- イベントレポート
日本の食はまだまだ可能性だらけ。「EAT VISION3~育てる、つくる、いただく~」イベントレポート
高齢者向け受発注アプリで、一次産業に新しい市場をつくる!
"農家直送"、"産地直送"という言葉をよく耳にするようになりましたが、該当するwebサイトを覗くと、どこも同じ農家さんがピックアップされています。 農家さんの数は言わずもがなもっと多く、また、ピックアップされている農家さんの生産量にも限界があります。 全ての農家さんがフラットに、売りたい分だけ売上ることができる、 そして外食業界と農家さんの距離をもっと縮められるようにこのシステムの実装を目指しています。
普段、秋田県産お野菜の卸売事業をする上で、農家さんへの発注手段はメールや電話が主。農家さんが畑作業をしている時間はもちろん電話やメールは通じないので、その場合は農家さんの娘やお孫さんへ発注の連絡を取ることも多いです。このように発注に対する負担が大きくなると、発注量を増やすことが難しくなるため、受発注のシステムやアプリの導入を検討しました。しかし世にあるサービスの中で私が取引している農家さんに勧められるようなシンプルなものはなく、また農家さんに対して導入コストもかかってしまうため、断念してしまいました。 農家さんにとっても、私にとっても、受発注にかかる負担を減らしたい。高齢の農家さんでも簡単に使え、なおかつ導入コストがかからないシステムが作れないか。そう考えるようになりました。
流通システムとしてのBtoB受発注サービスは既に世の中にありますが、それらは高齢の農家さんにとって仕組みが複雑で使い安いとは言いがたいです。機械に知識の乏しい農家さんでも安心して使えるシンプルなシステムの誕生によって、直接取引に取り組む農家さんが増えることを想定しています。 さまざまな農家さんが直接取引を開始することで、発注側にも仕入れの選択肢を増やすことができます。 さらに、農家さんが自身の作物に値付けをし、顔の見える相手に取引されることはキャリアとしてのモチベーション上昇にも繋がると考えています。
今回開発するシステムの受注側である農家さんへはすでにヒアリングを終えており、ネクストステップとして発注側へヒアリングを行う予定です。 具体的には、飲食店、ホテル、レストラン、卸業など、ニーズによる発注側のカテゴリ分けの後、それぞれの事業者に対して話を伺い、既存の受発注システムについてや、業務としての発注体制についてを伺うことで「シンプルな発注システムはどうあるべきか」を深っていきます。
発注側へのヒアリングを終え、受発注システムを開発する上で盛り込むべき内容を洗い出します。 3ヶ月間を終えた後、エンジニアがスムーズにシステム開発に移行できるよう、受注/発注相互のユーザーの動きを想定します。
システム開発後は私が関わる秋田の農家さんを皮切りに普及に努めます。 限定的な人だけでなく、高齢者も含めたもっと多くの生産者が自分で自分の作物に値付けをできること(直接取引できること)、それにより飲食業者や消費者にとって食材を入手する上での選択肢が増えることを目指します。
代表佐藤 飛鳥
青山学院女子短期大学卒。大手健康食品メーカーや食品専門商社での経験を経て2017年AIfrece composition株式会社設立。秋田県産農作物の卸売を主な事業とし、良いものを余さない、農業を秋田県の活性化に繋げるという想いのもと活動中。そのほかに青果物の販売プロデュース、出張農家としての活動、生鮮加工品の商品開発を行う。
ディレクター松永 慎哉
スタートアップのインターンやフィンテック企業への新卒入社を経て、Coiney株式会社へ入社。 キャッシュレスサービスの導入支援を担当。 その傍ら、友人の農家の独立、運営をサポート。 そこで感じた課題や目指す世界観に共感し、プロジェクトへジョイン。
株式会社リ・パブリック共同代表市川 文子
広島県出身。慶應義塾大学大学院にて修士課程修了後、当時まだ珍しかった人間中心デザインの職を求め、フィンランドに渡航、携帯事業メーカー・ノキアに入社。世界各国でのフィールドワークから課題を起点とした製品やサービスの開発に従事。退職後、博報堂イノベーションラボ研究員を経て、2013年株式会社リ・パブリックを創設。現在は持続可能なイノベーションをテーマに地域や組織における環境整備およびプロセス設計の研究・実践を手がける。広島県事業「イノベーターズ100」ディレクター、グローバル・リサーチ・ネットワーク「REACH」日本代表。監訳に「シリアルイノベーター~非シリコンバレー型イノベーションの流儀」。
プロジェクトの歩み
入居開始
自立・居心地・信念、サスティナブルを問う:実験報告会 サスティナブル・フューチャー 〜これからの共存共栄〜
逆境が未来へのステップに(VOL.3) 農業を流行りで終わらせない 安定的なプラットフォーム作りが農業の未来を切り開く ORDERING SYSTEM for aged person:佐藤飛鳥
Only greens don't lose? -ゴミが出ないお野菜の定期便-/ナナナナ祭2020
秋田県産のお野菜専門の卸『ゴロクヤ市場』が高齢の農家が使いやすい受発注システム『イージー』を発表 システムの開発費用を募るクラウドファンディングも締め切り間近
新しい日常を支えるサスティナブルな配送のあり方とは?「Only greens don't lose? -ゴミの出ないお野菜の定期便-」
GARAGE Program メンバーが語る —— 未来に向けて、大切なキーワード Vol.5
EAT VISION3~育てる、つくる、いただく~
100BANCH ナナナナ祭2022のキーノートイベントを発表――食、モノづくり、生物多様性などをテーマに17人のゲストが登壇
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