「自炊」に距離を超えた「他者とのつながり」の物語を宿し、新しいモチベーション設計を。

Jisui
「自炊」に距離を超えた「他者とのつながり」の物語を宿し、新しいモチベーション設計を。
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Jisui リーダー 前田洋佑

イチから作る食体験で、自然と暮らしの距離を近づける。

私たちは、食をイチからつくる体験を通じて、自然と暮らしとの距離を近づけることを目指すプロジェクトです。
MUD ABOUTは、参加者が自らの手で食材を育て、調理し、食べるまでを一貫して体験できる場を提供します。私たちがこれから挑戦する「イチからカレーをつくる(通称:イチから)」は、米や野菜、スパイスを苗から育て、鶏をヒナから育て、塩を採り、器やスプーンまで手作りします。誰もが親しむ料理を題材にすることで、自然・農・食を結び直す、長期型の体験プログラムです。参加者は単なる消費者ではなく、生産から調理・食事までを仲間と共に進めるなかで、自然と農と私たちの生活がつながっていることを実感します。そして食べることを通じて「生きること」を再発見する、新しい学びとつながりの場を目指しています。
私は、山形の田舎で生まれ、自然に囲まれて育ちました。ある時期に、スパイスカレーのスパイスがあらゆる味を包み込む懐の深さに惹かれ、のめり込むようになりました。
それをきっかけに料理への興味が広がり、「おいしさはどうやってつくられるのか?」と考えるようになり、生産者のこだわりや製法など、食べることだけではなく、視点の当て方によって広がる食の楽しさを知りました。
食べ物がどのようにつくられているのかという背景が見えなくなったことで、私たちは「食」そのものを軽視してしまっているように感じます。
だからこそ、もう一度イチから食をつくりたい。
自分の手で育て、つくり、食べるまでの体験を通じて、自然と生きる感覚、そして他者とのつながりを取り戻す場をつくりたいと思いました。
便利さの中で失われつつある「自然へのリスペクト」や「人とのつながり」は、自らの手で食をつくる体験を通じて再び芽生えると考えています。
自然へのリスペクト:苗を植え、動物を育て、器を作る行為を通して、命の循環を実感する。
自己理解と他者との結びつき:仲間と共に汗を流し、失敗と工夫を重ねる中で、自分の価値観や生き方を再発見する。
社会的課題へのアプローチ:農家の後継者不足や耕作放棄地の課題に対し、都市生活者と農を結ぶ仕組みを生み出す。
100BANCHでは、3カ月間で「イチからカレーをつくる」プログラムのプロトタイプを設計します。
1カ月目|設計:農家・陶芸家・養鶏場との協力体制を整備し、年間スケジュールと体験設計を策定
2カ月目|実践:何かをイチからつくる体験の小規模イベントを実施し、参加者の声を反映
3カ月目|発展:プログラムを再構成し、完成版をリリース。コアメンバーを募集し、継続的活動へ展開
単なる農業体験を超え、生活を改めて考えるきっかけ・学びある体験になると信じています。
3カ月間で、持続可能な長期型プログラムの原型を確立することを目指します。
・農家・陶芸家・養鶏場などとの連携体制を構築
・「イチからカレー」プログラムのプロトタイプ完成
・参加者コミュニティの形成とコアメンバー募集
・プロジェクトの世界観と価値を発信
数年以内には、このプログラムを全国の農地に展開し、都市と地域をつなぐ「食の学び場」として発展させます。
100年後、日本が「食と自然の共生モデル」として世界から注目される未来を目指しています。
誰もが一度は自分の手で食材を育て、食べることを「生きること」として捉えられる社会。
テクノロジーが進化しても、自然と食へのリスペクトが息づき、持続可能で心豊かな暮らしが広がる。
MUD ABOUTは、その未来へ向けて、「食べることの意味」を再構築する実験です。
MUD ABOUT リーダー阿部 峻也
山形県出身。スパイスカレーをきっかけに料理熱が加速し、食に興味を持つようになる。80人規模のイベントの運営や、チャイを作るワークショップの主催を行った。
普段の生活の中で感じた「食」に対する価値観の違いから、日本の「食」の未来に危機を感じ、何かできることがないかと模索中。シンプルな料理を作る・食べるのが好き。
大人になってから、梅干しや酵素シロップを作ってみたりと、あえて自分で作ってみる「ていねいな暮らし」に憧れている。結構カレーが好きなほうです。
MUD ABOUT オーガナイザー中右 卓也
教師の両親のもとで育ち、食の都である中国の広州で海外子女としての生活を経験。子女教育に興味を持ち、留学中に補習校の教師を務めた経験がある。
美味しいものを食べることが好きで「複食料理人」(仮の姿で日々を送りながら、黙々と食への探求を続ける人々)を集めたイベントを継続開催していた。
現在はAI領域の事業開発に取り組んでおり、食×教育×AIの可能性を探る。
MUD ABOUT デザイナー谷野 志帆
同志社大学英文学科を卒業後、都内大手人材系IT企業にて2年間の営業、3年間のマーケティングを経験。その知見を活かし、「人をときめかせる」を理念としながら現在はデザイナー/アートディレクターとして、企業やサービスのブランディング、デザイン、アートディレクションを手がける。抽象概念の言語化、洗練された印象の都会的なデザインを得意とする。

MUD ABOUT エデュケーター田口 翔一
東京大学大学院農学生命科学研究科在籍。文化祭運営を通じた主体性教育、実践的な環境教育、地域課題をテーマとした実践学習に取り組む。中高生が自分の理想を描き、掴み取る力を育む教育の在り方や、学校内外の学びのバランスに関心を持つ。「大量の木質バイオマスを使用した土づくりによる環境保全型農業の可能性」について研究している。
MUD ABOUT ハイブリッド百姓濱田 高彦
神奈川県横須賀市の農家。職歴は自衛隊→テレビ局報道部→メッセンジャー→乗馬クラブ。これまで生への歓喜を追い求め気の向くままに生きてきた。現在はLIFEEVOを主宰し、古きを尊重し、変化を恐れず、農業の枠に囚われないハイブリッド百姓を目指している。