らす我々はしょうがないという言葉はあまり使わなくなった。無常観を失いつつあることの現れである。老い、病み、死ぬという変化は必ず訪れる。また、日々新しいモノが生まれる一方で、古いものが淘汰されていく。変化の激しい現代で、閉じ、畳み、終い、死ぬという、終点の側へも目を配れる環境が、生を生き切る上で大切になると信じている。100banchでは、特に死にフォーカスし、「死をもって生の尊さに気づく」という仮説の元、実験を行う。

実験

一.
大切な人同士、互いの死をリアルに感じられる空間をデザインし、
1.自分の死がその人にとってどんな意味を持つのか
2大切な人の死が自分にとってどんな意味を持つのか
について考える機会をつくる。
この時、互いの死をリアルに感じられる空間をつくれているのか検証する。

一.
自身の死と対峙できる空間をデザインし、生の尊さに気づく機会をつくる。
この時、生の尊さに気づく機会になっているのか」検証する。

目標

死との対峙の場を通じて生の尊さに気づき、生命を生き切る事を目指す。

未来

死・終わり・撤退・解散・消滅。新しいモノが生まれては、古いモノが淘汰されていく変化の激しい時代の中で、変化にもっと優しくなれる未来を実現する。

プロジェクトリーダーへ一問一答

  1. あなたはどんな風に育ちましたか?
    東京の杉並区に生まれ、毎日バットを振ってトレーニングをする、野球少年でした。怪我をきっかけにバットを釣り竿に持ち替え、島根県の離島、海士町の高校に進学し、そこが第二の故郷になりました。
  2. 渋谷の街のエピソード
    人混みは苦手なのであまり来ませんが、瑞兆というカツ丼屋が好きで、カツ丼を食べるためだけに来ていました。
  3. メンバーたちの意外な一面
    4人中2人がDJです。真面目と不真面目のバランスがイイ感じの、最高の仲間です。
  4. 意気込みをお願いします!
    タブー視される領域のど真ん中ですが、信念をもって取り組んでいきます。

プロジェクトメンバー

  • 代表前田陽汰

    介錯人

    島根の離島、海士町にセルフ島流しをする中で、「地域をより良く畳むこと」に関心をもつ。
    それから「終わり・撤退・解散・死といったタブー視されがちな変化をどう軟着陸させるのか」という問いを持ち、現代に無常観というメンタリティを取り戻す実験を行っている。

    2000年東京生まれ。第二の故郷は島根県海士町。魚を釣ります。獣を狩ります。

  • エンジニア佐々木雅斗

    2000年生まれ。通称 あっぷるささき。N高等学校出身。中高6年間のディベート部での経験からオンラインディベートサービスの開発をきっかけにプログラミングを始める。後に、音楽アプリの開発(未踏ジュニア’17採択)や、動画メディアbouncyにて国内外のサービスを取材。慶應SFCにてUIの研究を行う。

  • アーティスト中澤希公

    2002年生まれ。中学生の時、癌の母と死別。その後、ボストンのダナファーバ癌研究所を訪れ、病院の空間デザインやグリーフケアに興味を持つ。

  • デザイナー杉村元

    2001年、千葉県生まれ。小中学校での生活に違和感を抱き島根県立隠岐島前高等学校へ島流学。高校二年時にはクラウドファンディングを行いデンマークで北欧の教育を学ぶ。その経験から経済格差、教育格差に興味を持ち、自ら体感するためにインドネシアに留学。コロナウイルスの影響で帰国。帰国後高校を中退。

メンター

  • 株式会社ロフトワーク 共同創業者林 千晶

    早稲田大学商学部、ボストン大学大学院ジャーナリズム学科卒。花王を経て、2000年にロフトワークを起業。Webデザイン、ビジネスデザイン、コミュニティデザイン、空間デザインなど、手がけるプロジェクトは年間200件を超える。グローバルに展開するデジタルものづくりカフェ「FabCafe」、素材に向き合うクリエイティブ・ラウンジ「MTRL」、クリエイターとの共創を促進するプラットフォーム「AWRD」などを運営。MITメディアラボ 所長補佐、グッドデザイン賞審査委員、経済産業省 産業構造審議会製造産業分科会委員も務める。森林再生とものづくりを通じて地域産業創出を目指す官民共同事業体「株式会社飛騨の森でクマは踊る」を岐阜県飛騨市に設立、代表取締役社長に就任。

    林 千晶さんのページを見る

プロジェクトの歩み

  1. 2021/9/1

    入居開始

  2. ハロウィンに棺桶が渋谷へ――MUJOが「棺桶写真館」を10月29日~10月31日に100BANCHで開催

  3. 【オンライン開催】
    100年先の未来を描く8プロジェクトがピッチ!
    11月実験報告会&メンタートーク石川善樹(予防医学研究者、医学博士)

  4. 棺桶に入り、写真を撮り、自分の死をみつめる MUJOプロジェクトが「棺桶写真館」を開催

  5. 100年先を見つめる7プロジェクトが登壇 2021年11月 GARAGE Program実験報告会

  6. 未来を切り拓く5プロジェクトが登壇 2022年2月 GARAGE Program実験報告会

  7. 100BANCHの未来を一挙に体験できる常設展示エリア「Gallery」をリニューアル

  8. 誰もが迎える“死”に、優しいまなざしを MUJO:前田陽汰

  9. 死をテーマに活動を続けるMUJOが、東京・多摩エリア初の自宅葬専門葬儀サービス「自宅葬のここ」を開始

  10. 弔いの未来 −その意味・儀式・生者との境界−

  11. 弔いのかたちから生き方を見つめる「弔いの未来 −その意味・儀式・生者との境界−」─ナナナナ祭2023アーカイブ

  12. 「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」に100BANCHで活動する6名が選出されました。

  13. 死との出会い方をリデザインするむじょうが「供養RAVE」を10月7日に開催

  14. 「終わりゆく物事を受け入れ、変化に優しい社会をつくる」100BANCH実験報告会

  15. 終わりゆく物事を受け入れ、変化に優しい社会をつくる:前田陽汰(株式会社むじょう CEO)

  16. 【Podcast】死について果てしなく語る若者たち

コンタクト

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