

生活に溶け込む「家庭用バイオリアクター」でバイオを身近に
AgriBioPods
プロジェクト概要
私たちは、バイオテクノロジーを身近な技術にすることを目指すプロジェクトです。
培養肉や微細藻類由来の燃料に代表されるように、持続可能な社会の実現に向け、バイオテクノロジーは目覚ましい発展を遂げています。しかし、多くの人々にとっては、バイオテクノロジーを認知・活用する機会はほとんどありません。研究者や専門家だけでなく、バイオテクノロジーの敷居を下げ、多くの人を巻き込んで持続可能な社会を実現するために、技術と人々をつなぐ、新しいデバイス「家庭用」バイオリアクター(細胞培養装置)を開発します。
動機
持続可能な社会の実現を目指して、バイオ技術が日々発展し続けています。しかし、現時点でこれらの技術を活用できるのは、専門技術や高価な実験機器を有するごく一部の組織に限られ、市民が活用できる機会はほとんどありません。私たちは、微生物を活用したものづくりの研究に従事する中で、研究側と、バイオを知る・活用する機会がない市民との間に「大きな溝」を感じました。バイオは、持続可能な循環型社会へとに導く可能性を秘めている領域ですが、その実現には、研究者や技術者の力だけでは不十分で、より多くの人々の参画が必要です。「バイオをもっと身近に」というコンセプトのもと、人々がもっと手軽にバイオの世界に触れ、その成果を活用できる機会をつくりたいという思いから、このプロジェクトをスタートしました。
仮説
テクノロジーの普及には、技術と人々をつなぐデバイスが必要だと考えます。例えば、ChatGPT などの AI が広く普及したのは、それ以前から PC・スマホのような「デバイス」が⾝近にあり、誰もが技術にアクセスできる環境があったことが大きな要因です。一方、バイオはそうではありません。産業利用されるバイオリアクター(細胞培養装置)は複雑で高価、無骨な見た目をしており、個人が利用できるものではありません。そこで私たちは、誰でも手軽に扱うことができ、インテリア性を備えた新しい「家庭用」バイオリアクターを発案しました。そして、近年、代替タンパク質の⼀つとして注⽬される微細藻類に着目し、バイオの「民主化」の第一歩として、家庭用バイオリアクターで微細藻類を「育て・楽しむ・利用する」ことを可能にし、バイオテクノロジーと人々がつながるきっかけをつくりたいと考えます。
実験
実際に家庭で使えるプロダクトの開発を目指します。また、多くのユーザーに体験してもらい、インタビュー・フィードバックを今後の開発へとつなげます。
① プロトタイプの試作、培養試験の実施
②ユーザーの声を聞いた上でのプロトタイプの改良、インターフェースのデザイン性向上
③量産化や委託先の検討
目標
クラウドファンディングなどを活用した、製品のローンチ
未来
家庭を起点としたバイオによる持続可能な社会への貢献。 バイオの「細胞を育み、それを利用する」という営みは、古くから行われてきた発酵食品や酒づくりのように、工場のような大規模な装置や大きなエネルギーがなくとも実現可能です。こうしたバイオの利点が最大限生かし、家庭で藻類や微生物に食やエネルギーをつくってもらい、利用する未来を実現したいです。
プロジェクトリーダーへ一問一答
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あなたはどんな風に育ちましたか?
群馬県で生まれ、高校卒業まで過ごしました。子供の頃はテレビが大好きで、他にも自然で遊ぶことやモノを作ることが好きでした。
受験を経て入学した中学校で、周りに圧倒され挫折を経験。そこからは新しいことにも積極的に挑戦するようになりました。 -
渋谷の街のエピソード
このプロジェクトを始めて以来、Shojinmeat Projectの方々との交流やイベントのためによく訪れています、行くたびに新しいことを発見できる魅力的な街です。 -
メンバーたちの意外な一面
最近はチーム内では、とらぬ狸の皮算用、通称「とらたぬ」が横行しています。気を引き締めていきましょう。 -
意気込みをお願いします!
バイオテクノロジーを知るきっかけとなるような、誰もが使えるデバイスと機会の創出を目指します!
プロジェクトメンバー
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プロジェクトリーダー丸山 崇史
1999年 群馬県生まれ、東京大学大学院に在学。子供の頃からものづくりに興味も持っていた。大学院でのアントレプレナー教育から刺激を受け、専攻する生命工学と掛け合わせてAgriBioPodsの立ち上げを行う。生活の中で、人々がバイオテクノロジーに接する機会の創出を目指している。
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平松 太地
2000年 神奈川県横須賀市に生まれ、海や山、自然に囲まれて育つ。自然環境を維持しつつ、便利な社会をつくりたいという思いから、生命が長い歴史で築き上げた“力”を活用し、ものづくりに役立てることを目指している。微生物の、多様な物質を生み出す力やつくり変える力に注目し、大学(院)ではその仕組みの解明に取り組む。
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阪田 峻基
1999年 東京生まれ。子供の頃から自然の中で遊ぶのが好きだったが、いつからかバイオテクノロジーに興味を持つようになり、大学では生命工学を専攻。大学院の同期に誘われ、今回のプロジェクトに参画。最近は、知的財産について勉強中。
プロジェクトの歩み
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2023/11/1
入居開始
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家庭用バイオリアクター、《蛸みこし》などGARAGE Program第76期の2プロジェクトが100BANCHに入居
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