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100年先の未来を描く9プロジェクトが登壇 2025年5月 GARAGE Program実験報告会

100BANCHで毎月開催している、若者たちが試行錯誤を重ねながら取り組んできた“未来に向けた実験”を広くシェアするイベント「実験報告会」。

これからの100年をつくるU35の若手リーダーのプロジェクトを推進するアクセラレーションプログラム「GARAGE Program」を終えたプロジェクトによる100BANCHでの活動報告や、100BANCHでの挑戦を経て、プロジェクトを拡大・成長させた先輩プロジェクトによるナビゲータートークを実施しています。

2025年5月22日に開催した実験報告会では、科学や研究をアートやクリエイティブの観点から作品化し、より多くの人に届けるための新しいアウトプットをつくり続けているGARAGE Program59期生「Academimic」の浅井順也(Academimic合同会社 代表)をナビゲーターとし、GARAGE Programを終了した9プロジェクトが活動を報告しました。

本レポートではその発表内容をお伝えします。

Science Fiction Club

新しい制服のカタチをつくり、学校教育をより良くする

登壇者:稲田駿平

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/science-fiction-club

「Science Fiction Club」は、学生服を変えることを通して、学校教育を変えることを目指すプロジェクトです。

稲田:現在、制服には没個性、全体主義、ジェンダー、価格高騰などの問題があり、制服制度自体をなくして私服登校にする学校も多くあります。しかし、制服は仲間意識を育んだり、貧富の差をなくしたりする装置としてとても有効なものだと思っています。女子高校生がそろって制服でディズニーに行ったりしますよね。我々が目指すのは、従来の先生視点の装置としての制服ではなく、生徒視点の仲間を生み出すための制服をつくろうというプロジェクトです。制服の良さはそのまま、時代に合わせるようにデザインし直し、いいところ取りの制服をつくります。それを実現するための方法論として「共通しているけどばらばら」というデザインスキームを用いて、多様なまとまりをつくります。100BANCHではこの考え方でコンセプトモデルをつくりました。すべて生成りのキャンバス生地を用いてホリスティックにデザインすることで、全体に統一感を持たせています。1人1人が着ているものは違いますが、全体で見ると1つの集団に見えます。このコンセプトモデルを実際の学校で着てもらうのはなかなか難しいため、実際の学校で使われることを想定した実地設計モデルをつくることにしました。

デザインスキームによって「共通しているけどばらばら」をつくり、1人1人はばらばらの色を着ているけれども、学校全体ではカラースキームが統一されている、多様性のある、まとまりのある集団を目指しました。この方法論を使えば、学校ごとに特色のある制服の一群をつくっていくことも可能です。学校によってはコンセプトカラーがあったりしますが、そういった学校に対しても多様な制服の提案ができます。これにより、制服をもって多様な土壌を学校教育につくることが可能です。

「制服のデザインガイドラインに沿ったものをみんなで着ることで、それが制服になる、という提案も考えています。我々の提案は、デザインの提案でありながらシステムの提案でもあります。」と稲田は話しました。

 

Label Betty

~街に映画の祠(ほこら)を生み出す~小規模映画館を東京にスポーンさせたい

登壇者:埜邑明日加

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/label-betty

「Label Betty」は、東京の街で、映画鑑賞経験の新たなスタイルを提案するプロジェクトです。

埜邑:今、サブスクリプションなどもあって映画はとても身近なものですが、映画館のような場所は逆に敷居が高く感じるようになっていると思います。映画館の数も減っています。ただ、映画は元々、映画館でしか観られないものでした。それでは現代において、映画館はどういう機能があって、どんなことが要求されているのか。「Label Betty」は、これについて向き合っていくプロジェクトです。新たな映画経験を提案し続ける大学生のチームで、いろんなプロジェクトを同時に進めながら色々な活動をしています。組織は、100BANCHに入る1年ほど前に起ち上げ、大学のサークルを対象としたイベントを企画したり、オンライン上のプラットフォームで活動をしていました。そして、今年の1月に制作・配給をした映画のクラウドファンディングを実施し、3月から100BANCHに入居しました。

100BANCHのGARAGE Program期間では、私たちが制作・配給をした映画「愛ゆえに」の上映を3月に行いました。3日間の上映は全日満席で、制作したパンフレットも完売しました。好評につき追加上映も行ったところ、こちらも満席で、多くの方からポジティブな感想をいただきました。ただ、私たちはどうやったら映画をもっと身近にできるか、もっと深く楽しんでもらえるかということを実験していきたかったので、4月には「THREE WORDS CINECLUB」という企画を100BANCHで行いました。映画を見てもらった後に、そこから浮かんだ3つの言葉を書き出して共有してもらうというワークショップのようなイベントです。また、私たちが目指している映画館、現代において必要とされている映画館とは何か、ということをディスカッションしたり、Instagramのリールでリーチを伸ばしたり、定期的なPodCastの配信も続けてきました。

7月のナナナナ祭では「注文の多い映画店」というお店を開こうと思っています。持ち帰れる映画をテーマに、家でも広がりのある映画を楽しんでもらえる企画を検討しています。また、「北渋フェスティバル」という北渋谷、初台エリアの活性化を目指しているチームと組んで、北渋スターライトシネマという数日間にわたる野外映画祭を計画をしています。詳細を夏頃にリリースできるよう、準備を進めている次第です。

「最終的には自分たちで映画館をつくりたいと思っています。祠(ほこら)と呼んでいますが、身近な街の導線の中に開かれているような新しい拠点となる映画館をつくっていきたいです。」と埜邑は話しました。

 

ToI Nexus

二度と自分も騙されない! AIで世界から詐欺をなくす。

登壇者:西谷颯哲

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/tol-nexus

「ToI Nexus」は、世界から詐欺をなくすことを目指すプロジェクトです。

西谷:私たちは、固定電話に取り付けてリアルタイムで詐欺電話を検知する「サギ止め太郎」というデバイス開発をしています。既存の固定電話に起動確認のセンサーと録音するマイクを貼り付けていただくのみの簡単なデバイスです。会話の内容を文字起こしして、テキストの情報から詐欺電話の危険性を判断し、LEDランプで危険度を教えてくれます。ランプがすべて点灯すると詐欺電話であると判断してブザーで警告を鳴らしたり、ご家族にもLINEで通知することもできます。この開発を決めたきっかけは、僕が高専の2年生の時に詐欺被害にあったことです。アメリカに短期留学のビザを申請する際に、偽のサイトで申請をしてしまい、金銭的な被害を被りました。自分は絶対に騙されないと思っていたのにはじめて詐欺にあってしまい、とてもショックを受け、詐欺被害が自分ごととなりプロジェクトをはじめました。

詐欺被害の全体の7割は、高齢者の方が固定電話で被害に遭うケースであるため、固定電話に取り付けるデバイスを開発をすることにしました。100BANCHでは3月にこのデバイスでワークショップを行いました。参加者の方に詐欺師になっていただき、その会話を分析し、AIのおばあちゃんが騙される前に詐欺を検知する、というものです。ワークショップの最後には参加者の方にオリジナルの詐欺対策を考えてもらったり、おじいちゃん、おばあちゃんに「特殊詐欺急増中!」のカードを渡してもらったりして、自分たちが日々勉強してる技術が目の前の人に役に立った感覚が持てたので実施してとても良かったです。また、現在、デバイスのプロトタイプを活用して、団地の方や学校のOB・OGの方に協力いただきながら、実証実験をはじめています。

「これまで絶対に1人ではできないような成果をメンバーと一緒に出すことができました。詐欺のない世界を目指して頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします。」と西谷は話しました。

 

COCOREACH

あなたのココロにリーチ!感情の可視化から、新たな社会基盤を創造する

登壇者:島田早織

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/cocoreach

「COCOREACH」は、生体情報を活用して感情を定量化・可視化し、人々の体験価値を高めることを目指すプロジェクトです。


島田:「もしも感情が資産化できたらどうしますか?」というのが私たちの問いで、そのための方法を探しています。今、マーケティングやエンタメの領域で、感情を資産化することに取り組んでいます。すでに多くの企業が生体情報からリアルタイムで消費者の感情を可視化することに挑戦していますが、消費者の抵抗感や主観評価の限界、精度やリアルタイム性など、いろんな課題があります。私たちは、感情推定によく利用される心拍や脳波に加え、皮膚コンダクタンス(発汗)を技術的に取り入れることで精度をあげられるのではないかと考えました。また、エンタメ分野で他社に自分の感情を共有するという体験を、実際に消費者の方に楽しんでもらうことで抵抗感を下げられるのではないか、と考えています。to B 向けには客観的データである潜在購買欲を提供し、to C向けには消費者自身が購入するコンサートライトのようなしくみづくりをしたいと思います。100BANCHのGARAGE Programの3ヶ月では、ルミオンという腕輪型デバイスの開発や感情分析システムの実装を行いました。生体情報を取り込むと、喜怒哀楽の4つの感情推定を行ってアウトプットを返します。また、ペンライトのメーカーさんとコラボして、ペンライト型デバイスにセンサーを埋め込んでプロトタイプをつくりました。

「ナナナナ祭では、感情が見えるボードゲーム『えもラボ』をみなさんに体験していただく予定です。ナナナナ祭が私たちの初めてのPoC(概念実証)になるのですが、1年間でその数を増やしていって最終的にはベータ版等を提供していけるよう、スピード感を持って頑張っていきたいです。」と島田は話しました。

 

Noah's Ark

「いつか月で会いましょう。地球生命より。」宇宙人のための芸術作品を月面に送る。

登壇者:古山寧々

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/noahs-ark

「Noah’s Ark」は、宇宙人のための芸術作品を月面に送るプロジェクトです。


古山:私は元々美大で作品をつくっていて、現在は理系の大学の研究員をしています。そこに行ったのはDNAを使った作品をつくるためで、アーティスト兼研究者として活動しています。Noah’s Ark は、私が修士の作品でつくっていたものの続きなのですが、「動物のDNA入りのミクロ彫刻」を「ノアの方舟型の人工衛星」で月面に送り、月面で展示をするアートプロジェクトです。このプロジェクトの重要な問いは、アーティストとサイエンティストはどのように協力して新しいものを生み出せるか、というものです。私は小さい頃から科学的なことも、ものをつくることも好きだったので、2つを融合して新しいものができないかと考えています。また、数百年後のアートについて考える、というのもあるのですが、人類が滅んだ後に宇宙人が月面のアートを見つけてくれたらとても面白いなと思っています。宇宙人のための芸術とも言えそうです。宇宙人という存在は、究極の他者だと思っていて、その究極の他者を想像することで、まだ顔を知らない他者のことを想像したり、思いやれたりするのかなと思っています。

プロジェクトは段階的に取り組んでいて、100BANCHに入居する前には、コンセプトを伝えるための映像をつくったり、ミクロ彫刻を作成したりしてきました。次は、科学者と一緒にDNA入りの彫刻をつくり、最後は月に打ち上げたいと思っています。100BANCHに入居してからは、コンセプト映像のブラッシュアップと、DNA入りの彫刻の作成、実際に打ち上げられるかどうかの調査を行ってきました。DNA入りの彫刻については、最初は動物の肉からDNAを取り出す実験を行ってみました。しかし、純度が低いという問題があるため、購入したDNAを使って彫刻をつくろうと考え、ドイツの研究者の方と協力してプロトタイプをつくっているところです。また、月面への打ち上げについては、なかなか見つからなかったのですが、最近、ようやく対応していただけそうなところが見つかりました。そちらでは、遺骨やDNAを乗せたものを月面に送るサービスを行っているので、現在、交渉のための資料を作成中です。

「今後、実際に2026年に月に送るための企業への打ち上げ交渉と並行して、DNA入り彫刻をさらにブラッシュアップしていきたいと思っています。」と古山は話しました。

 

TOIMOCHI

その違和感、放っておくにはもったいない!考えることを、もっと自由に、もっと楽しく。

登壇者:岸ふみ

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/toimochi

「TOIMOCHI」は、日常の些細な違和感を問いに変え、考えることの面白さを再発見するプロジェクトです。


岸:昨今、「何か社会にいいことをするために問いましょう」と言われますが、私たちはそれには懐疑的です。それは私が高校生のとき、まさに社会貢献のために問い続けて考えることに閉塞感を抱いていたからです。私たちは、「問うこと」を「社会を変える前に、まず自分の心を満たす」ものであると再定義をしたいと思います。100BANCHではいろんなことをやってみました。1つ目は、違和感から問いに変換するフレームの体系化です。例をご紹介すると、高校生の方が、国語の授業で習った「少年の日の思い出」(ヘルマン・ヘッセ)という小説について、「本文では蝶と翻訳されているけれど、挿し絵はどう見ても蛾じゃないか」という違和感を持ってきてくれました。それを元に、蝶と蛾を区別しない国があるんだ、という驚きからはじまって、違和感に対する解像度を高めていきます。彼女の場合は、言語の区分の違いや、それが生まれた背景にまで話が広がり、最終的に様々な問いが立ち上がりました。2つ目は問い持ちの核となる違和感を感知するセンサーのストレッチ方法の模索です。違和感は、予想と現実がずれた時に生じるのではないかという仮説のもと、例えば木に抱きつく等、想像できるけれどもやったことがない行為をひたすらにやっていきます。それを元にワークショップを開いたり、それを体験できるZINEもつくりました。

この3ヶ月間、私たちは何がやりたいのかすごく悩みました。問い持ちをしていてとても面白いのは、誰1人として同じ違和感を持ってこないということです。その事実にとても驚かされるし、もっと聞いてみたいと思います。また、問い持ちをやっていると、言葉ではうまくまとめられないけどなんか気になるような感覚がすごく残るので、言葉として出力する以外に、インスタレーション等ほかの方法で表現することもやってみたいと思います。

「次の3ヶ月は『きく』と『つくる』を2軸にやっていきます。第1段階として、この会場の後ろに違和感預かり所、という実験的な装置をつくりました。ぜひみなさんの些細な違和感を教えてほしいです。」と岸は話しました。

 

Blend

性別や背景に関係なく、誰もが科学技術の恩恵を享受できる社会を目指して

登壇者:江連千佳

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/blend

「Blend」は、若手研究者に向け、日本でまだ十分に重要性が認識されていない「ジェンダード・イノベーション」の実践をサポートし、包括的な研究を推進するプロジェクトです。

江連:ジェンダード・イノベーションは、研究や開発の中でジェンダーという視点をデザインの段階から入れましょう、という考え方です。国際的には「ネイチャー」や学会誌の査読プロセスの中で入っていたり、助成金の採択プロセスでも絶対に入れなければいけない概念なのですが、日本ではまだまだ普及していません。元々人文社会学の科学技術社会論という分野から生まれた概念で、適用先は理系の学術分野になるのですが、そこがブリッジされていない、接続されていないという問題意識があって、Blendという団体を立ち上げました。

ちょっと小難しい人文系の概念のようなことを、もっと越境して若手の研究者同士でカジュアルに語り合えるような場をつくりたいというところからはじめてワークショップを行いました。100BANCHではその境界を溶かしていく作業を行ってきました。STEM分野の学生さんを中心にジェンダード・イノベーションを月1回、5ヶ月で実践するマンスリー・プログラムをやらせていただきました。最初はみんなガチガチに緊張しながら、お互いの研究を知り合うところから越境し合いました。次に、ジェンダード・イノベーションと自分の研究との接点をまず探り出し、先行研究を探したり、より一層深く自分の分野の視点からジェンダード・イノベーションに接近していき、最終的にはジェンダード・イノベーションの観点から研究をリデザインするところまでこの半年間でやってきました。

「半年間のプログラム運営を通して、自分たちが大事にしたいことが見つかったことが大きかったです。また、参加者のみなさんから、やりたいことがどんどん出てきて、これから挑戦したいことがたくさん見えてきたので、頑張って発展させていきたいです。」と江連は話しました。

 

IMOCO

世界中で愛される日本のさつまいもをつくり、IMOVATIONを起こす!

登壇者:中村真緒

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/imoco

「IMOCO」は、世界の中で日本のさつまいもの価値が最大化されることを目指すプロジェクトです。

中村:私はさつまいもがすごく好きです。以前、棒高跳びの選手を6年間していましたが、当時はコーチからの厳しい体重管理で、甘いもの・お砂糖を禁止されていました。でも私は食いしん坊で甘いものをいっぱい食べたかったので、何か食べられないかと模索し、行き着いたのがさつまいもでした。大学も農学部に進みました。さつまいもっておいしいだけじゃなく、栄養価も満足感も高くてすごいんです。しかも干ばつや貧困地でも育つ、まさに地球に眠る宝石のような存在だと思います。このさつまいもをもっと多くの人に広めたいと考え、今、さつまいものグローバルブランドをつくっています。私の出身の茨城県で独自のキュアリング処理を施したさつまいもを手作業で干し芋に変え、アメリカでエナジーバーとして販売しています。GARAGE Programを延長した期間中に、初めて地上波のテレビに出演したのですが、いも農家のみなさんがとても喜んでくれてめちゃくちゃ熱量が上がったのが1番うれしかったです。また、6/12〜7/2までの1ヶ月間、アメリカで挑戦させていただく予定で、アメリカの日本食レストランやバイヤーさんに売りまくることが決まったので、今、その準備で生産も頑張っている状況です。

「砂糖の少ないOLIPOPというドリンクが世界的に流行っていたり、甘くてもギルトフリーなものが増えてきています。さつまいももスーパーフードとして、これからどんどん世界でも注目されていくかもしれません。私はさつまいもの可能性を信じています!」と中村は話しました。

 

new "Konpou"

アパレル産業に新しい流通を!「商品を守る」機能と環境配慮を両立させる梱包の方法を生み出す!

登壇者:野崎絵未里

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/new-konpou

「new “Konpou”」は、商品を守る機能と環境配慮を両立させる新しい梱包方法を生み出し、アパレル産業の流通を変えることを目指すプロジェクトです。

野崎:アパレル業界では、工場で服ができると、OPP袋と言われる薄い袋に1つずつ入った状態で工場から倉庫、倉庫から店舗、と流通していきます。以前、私はアパレルブランドでバイトをしていたのですが、毎日、倉庫から届いた服を袋から出し、大量に袋を捨てていました。現場で感じた矛盾と悲しみをきっかけに、なぜこのOPP袋に入っているのだろう、これはなくせないのかな、という疑問から現在のプロダクトにつながっています。そこで開発しているのが「Looplet」です。これまで袋だけでなく外側の段ボールも廃棄していたことに注目し、段ボールとOPP袋の役割を1つで果たす循環型のボックスになります。実際にアパレルで働いていた経験から、環境への配慮のみならず業務の効率化という付加価値をつけたいと思っています。店舗での在庫管理や作業負担を軽減し、現場と未来、両方に優しい選択肢、を掲げています。
「Looplet」の特徴の1つが高さが可変構造という点です。アパレル工場では服ができたら詰められるだけ詰めて出荷するのですが、袋に入れることで、しわや型崩れ、汚れを防いでいます。個包装をなくした場合もその点は満たしつつたくさん入れられる機能が必要になります。それで服の高さに合わせて、高さが可変できる構造にしています。また、ボックスがサイドオープンとなっているのも特徴です。アパレルの現場では、ダンボールが山積みになっていて商品が探しにくいことがあるのですが、そういう現場の負担も軽減できたらいいなと思っています。
100BANCHでの活動の中では、Startup JAPAN というイベントに出展して100名以上の方とお話してリアルな反応をいただいたり、配送や物流関係の方と意見交換をすることができました。今後、Loopletの完全試作版の制作を第一に行おうと思っています。

「ナナナナ祭では、作成したLoopletをもって、to B だけではなく、最終消費者の to C の方からの抵抗感がない、というデータを取ろうと思っています。また、実証実験としてアパレルブランドさんと一緒に梱包の体験をしていただく予定です。」と野崎は話しました。

 

実験報告会の各発表内容はYouTubeでもご覧いただけます。​​​​

Science Fiction Club https://youtu.be/RXMrU_5BmG0?feature=shared

Label Betty https://youtu.be/q-7rE5LBifg?feature=shared

ToI Nexus https://youtu.be/NRTqBFxOJ_M?feature=shared

COCOREACH https://youtu.be/sEUW6W-jfH8?feature=shared

Noah’s Ark https://youtu.be/lleIR2KNSQg?feature=shared

TOIMOCHI https://youtu.be/iIy_KPqFpNk?feature=shared

Blend https://youtu.be/OyxNe3HiApg?feature=shared

IMOCO https://youtu.be/B5hRCZxZjdU?feature=shared

new “Konpou” https://youtu.be/fKMJu-MimP0?feature=shared

次回の実験報告会は6月19日(木)に開催。ぜひご参加ください!

(撮影:荒井孝治)

<次回実験報告会>

「伝統と現代を融合させ、着物を自由に楽しむ未来をつくる」100BANCH実験報告会

 

 

【こんな方にオススメ】
・100BANCHに興味がある
・GARAGE Programに応募したい
・直接プロジェクトメンバーと話してみたい
・日本文化に興味がある
・着物、和服に興味がある

【概要】

日程:6/19(木)

時間:19:00 – 21:30 (開場18:45)

会場:100BANCH 3F

参加費:無料(1ドリンク付き)

参加方法:Peatixでチケットをお申し込みの上、当日100BANCHへお越しください

 

詳細はこちらをご覧ください:https://100banch.com/events/69549/

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