全ての人がコミュニケーション可能な未来をつくる
MIRAI GENGO
プロジェクト概要
100BANCHに入居する「障がい」をテーマにする4つのプロジェクトの代表が手を組んだ組織体です。
日本語が理解できない「言語難民」に対し教育を提供する『NIHONGO』の永野将司、知的障がいのあるアーティストの作品をモノ・コト・バショに浸透させる『MUKU』の松田崇弥、点字と墨字という異なった世界をつなげるデザインを行う『Braille Neue』の高橋鴻介、手話をコミュニケーションツールとしたゲームを提供する『異言語Lab.』の菊永ふみの4名が、各自の専門領域を繋げることで、それぞれのコミュニティの垣根を超えて新しい伝達方法を創造します。
TAG
#コミュニケーション
#手話
#ダイバシティ&インクルージョン
#参加者体験型イベント
#翻訳ツール
動機
100BANCHに入居する「コミュニケーション」をテーマにした4つのプロジェクトが、全ての人がつながる未来をつくる
仮説
「どんな人でも理解可能なコミュニケーション」である「未来言語」は創造できる。
実験
我々は「視覚障害/聴覚障害/知的障害/外国人といった、いわゆるマイノリティと言われる人々のコミュニケーションの中に未来言語の種が眠っている」という仮説を立てた。これはエクストリームの中にこそ、メインストリームを変革するヒントが眠っているとするインクルーシブデザインの文脈に則ったものである。
そのエッセンスを抽出するために、これから3ヶ月、月1回のペースで未来言語を探るワークショップを開催していく。
目標
これまでのワークショップの検証結果を確認したうえで、「未来言語×◯◯」といった未来言語の応用的なワークショップを実施していく。
未来
現在、メインストリームのコミュニケーションとして使われている音声や文字は、障害や文化などによって大きな壁が生じている。これらの壁を超えて全人類が同じ言語を使えば世界は平和になるのではないか?
我々は音声や文字などの既存の言語を超えてコミュニケーションが可能な「未来言語」を創造する。
リーダーインタビュー
-
「あなたはどんな風に育ちましたか?」
永野:勉強嫌い&学校嫌いだったので、まさか先生になるなんて思ってもいなかった・・・
菊永:幼い頃から聴者のように流暢に音声日本語を喋れるように必死で努力をしてきた。しかし聴者に通じない、何を言ってるのか全く理解できない現実を目の当たりにし、絶望の淵に落とされるのを繰り返す中で、私にとって手話が生きる力そのものだと悟ることで、自分自身を受け入れていった感じ。
松田:4つ上の自閉症の兄が「可哀想」と言われることに強い疑問を抱いていた。幼い頃から自閉症協会の集まりや福祉施設に足を運んでいたこともあり、将来的には福祉業界に進むだろうと感じていた。
高橋:秋葉原に生まれ、小さい頃からプロダクトや機械を作ることに慣れ親しんできました。 -
渋谷の街のエピソード
永野:ユーロスペースで毎月第2金曜日から4日間開催している「渋谷らくご」の常連です!
菊永:自宅の最寄り駅が井の頭線のある駅で、毎日通勤で渋谷を通っていた。ごめんなさい、109界隈は人多くていまだに怖いです。
松田:渋谷はキライでした。100BANCHが渋谷を好きにしてくれました。
高橋:昔は落ち着かなかったんですけど、なーんか最近落ち着く場所になってきました。 -
メンバーたちの意外な一面
永野:菊永さんは酒豪!!
菊永:高橋さんは手話センスあり、見た手話をすぐに自分のものにする。松田さんが手話をやると温かい感じで笑いが生まれる。永野さんは理論から手話を学んでいる、英語と手話は似てると力説する。筆談トークから手話トークに変わっていく瞬間が一番楽しい。
松田:永野さんはクレヨンしんちゃんの組長先生に似ているけど、アニメ・マンガ好き。コウスケ君はラップ好き。菊永さんは酒豪。
高橋:永野さんは真面目で推進力があります。「頼れる」ってこんなことなんだなあ、というリーダー。松田くんは、なんか好きになっちゃう人です。ムードメーカー。菊永さんは熱い人です。理論じゃない、想いが直接飛んでくる。あと、菊永さんは酒豪。 -
意気込みをお願いします!
永野:楽しみながら頑張ります!!
菊永:未来言語も異言語も頑張って、通じ合う世界を創りたい!自分が倒れない程度に頑張ります。
松田:社会的インパクトを創出できるよう、ビジネススケールさせます!
高橋:コミュニケーションが「怖い」から「面白い」にスイッチする瞬間に、未来言語を感じます。そんな瞬間をみんなで共有していきたいです。
PROJECT TEAM
永野 将司
共同代表
株式会社NIHONGO代表取締役 大学在学中の2007年から日本語を教え始める。これまでに国内外の大学・日本語学校などで1,000人以上の外国人に日本語を教えてきた。Tokyo Startup Gateway ファイナリスト。
菊永ふみ
共同代表
ろう者。福祉型障害児入所施設で聴覚障害児の生活支援に携わる。企業の社会貢献活動の一環として社員と聴覚障害児との交流企画を担当、2015年、異言語脱出ゲームを発案。
松田崇弥
共同代表
株式会社ヘラルボニー代表取締役 小山薫堂率いる企画会社オレンジ・アンド・パートナーズ、プランナを経て独立。福祉施設に所属するアーティストの作品をプロダクト化するMUKU代表。
高橋 鴻介
共同代表
1993年12月9日、東京生まれ秋葉原育ち。慶應義塾大学 環境情報学部卒。卒業後は広告代理店で、インタラクティブコンテンツの制作や公共施設のサイン計画などを手掛けつつ、発明家としても活動中。墨字と点字を重ね合わせた書体「Braille Neue」、触手話をベースにしたユニバーサルなコミュニケーションゲーム「LINKAGE」など、発明を通じた新規領域開拓がライフワーク。
大田 雄之介
営業担当
東北学院大学 経営学科卒。現在は株式会社ヘラルボニー 海外統括・オペレーションディレクターを担当
岡崎良士
広報担当
難聴者。10年間、出版・編プロに勤務し、雑誌を中心とした企画・編集・取材・原稿執筆のほか、広告関連のディレクター職を兼務。転職後、福祉型障害児入所施設(主に聴覚障害)の児童指導員として約5年働く。現在は、一般企業に勤務。
大久保勝仁
ニギヤカシ
国連子どもと若者メジャーグループ都市開発アジア統括。持続可能な社会のための国際的な枠組みに向け、政策提言と交渉を行う。ウンベルト・エーコ著『完全言語の探求』と大学3年生の時に出会い、普遍言語を作り出すことに関わりたいと願う。未来言語では、”言語”を超えて誰かをニギヤカすことができるのかという問いに挑む(予定)。白Tが大好き。
関口智子
ライター
営業、営業事務、クリエイティブディレクターを経た後、身近な人が表現する場、他者に伝える手助けをする為に、編集/ライティングでフリーランスへ。働き方の実験中。個人でも絵とJazzを中心にマイペースな創作活動も行なっている。
河カタ ソウ
共同創案者
コピーライターとしてキャリアをスタート後、クリエイティブディレクター / プロジェクトマネージャーとしてWebサイト、広告、イベント等、様々なプロジェクトに従事。その後独立、現在は言葉の視点から主にブランディングやディレクションを行う。猫好き。
mentor伊藤亜紗
東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院 准教授、環境・社会理工学院 社会・人間科学コース 准教授
2010年に東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究美学芸術学専門分野を単位取得のうえ、退学。同年、同大学にて博士号を取得(文学)。学術振興会特別研究員をへて、2013年に東京工業大学リベラルアーツセンター准教授に着任。2016年4月より現職。著書に『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社、2015年)、『目の見えないアスリートの身体論』(潮出版、2016年)、『どもる体』(医学書院、2018年)など。WIRED Audi INNOVATION AWARD 2017受賞。
mentor市川 文子
株式会社リ・パブリック共同代表
広島県出身。慶應義塾大学大学院にて修士課程修了後、当時まだ珍しかった人間中心デザインの職を求め、フィンランドに渡航、携帯事業メーカー・ノキアに入社。世界各国でのフィールドワークから課題を起点とした製品やサービスの開発に従事。退職後、博報堂イノベーションラボ研究員を経て、2013年株式会社リ・パブリックを創設。現在は持続可能なイノベーションをテーマに地域や組織における環境整備およびプロセス設計の研究・実践を手がける。広島県事業「イノベーターズ100」ディレクター、グローバル・リサーチ・ネットワーク「REACH」日本代表。監訳に「シリアルイノベーター~非シリコンバレー型イノベーションの流儀」。