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「人生のターニングポイントなんてないよ...」という、あなたへ。ーナナナナ祭2022を終えて

あなたの人生のターニングポイントって、どこで起こりました?そして親しいあの人の転機は、どこなんでしょうか。そんなこと、考えたこともないかもしれません。

大宇宙大学は、ナナナナ祭来場者150名の人生のターニングポイントを世界地図にマッピングしてみました。今でも、ピンの数は増え続けています。

宇宙で学生するって、なんか面白いね笑

「社会教育」なんとなく聞いたことはあるかもしれませんが、よくわからない教育用語かもしれません。ざっくりいうと「学校外の学び」の総称のことを指します。

学校の外にこそ、普段の教育をもっと生かすことのできる学びがある。オンライン授業を生かし、学生の生活舞台を学校と家、から拡張することで、最終的には授業を月で受講し、学校の空き時間に宇宙空間にいるセカイを目指しているのが、私たち「大宇宙大学」です。

代表であるゆず@ノマド女子大生(以下ゆず)の、1年の留学によるブランクを経て改めてスタートするにあたり「人生のターニングポイントマップ」をWebサイト上に作成することにいたしました。

 ググったら出てくるよ!
https://universityofuniverse.net

でも、「宇宙で学校」とか「学校から飛び出してここに行こうよ!」とかって、あんまりイメージしづらい。
昨年、活動開始してからしばらく「どうやったら地域の面白い場所に対象である人は行ってくれるのか」を考えて、「リーダーであるゆずが楽しんでいる様子を発信して、巻き込まれてくれる人を探す」という活動方針をとってきました。

でも、それくらいで面白い場所に飛び出して行ける人って、「私たち」が何かをしなくても行くんです。

結局「何かを始める一歩が出せる人」のみをいろんな地域に動かさせ続けても、それこそ「行動できる人たち」を地域が奪い合う構造になってしまう。この段落の題にした「面白そうなことするね笑」って、耳にタコができるくらい聞いてきました。

(若いっていいね笑、も私にとってはなまじ同義語です)

多分まだ、私たちの提唱する生き方は「突拍子もない、ユニークな、限られた人しか選択しない若気のアイデア」にすぎない。それを、みんなじゃなくても「普通に上がる選択肢の一つ」として浸透させるには、「みんなの心の底の何か」を揺れ動かすことが重要と考えました。

100BANCHの事務局の方に相談した時には「限られたパイの奪い合いにならないように」を強く言われたことを今でも覚えています。

 

みんなの心の中の「揺らぎ」と「疑問」

今回のナナナナ祭を意識すると、お客さんの質的に「多拠点生活や学校外活動に興味のある大学生」よりも、「イノベーション系に興味のある大人」が中心であることがわかり、ではもうちょっとそんな人たちに「学校外の学びってなんだろう」の「揺らぎ」を与える経験をさせるには、を考えました。

そのとき、今まで当たり前だった「大宇宙大学が持っている知識を分ける」のではなく、「お客さんが潜在的に持っている知識を、大宇宙大学に分け与えてもらう」体制をとり、世界地図にマッピングすることに。「教育」というトピックに関心があってもなくても、一人一人が当事者意識を持てる「自分の思い出」をアウトプットしていただくためのものづくりが、「人生のターニングポイントマップ」のテーマでした。

ラフ案の図

対して、今までのもう一つの課題として「学校外学習を推したところで、結局どうしたらシステムとして社会に導入できるのか」が大学生の力だけでは描きにくい、という問題がありました。どうしてもいろんな意見や経験論を述べても、シンプルに知識と経験値の不足から「いつかこんなことができたらいいよね」の夢を語るだけになってしまう。

今のリアルな教育・社会制度と比較してどう変化を遂げるのか、ほんまもんの意見が欲しい!と、いうわけでトークショーを開き、専門家の方と「ナナナナ祭2022」としての結論を出すというゴールを決めました。それがこの図です。

テーマは「100年後の学校」。素直に100年後ってどんな世界になってるんだろう、という疑問をひたすら出して、それに対する疑問を投げかける。「ターニングポイントマップ」を通してちょっと「学校のかたち」を考え始めた人にもわかりやすい、でも本気の意見が混じり合うイベントを作成することにしました。

 

記入されないアンケート。話したくなる思い出話。

そして開発されたWebサイト、「人生のターニングポイントマップ」。自分のターニングポイントを入力して発信すると、世界地図にマッピングされてハッシュタグ付きで発信できる。

これまたデータ収集もアンケート調査もろくにやったことのないゆず。100BANCHの皆さんに「頼れるデータは100件から」という教えもあり、イベント開催までに100件の投稿を目標値にしました。
我ながらいいものができたなあと。早くいろんな投稿が読みたいなあと、ナナナナ祭に先だった6月の中旬にリリースしました。

が、半月たっても30件しか投稿が集まらない!

ナナナナ祭はたった10日(イベントまでとなったら8日間)しかないのに、半月かけて30件。これはやばい…データと言えないデータを差し出すのはまずい…。

不安になりながら迎えたナナナナ祭初日。道ゆくお客さんにWebサイトを紹介し、アンケート用タブレットまで用意して記入を勧めましたが。

「ターニングポイント…思いつかんからあとで書くわ!」「ゆっくり書きたいからあとで書くね!」「あーーーーっ…あt(以下同文)」

もう全く回答してくれない。初日の回答数はたった5(しかも身内ばかり)。初日なのにこの調子じゃまずいと思っていたところ、100BANCHのとある先輩から「書くのめんどいから、喋るけんゆず書いて?」と言われました。んな無茶な。と正直思いましたが、これが結構話を引き出しやすい。「アンケートを書く」行為は正直めんどくさいけど、「思い出話を喋る」のは、ハードルが低い。夏休みの思い出って、友達だろうが先生だろうが始めたら止めなくでてくるのに、それを急に「絵日記」だの「作文」だのの課題になった途端やらなくなるのと同じ。当たり前のことですが、見落としてしまっていた点でした。

そこで、展示方針を改変。「書くことを促す」のではなく、「あなたの思い出を聞きます」と案内したところ、週末には約15~18件の回答が、平日でも平均して8件の回答を頂き、150件の投稿を集めることに成功しました。

 

未来はもう、とっくにきている

そして迎えたトークイベント。ゲストは「教育界のノーベル賞」Global Teacher Prize top 50″に選出された元教員の竹内啓悟先生、ブラジル育ち・農林水産省・ゲストハウスとNPOの代表を経て、特任准教授として村と連携したゼミを行っている柚木理雄さん。

こう言ったテーマのイベントは、単独講演をさせていただいたこともあるし、「コミュニティづくり」をしている方とはよくしていました。皆の共通用語的な「学校の外って学びがいっぱいだよね!」を持っていることで、いわば「夢みたい」な理想はどんどん膨らむ。

一方今回の課題は「本当にその夢は叶えられるのか?」を見つめることでした。活動している若い「大宇宙大学のゆず」の意見を眺める会ではなく、「学校」をメインフィールドにしていた人の本気の意見をお聞きしたかった。だから学校教育を内部から作ってきた竹内先生、外部から(准教授としてではありますが)与えてきた柚木さんをお呼びしました。

詳しい内容は後日公開されるイベントレポートを見ていただきたいのですが、結果として「納得できる意見」が混じり合う強さを感じました。

100年後の学校、という果てしなく遠い未来のようなテーマに対し、圧倒的に多くの「教育」を見てきているお二人の意見は解像度が高く、私が1人で話していたら「突拍子もない未来の想像」になってしまうテーマに対し「おそらく実現できるであろう未来の状態」のイメージまで引き上げてくれました。

これを竹内先生が講演会内で引用した言葉をさらに引用するならば、「Future is here(=未来はもうとっくに来ている)」。専門的な知識を生かすことで未来を想像して、本当に創造するための一歩が垣間見えた瞬間でした。

ー突拍子もない未来、をすぐそばにするために。

「人生のターニングポイントマップ」は、初めて私が「ゆずの色」をあまり出さないで作成したものでした。ひとの巻き込み方に「頑張ってる大学生」の私自身を使わない方法を知らない私は、今まで作成者がわかりにくいものをつくることに不安感を覚えていました。

しかし、結果的に一番投稿数が集まったのは、ゆずが私用で不在であり、スタッフメンバーを充実させた二日目。土曜日だったという側面もありつつも、ターニングポイントマップそのものの自走性を実感いたしました。

成功ばっかりつらつら述べてもなので、課題も。

なんだかんだ言って、ただWebサイトとしてネットの海に泳がせているだけでは全く回答数が伸びません。今回のナナナナ祭りでは「話しを聞き、文字起こしする」ことを手伝ってくれたメンバーのみんながいて、リーダーであるゆずが十分にリソースを裂ける状態だったことから達成できた目標でした。

もちろん毎回は難しいので(終わったあと私は声がガラガラになった)、どうにかして「みんなが自分から物語を寄せて、読むことができる方法」を探さなくてはいけません。

ただ、このWebサイトとお寄せいただいた物語、まだ皆さんに眠っている物語には価値があります。これは断言します。

撮影者:髙野洋

だからこそ、これをしっかり生かすことができるよう、今回のナナナナ祭をうけて、今後「人生のターニングポイントマップ」をどのように生かしていくかをじっくり考えていこうと思っています。

宇宙で学校する、という一見途方もない未来をすぐそばで創造するために。

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