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まちに落ちているものを拾って瓶に集める人になった理由——アドベントカレンダー2022

gapcap 安藤智博【22日目】

gapcapのチヒロです!すっかり、肌寒くなりクリスマスが近づいてきましたね。このアドベントカレンダーの記事の内容をどうしようかな...と考えていたら、どんどん順番が近付いてきてしまい、伴って今年の終わりも迫ってきて、少し寂しくもあり、何だか焦りもあり。もう100BANCHに入居してから早くも半年が経過したことを考えると、時の流れの加速感にはゾッとします、、そんな時の流れに逆らうように、今日はゆっくりと自分の話をしてみようかなと思います。

入居したばかりの時はまだ半袖だった

100BANCHでは「都市の瓶詰め」を通して、人々の生活視点の違いを探るプロジェクトを実施しています。お気に入りの場所にある特徴的な物を閉じ込めることで、普段見えてこないその人なりの都市の使いこなし方や景色の見え方を炙り出し、新たなコミュニケーションツールとしてのメソッドを開発しようと試みています。

もともと学部時代は都市開発を専攻しており、フィールドリサーチを繰り返しながら様々な地域で定性調査を行う研究室にいました。現場でお酒を片手に人々と話しつつ、一次情報を掴みに行くというスタイルは、お調子者で誰とでも仲良くなる自分の性格にはぴったりで、そのうち研究室を飛び出し、日本全国を一周しながら様々な地域でファームステイをしつつ、ヤドカリ暮らしをするようになりました。

もともと関心のあった農業や漁業をしながら、他人の家に潜り込み、その生活様式をインストールするという行為は、文化の理解だけでなく、自分のライフスタイルにも大きな影響を与えてくれました。(あと全国に第二の家族が増えたのは言うまでもなく、かけがえのない財産になりました!)。

お世話になった農家さんとの一枚

都市は、文明の集積地であり人々の暮らしの交差点です。路地を曲がると全く違った生活様式があるかと思えば、海を渡っても暮らし方に共通点が垣間見えることもあります。

そんな興味深い対象ではありますが、正解はどこにもありません。地元で東日本大震災を経験し、全ての暮らしがリセットされたあの瞬間。既存のシステムや制度体制が条件によっては脆弱性をはらんでいるという当たり前の事実に気付かされ、デザインされている人間の行為自体をもっとクリエイティブな介入に変えていく必要があると感じました。

そこから、もっと都市や地域をまたいで軽やかに駆け巡るために「都市の制限を打破する」を掲げ、していいシティという都市を起点にリサーチや表現・制作活動を行うアーバニストユニットを立ち上げました。

今までにこの渋谷の100BANCH以外にも、都内だとKDDI総合研究所のFuture Gatewayや11-1studioとFor Citiesによる11-1 Studio Fellowship、また京都のFabCafe Kyoto COUNTERPOINT、静岡のアーツカウンシルしずおか、YCCCなど様々なプログラムで採択を頂いて、全国で支援や助成を頂きながら活動を行っています(2022年12月現在)。

Photo by Daisuke Murakami

基本的には「都市の制限を打破する」ためのプロジェクトを実施しており、例えばgapcapは人々がまちに飛び出すためのプレイツールであり、また人々の生活視点を可視化するコミュニケーションツールです。KDDI総合研究所と共同研究しているmonologでは、消費社会の中でどうしても手放せない物とどう向き合うかという課題をテクノロジーを活用して乗り越えるために仮説検証を繰り返しています。

KDDI Research Atelierにて発表の様子

2022年はしていいシティが本格始動し、個人としてもユニットとしても様々なプロジェクトを通して、大きな壁に果敢に挑戦した一年だったように思います。来年は更に都市の制限を打破していけるように、活動を進めていきたいと思います。

今年も100BANCHを始め、本当に多くの方々に支えられ、応援されながら、素敵な一年を過ごすことができました。ありがとうございました、皆さんも良いお年をお迎えください!

gapcap 安藤智博

 

この記事は100BANCHにまつわる様々なストーリーをメンバーやスタッフが紹介するリレーエッセイ企画です。他の記事はこちらのリンクからご覧下さい。

100BANCH ADVENT CALENDAR 2022
https://100banch.com/magazine/advent/2022/

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