• イベントレポート

トライ・アンド・エラーの結晶がここに 〜GARAGE Program実験報告会〜

2018年12月26日、100BANCH GARAGE Program応募者見学説明会と併せて、活動プロジェクトの実験報告会が開催されました。

あらためて、GARAGE Programとは———

これからの100年先の未来をより豊かでおもしろい方向へと動かすために、常識にとらわれない35歳未満の野心的な若者リーダーのプロジェクトを支援するプログラム。

審査基準は、各界のトップランナーである総勢23名のメンター陣が1人でも“これからの100年をおもしろくするプロジェクト“として支援したいと思うか否か”。

毎月公募を行い、審査を通過したプロジェクトは活動スペースやイベントスペースの提供、トップランナーによるメンタリングなど、新たな活動のきっかけにつながる多様なネットワークなどが提供され、未来へ向けた実験を展開していきます。

これまでに89ものプロジェクトが採択されているなか、今回は12月に卒業を迎えた14プロジェクトの実験報告を100BANCH編集部のライター船寄がレポートします。多種多様なプロジェクトがうごめくU35のさまざまな挑戦をご覧ください。

専門分野との協業で新しいクリエイティブを生み出す

■TSUKUBAX リーダー:島田千聖

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/tsukubax/

TSUKUBAXは芸術系と技術系が協業して新しいクリエイティブのカタチで「未来の服」をデザインするプロジェクトです。

「クリエイター作品の表現の幅を広げたい」と志を持ちTSUKUBAXを立ち上げた島田。「他分野の知識をもとにした作品は、デザインだけを学んだ作品よりもずっとクリエイティブになる」と仮説を立て、「専門分野を協業することで新しいクリエイティブを生み出したい」と活動の意図を話しました。

TSUKUBAXは筑波大学でビジュアルデザインを学ぶ島田さんと、メディア創成学類(ウェブ・映像などの情報コンテンツやロポットなどの工学分野)を学ぶメンバーで活動をスタート。はじめに「服のまわりに生じるコミュニケーション」をテーマに人とすれ違うと服の絵柄が交換できる「すれ違い通信」や、フォトグラフィック色素を使用して絵柄が浮き出る服の開発を試みました。しかし、メディア創成学類の強みを生かしきれないとの理由から制作の前段階でピボットしました。。

その後あらためて「服の面白いところは何か」を深掘り、服飾心理の出力に注目。TSUKUBAXによる服をテーマとしたインタラクティブアート「TRANSIONISTA」を開発し、2018年11月に開催された筑波大学芸術祭で展示し発表しました。

最後に、今後の活動テーマは「生物×芸術」と発表し、島田はこう話しました。

「このテーマは知識の共有に重きを置き、インターネットの論文などでは得られない深い知識と生物に対する熱い気持ちを語らい、それを作品として発表したいと思います」

 

「使ったお金はどこへ行くのか?」 持続可能な未来への投融資を

■DIVEST SHIBUYA! リーダー:松尾沙織

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/divest-shibuya

DIVEST SHIBUYA!は持続可能な未来に投融資をする「エシカルバンク」の利用者を増やすプロジェクト。

「あなたの使ったお金はどこへ行くか知っていますか?」松尾は参加者に向けとこう問いかけました。実は金融機関に預けているお金はさまざまなプロジェクトや企業に投融資していると説明。

その投融資先の一部には、投融資で途上国に石炭火力発電所を建てる過程で人権侵害や環境破壊が起こるなど、途上国の人を苦しめるプロジェクトも含まれているそうです。現に、日本でも石炭火力発電所が続々と新設されていく実態があるとのことでした。

そのことから「私たちが銀行口座にお金を預ける行為は、間接的に温暖化活動を促進させている」と松尾。このまま経済が進むと2100年には地球の平均気温が産業革命前と比べ3度上昇する見込みであり、それにより多くの自然災害が発生。大阪や東京の各所が地球温暖化による海面上昇で沈んでしまう可能性もあると懸念されています。

この問題に取り組むべくDIVEST SHIBUYA!は持続可能な社会をつくるために、今ある預金を持続可能な事業や企業を応援する銀行に預ける「ダイベストメント」を促進するため日々活動を進めています。

100BANCHではウェブサイトを制作。情報発信をスタートさせました。

また、メンターの長谷部 健 渋谷区長に渋谷区関連で持つ銀行口座をサスティナブルな銀行口座に変えていただくよう提案し、その口座の割合が増えたそうです。さらに、並行して渋谷の金融商品プロジェクトを西武信用金庫と取り組んでいると報告しました。

2019年2月に「ほしい銀行を考えるワークショップ」を開催予定ですので、興味のある方はぜひご参加ください。

 

「新しい」評価基準の創出で学校教育を変える

■lightful 田中あゆみ・塚田咲良

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/11183/

Lightfulは学校にいる生徒1人ひとりが未来を照らし出す光となって新たな社会を作り出そうと取り組む教育系のプロジェクトです。

100BANCHでの活動を田中さんは以下の通りを説明しました。

1:「新しい」評価基準の創出

生徒と先生が何を考えながら授業に挑んでいるかなどのヒアリングを通して、グループワークや座学での評価軸を考案。

2:教員と大学生をマッチングするウェブサービスの開発

教員の忙しさを緩和し、生徒といちばん近い存在であり長い時間を共にする教員が生徒の強みを生かしていられるような状況をつくり出す。

3:オフラインでターゲット層へのアプローチ

教員の視野を広げ、教える側と教えられる側それぞれの考えを話し合える場所の創出。11月には100BANCHで教育を編集するアイデアソン「Edithon」を開催し「今の教育は、本当にあるべき姿なのか」をテーマに参加者と一緒に考えました。

上記活動の他に、大学生へ向けた一限前の「早朝活」を開催していると田中さん。それらの意図をこう話します。

「今、やりたいことが見つからない大学生が非常に多いと感じています。また、やらなくてはいけない課題すらできていない大学生も見受けられます。そんな大学生が自分のやりたいことに没頭できる時間を100BANCHで創出することで、少しでも社会が明るい方向に行けばよいと考えています」

次回の「早朝活」は2019年1月12日です。有意義な朝を100BANCHで過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

「紙活字の活動を100BANCHでやれることがいちばんのチャンスだった」

■Papertype×Shibuya 和田由里子・ 守田篤史

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/8745/

Papertype×Shibuyaは紙製の活版印刷を使って表現を行い、活版印刷の次の100年の可能性を発信していくプロジェクトです。

100BANCHのウェブマガジンにて、Papertype×Shibuyaの活動に迫ったインタビューを掲載しています。

Papertype×Shibuyaは同じく100BANCHで活動するプロジェクト「MUKU」のメンバーが携わる福祉実験ユニット「ヘラルボニー」とコラボレーションし、ロゴマークの制作や2018年10月に開催されたDESIGNARTで共同展示を行ったと報告。

他にも、同月に平和紙業で紙活字の表現を使った展示「Paper Parade Lab. 01 PATTERN」や、11月に開催のPanasonicの創業100周年を記念した「クロスバリューイノベーションフォーラム2018」の「NEXT 100」エリアで、紙活字を使ったアニメを発表するなど、活動の場を広げています。

最後に100BANCHの活動を通して守田は「いろいろな可能性やコラボレーションができる紙活字の活動を100BANCHでやれることがいちばんのチャンスだった」とさまざまな出会いについての喜びを語りました。

現在、Papertype×Shibuyaは「Paper Parade」と題し、「世界で一つだけの印刷」をテーマに一点もののプリント作品を、無印良品 MUJI新宿 Café&Meal MUJI新宿で展示しています(2019年2月13日(水)まで)。興味のある方はぜひお立ち寄りください。

 

数々の社会実装を実現 「100BANCHの活動期間を夢中で駆け抜けられた」 

■Braille Neue 高橋 鴻介

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/braille-neue

Braille Neueは目でも指でも読めるフォント「Braille Neue」で、インクルーシブなデザイン文化を渋谷から世界へ発信するプロジェクトです。

100BANCHのウェブマガジンでBraille Neueの活動に迫ったインタビューを掲載しています。

このフォントは100BANCHの階段やトイレのドアノブなどに実装される他、11月に渋谷・ヒカリエで開催された「超福祉展」においてテスト実装を行い、現在は常設に向けて進行中とのこと。2019年1月9日にオープンする渋谷区の新庁舎にも実装されるなど、着実にBraille Neueが社会に広がっています。

これらの活動が評価され、高橋は世界を変え「新たな未来」をもたらす革新者に贈られる「WIRED Audi INNOVATION AWARD 2018」を12月に受賞しました。

100BANCHの活動を振り返り高橋は、こう話しました。

「先日、メンターの市川 文子さんがご自身のSNSで『高橋鴻介くんがどんどん暴走してWIRED Audi INNOVATION AWARD 2018を受賞し…』と僕のことを書いてくださりました。私は“暴走”と表現頂いた投稿を見て、100BANCHの活動期間、夢中で駆け抜けられたんだなとうれしく感じました。引き続き暴走しながら、各方面に実装していきたいと思います」

 

情報があふれる今、大切な言葉がきっと心の支えになる

■KOTORI 髙瀬俊明・工藤 駿

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/12366/

KOTORIは言葉をお守りにするサービスです。

圧倒的な情報量により本当に大切にすべき言葉が埋もれてしまっていると感じたKOTORIは、大切な言葉と向き合うきっかけを提供することで、人の心の支えになれるのではないかと仮説。これをもとに100BANCHで「言葉のお守り」の開発を進めてきました。

100BANCHでは、以下2つの活動を展開しました。

1:言葉を大切に守るお守り作りの考案

伝書鳩をモチーフにしたロゴの作成および、お守りやその中に入れる大切な言葉が載った紙のデザインを制作。

2:あなたの大切にしている言葉を教えてもらう

多くの人から「大切にしている言葉」とその言葉を選んだ背景をヒアリングし、その思いをもの作りにつなげる。

今後の展開として、2019年初旬にはクラウドファンディングを実施し、100BANCHのメンターなど「いま挑戦している人」の大切な言葉が入ったお守りの開発を進めていくと発表しました。

 

獣医師の価値や知識をもっと分かりやすく伝える場所を

■ANICAL 山崎智輝・吉野 聡

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/12357/

ANICALは動物の医療の分野で課題解決を行うプロジェクトです。

ペットに関するメディアはあるが、飼い主が信憑性の高い情報を得られる場所がない。この問題を解消するため、ANICALは記事・画像・動画を活用したペット医療メディア「アニカル」をリリース。100BANCHではメディア制作におけるミーティングや動画撮影を実施したと報告しました。

これらの活動を通して山崎さんは「獣医師の価値や知識をもっと分かりやすく伝える場所をこれからも作っていきたい」と話しました。

ペットを飼っている、もしくは飼いたいと考えている方は「ペットの生きた情報」がたくさん詰まった「アニカル」のページをぜひご覧ください。

 

手打ちうどんの総合格闘技!? 職人の価値向上や伝統技術の伝承を目指す

■SAVE THE UDON 小野ウどん

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/12333/

SAVE THE UDONはうどんの手打ち文化を100年後に残すため、うどん好きに手打ちの楽しみ方を伝え、手打ち文化を普及するプロジェクトです。

現在うどん業界は機械化が進み、手打ちうどんを提供するお店が減少しているため、うどんが有名な香川県でも手打ちうどんのお店は県全体の1割程度にまで減っているとのこと。

小野さんは目先の生産性とテクノロジーを進めた結果、手打ちうどんをはじめ伝統という大きな武器(価値)を喪失しているのではないかと疑問を投げかけ「SAVE THE UDONはうどんのチェーン店と個人店が共存し、個人レベルでも手打ちの魅力を感じられるようなる社会を創出したい」と話しました。

手打ちに触れるきっかけと目的を作ることができれば、手打ち人口の増加が見込める。その仮説を持ち12月にうどん総合格闘技イベント「TEUCHI」を開催。

このイベントでの気付きやこれからの活動について小野さんはこう話しました。

「うどんそのものだけにスポットを当てるのではなく、実況解説、DJといった会場を盛り上げる仕掛けとともに、『速く、美しく、魅せた者が勝つ』という次世代型手打ちうどんライブバトルによって、手打ちの新しい魅力を伝えることができました。今後も手打ち文化の普及を行い、職人の価値向上や伝統技術の伝承をしていきたいと思います」

 

『未来言語×○○』で未来のコミュニケーションの種を探す

■MIRAI GENGO 高橋鴻介・永野将司

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/miraigengo

MIRAI GENGO(以下、「未来言語」) は100BANCHに入居する「障がい」をテーマにする4つのプロジェクトの代表が手を組んだ組織体。全ての人がコミュニケーション可能な未来をつくるために、各自の専門領域を繋げることで、それぞれのコミュニティの垣根を超えて新しい伝達方法を創造するプロジェクトです。

100BANCHのウェブマガジンで未来言語の活動にフォーカスした記事を掲載しています。

未来言語は7月に「未来言語ワークショップ」を開催。ここでは参加者の方々が「みえない」「きこえない」「はなせない」をそれぞれ体験し、そこで生まれる気づきやエピソードから未来言語を作ることにチャレンジしました。

高橋さんはこのワークショップから「身体接触のコミュニケーションを使うと、言葉がなくても意外と伝わることがわかった」と話す一方で、「身体接触でのコミュニケーションはハードルが高いと感じる人が多かった」と課題をあげました。

その後、未来言語は身体接触を含まないコミュニケーションを検討。2018年8月には「モノ」を、11月には「触覚」を活用したワークショップを開催し、現在も新しいコミュニケーションを模索しているとコメント。

今後の活動について高橋さんは以下のように話しました。

「今後も『未来言語×○○』をフォーマットにしながら、未来の言語の種になりそうなものを集めていき、ゆくゆくはプロダクトや書籍などでアウトプットしていきたいと思います」

 

横浜でのストリートミュージカルが大盛況 街をパフォーマンスの力でハックする

■Out Of Theater 広屋佑規

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/12434/

Out Of Theaterは、劇場を飛び出し、あらゆる公共空間、都市空間でミュージカルを実現することで、日本にミュージカル文化を根付かせようと活動するプロジェクト。

100BANCHでは以下の仮説をもとに活動を展開しました。

仮説①

「街なかでのミュージカルは、新たなエンターテインメントとして成立するのか」

仮説②

「パフォーマーの新たな表現の場の創出につながっているか、またファン醸成ができるか」

仮説③

「街なかでのエンターテインメントは、地域活性化につながるのか」

11月には横浜元町にある500メートルのショッピングストリートを舞台に、体験型エンターテイメントショー「ショップ・ローカル・ストリートミュージカル」を出演者87名、スタッフ50名と過去最大規模で開催。

出演者が街に赴きパフォーマンスするのではなく、街の人を巻き込み一緒にショーを作ることによってSNSなどの情報拡散につながりました。事後アンケートでは「地元の商品購入につながった」という声もあがったそうです。広屋さんはこのイベントによって「この取り組みが街の活性化の一助になれた」とコメント。次いで2018年12月には神戸・花時計線 大丸北側路上での公演を成功させています。。

これらの活動(実験)を経て、上記仮説の検証結果を次のように発表。

仮説①の検証

「地元の店舗や公共空間を巻き込むショーは、新しい取り組みとして日本でも成立する」

仮説②の検証

「劇場数の低下の解決策になっているのではないか。また、目の前でのパフォーマンスはお客さんへの認知やファン醸成につながっている」

仮説③の検証

「地元への集客や公演後の売上向上が見込め、地域活性化につながる」

広屋さんはこれからの展望について以下のようにコメントしました。

「今後はミュージカルだけでなく、街なかをパフォーマンスの力でハックし、『地域活性化』『表現者の雇用創出』『エンタメ業界でのポジション確立』を目指して活動していきます」

 

VRバンジージャンプで決断力や生きる力を養うきっかけに

■Omoracy 野々村 哲弥

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/12402/

Omoracyは恐怖心・好奇心と向き合う体験型アトラクションで未来の人々の好奇心や生きる力を育むプロジェクトです。

指数関数的に変化する世の中において、個々人も変化し続けることが重要になる一方、そこには“変化への恐怖心”というギャップが存在すると野々村さん。「体験型アトラクションによって、その恐怖心を軽減しながら決断力や生きる力を養える場を創出したい」と話します。

Omoracyは実験過程で「死の恐怖と直面できる最も身近で安全なアトラクション」としてバンジージャンプに着目。「移動式バンジージャンプ」や「都心でのバンジージャンプ台の設立」を社会実装することを第一段階の目標として活動しています。

100BANCHでは「VRバンジージャンプの試作機制作」「バンジー業界のリサーチ」「脳の研究」という3つの軸を置いて活動を進めています。

これまで「クッション倒れ込み型(0号機)」・「鉄棒・飛び降り型(初号機)」・「半円車輪・倒れ込み型(弐号機)」とVRバンジージャンプの試作機を経て、2018年12月下旬に逆ぶら下がり健康機(参号機)を開発。

※逆ぶら下がり健康機(参号機)の画像があれば埋め込みたいです。

体験者にアンケートを実施したところ、「落下している時が怖い」「宙に吊られている感覚がある」という点が高評価だった反面、「落下時間が短い」「倒れる意思決定をするのが怖い」という点はあまり評価を得られず、その点を今後改善していくそうです。

この先の活動について野々村さんは「VRバンジージャンプの製品版を進めながら、移動型バンジージャンプの開発も視野に入れて進んでいきたい」と意気込みを語りました。

 

アナログな出会いに再注目 ヒッチハイクで新たなコミュニケーションを

■Hitchcon 荒木孝文・田中孝資

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/10136/

Hitchconはヒッチハイクに対する不安や疑問についての情報をオープンソース化することで、その問題を解消し、 ヒッチハイク文化のアップデートを目指すプロジェクトです。

「人と人との接点がSNSなどインターネット上にシフトしている今だからこそ、アナログな出会いやコミュニケーションの価値に再注目しました。ヒッチハイクの経験によってこの価値を創出したい」と荒木さんは話します。

100BANCHの活動として、渋谷の街なかでヒッチハイクについてのヒアリングを実施したと報告。回答者117名のうち3割は「ヒッチハイクを経験したことがある」と回答し、20代に絞れば4割はヒッチハイクを経験していたとのこと。

また、このヒアリングではヒッチハイクにおける「何かあった際の危険性」を懸念する回答が多く、そこから「お互いの身分がオープン」「移動相手を選択可能」「緊急時のサポート」という解決案が浮上。この解決案からHitchconはドライバーもヒッチハイカーも安全にヒッチハイクが楽しめるビジネスモデルを考案。

しかし、そのビジネスモデルを実現するだけの情報がまだまだ足りないと実感した荒木さんは今後について「まずはしっかりとした情報収集を行い、日本で唯一のヒッチハイクメディアを立ち上げつつ、活動の幅を広げていきたい」とコメントしました。

 

エンターテインメントとしてのアクアリウムをもっと世の中に

■INNOQUA 高倉葉太

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/10193/

INNOQUAは、観賞魚飼育者とサイエンスの知見やテクノロジー技術をつなげ、サンゴや魚などのよりよい飼育方法の確立を目指しています。また、観賞魚業界のノウハウをサイエンスの世界に提供し、魚の研究を加速させ地球の環境保全に貢献しようと考えています。

「エンターテインメントとしてのアクアリウムをもっと世の中に広めて行きたい」と語る高倉さんは、プロジェクトの一環として、非常に美しくインタラクティブな水槽の開発・設置を進めていると報告。

同時にアクアリストが作る水槽情報共有サイト『Alica』の運営や、メーカーとアクアリウムlotのデバイス開発も行っています。

100BANCHでは、2階Garageにある水槽を活用して、シェアアクアリウムの実装実験を行っています。

個人でアクアリウムをはじめるには30万円近くの初期費用がかかり、さらに経験やノウハウがなければキレイな水槽を維持することも難しいのが現状です。その悩みを解決するために開発したこのシェアアクアリウムは、月額1,500円で好きな魚を一匹育てられるというもの。アクアリストが定期的に水槽のメンテナンスをするため、安心して魚を育てられます。

こちらでシェアアクアリウムの画像をご覧いただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=1ZfKK5IGukM&t=44s

今後について高橋は「昔、魚を飼っていた人や、引越を機に魚を飼うことをやめてしまった人などをターゲットにしつつ、さらに魅力的な水槽を開発していきたい」と語りました。

 

アプリで家事労働の可視化が実現 全ての家族に、楽しくフェアな家事シェアを

■Smuzoo 吉田 寛

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/10219/

Smuzooは子育て世代を中心とする共働き夫婦間で、家事情報の共有ができるプラットフォームや簡単に自動で家事ログがとれるIoTケーブルリールの開発・普及を目指し、家事労働のストレスを低減するプロジェクトです。

2018年11月の「クロスバリューイノベーションフォーラム2018」では参加者に夫婦間の家事分配が分かるキット「Smuzoo」を体験してもらい、それについてのヒアリングを実施。「すごく面白い」「これまでの家事分担率を変えられる」と非常に好評だった反面、家事に自信のない人にはこの体験を避けられてしまったそうで、「家事から目を背ける人にどうやって興味を持ってもらえるか」がこれからの課題だと話しました。

Smuzoo 12月26日に家事労働の可視化でスムーズな家事シェアを実現するためのアプリ「Smuzoo(スムズー)」をリリース。

Smuzoo(スムズー)

iOS版:https://itunes.apple.com/jp/app/smuzoo/id1446588046?mt=8

Android版:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.tanookith.smuzoo.chestnut

これは家事の流れと進捗を見える化できるので家庭内での家事情報を共有することができるアプリ。加えて、既に終えた家事を元に、チームや個人のシェア率、達成率が表示されるため、その達成率をもとに夫婦間における家事分量の認識や見直しができるとのこと。

「全ての家族に、楽しくフェアな家事シェアを」とミッションを掲げるSmuzooは、中期経営ビジョンとして「家事・育児・介護の家族間の意識の差をなくし、家族にもっと自由と多様性を広げて行きたい」と語りました。

現在、Smuzooはクラウドファンディングを実施しています。活動に興味のある方はぜひサイトをご覧ください。

Smuzooの活用で、家事労働の可視化ができ、より良い夫婦関係が築けるはずです。

 

次回の実験報告会

プロジェクトの実験報告が終わると、参加者は登壇者へ質問したり2FのGARAGEの見学したり、事務局メンバーにGARAGE Program応募の質問をしたりと、それぞれが思い思いに100BANCHの取り組みを知る時間となりました。

次回は【GARAGE Program応募者向け見学説明会&プロジェクト成果報告会】を1月30日(水)に開催します。

各プロジェクトの活動の様子を知りたい方や、GARAGE Programへの応募を考えている方は是非ご参加ください。

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これからの100年をつくるU35の若きリーダーのプロジェクトとその社会実験を推進するアクセラレーションプログラムが、GARAGE Programです。月に一度の審査会で採択されたチームは、プロジェクトスペースやイベントスペースを無償で利用可能。各分野のトップランナーたちと共に新たな価値の創造に挑戦してみませんか?

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