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100BANCHのある風景——アドベントカレンダー2022
事務局 澤田 美奈子[22日目]
こんにちは。100BANCH事務局の澤田です。
みなさん、恋してますか? 何に、どんな恋、してますか?
といきなり尋ねてみたのは、クリスマスシーズンのテンションもありますが、今年私が立ち会ったGARAGE Programの審査会にて、あるメンターの方の「100BANCHは何かに恋してる人たちがいっぱいいる」「恋している人たちだから応援したくなる」という言葉が印象的だったからです。
「変」という漢字を使って表現されることが多い100BANCHですが、確かに「恋」という言葉で語ることもできる場所かもしれません。
自分は○○が好き!という偏愛で突き進んでいる人が100BANCHにはたくさんいます。こんな未来をつくりたいという憧れや妄想も一種の恋愛状態と言えるかもしれませんし、憧れや妄想を実現するプロセスの中で、笑ったり泣いたり人間性がむき出しになる姿も、恋している人間のそれに近いまぶしさがあります。正直、どうしてそんなに○○が好きなのか、謎なプロジェクトも多いと思っていましたが、それは「恋」なのだから誰かを納得させる理由を求めるというのはやぼだと、合点がいきます。
▲「何かに恋してる人たちがいっぱいいる」100BANCH
考えてみると事務局の私も100BANCHに恋をしている一人かもしれません。
数年前、前職を辞めた時点で、私は次の仕事を決めておらず、100BANCHのことは知っていましたが、そこで働くことになるとは思ってもいませんでした。
退職後、数カ月経っても転職活動もせず、ぶらぶら遊んでいる私を心配したのか、友達に「次の仕事どうすんの?一生無職なの?」と聞かれ、あまり茶化せる雰囲気でもなかったので、私は「ちゃんと考えてないけど、実はちょっと気になってる場所があってさ……」と、ふと心に浮かんだ、退職する少し前に知った100BANCHの話をしていました。
――渋谷に100BANCHっていうところがあってさ、若い人たちがなんか元気に未来のことやってる場所でさ、虫とかキノコとかバスとか、何やってるかよくわからないんだけど、運営の人たちはめっちゃ真剣でさ、オフィスもコンクリートむき出しだったりごちゃごちゃしたアングラな雰囲気がカッコよくて――
などと、当時の漠然とした知識に基づく100BANCHへの思いを人に語りながらも、それが100BANCHをだんだんと本気で意識するきっかけとなったように思います。
気付けば、ハンガリーの廃墟バーで、ニューヨークの公園で、飯田橋のハローワークで、折々で気づけば100BANCHのことを考えている自分がいました。そして気付けば、募集があったわけでもなかったのに事務局にメールを出し、リクエストがあったわけでもないのに履歴書を持参して100BANCHのドアを叩いていました。
それまであまり意識していなかった存在がだんだんと頭の中を占領するようになり、いよいよ抑えきれない気持ちにまで高まって行動を起こす、という一連のプロセスは今思えば恋に似ていた気がします。
▲再訪した時、記憶以上に100BANCHは自分好みで素敵だった
お陰様で100BANCH事務局メンバーとして迎えられたわけですが、恋が成就したような安堵感は3年目の今もあまりありません。相手(=100BANCH)にとって自分は何なのだろうか、見合った存在なんだろうか、と自問することもあります。惚れた弱味で背伸びして、あまり得意ではないことを頑張らなきゃいけない日もあります。でもそんなグルグル、ハラハラと動く感情も、これこそが恋の道よ!と、楽しむ構えでいる最近です。
100BANCHのみなさんの恋のお相手はそれぞれだと思いますし、恋の形もゴールもそれぞれだと思いますが、恋する者同士、2023年もドーパミン多めに、未来に焦がれて行きましょう!
この記事は100BANCHにまつわる様々なストーリーをメンバーやスタッフが紹介するリレーエッセイ企画です。他の記事はこちらのリンクからご覧下さい。
100BANCH ADVENT CALENDAR 2022
https://100banch.com/magazine/advent/2022/