- イベントレポート
100年先の未来を描く8プロジェクトが登壇 2023年8月 GARAGE Program実験報告会
おひとりさまでも生きやすい社会をつくりたい
私は、入院・手術時に一人で生きていく大変さを痛感して、一人で飲みに行くようにしたことで、お店の人や常連さんたちと触れ合う機会に恵まれ、孤独感を感じることが減ったので、おひとりさまでも生きやすい社会を作る第一歩として、渋谷区の飲食店さまに「おひとりさま歓迎」と書いたステッカーを貼っていただく活動をして、みんながもっと、ひとりでも気軽にご飯を食べたり、飲みに行ったりしやすい環境を作りたいと考えています。
私はこの10年、一人で頑張って生きてきたのですが、 3年半前に、世界で8例しかない膵臓病になった時、 「家族の同意がないと手術できない」 「手術に付き添ってくれる人を連れてきて」 など、いちばん体調が悪い時に、家族の協力があって当たり前という前提の要求に直面し、ひとりで暮らすことの大変さを痛感ました。 これまでの人生の中で、自分の使命は 「自分と同じような苦労をする人を1人でも減らすこと」だと考えていて、この時の経験から、 『おひとりさまでも生きやすい社会を実現すること』が人生のテーマの1つになり、今回のプロジェクトをきっかけに、おひとりさまが困ることがない社会にしたいと考えています。
私自身の実体験として、退院後、近所にひとりで飲みに行くようにし、お店の人や常連さん達とふれあう機会に恵まれたことで、孤独感を感じることが減り、たとえば、 コロナ禍でトイレットペーパーが不足した時に、お店の人や常連さん達に分けてもらうなど、人とのつながりを感じられるようになったので、 渋谷区の飲食店さまに『おひとりさま歓迎』と書いたステッカーを入口に貼ってもらうことで、 「これまで家にこもっていることが多かったおひとりさま」や、 「コロナで友達や同僚と外食することが減り、寂しさを感じている人たち」が、 『一人飲み』『ひとりごはん』を気軽にできるようになり、孤独感を感じることが減ったり、社会からの孤立化を防ぐことができるのではと考えています。 また、ステッカーを貼って下さった飲食店の方も、お店の集客につながり、「お客様側とお店側双方に良い環境が作れるのではないか」と考えていました。
100BANCHのGARAGEに、模造紙サイズの「渋谷区のマップ」を掲げ、渋谷区を歩いて店舗の方にシールを貼る許可を取っていこうと思います。 おひとりさま歓迎シールを貼るごとに、マップ上にもカラフルな小さな丸を記していき、3ヶ月後には、真っ白だった渋谷区マップが、カラフルな色で埋め尽くされ、それに伴って各飲食店で新たな人と人とのつながりが生まれるよう、活動したいです。 最終的には、真っ白だったマップを、虹色のような、希望溢れるカラフルな渋谷区マップにできたら良いなと思っています。
・渋谷区の飲食店600件以上にシールを貼っていただけるよう、行動する。
最初は渋谷区からスタートするのですが、少しずつでも協力してくれる人を増やして、地方などほかのエリアにも活動を広げていきたいです。 そして、一人で外食することに対する抵抗感が減ることをきっかけに、 「家族や職場だけでなく、地域や同じ趣味趣向の人が集まる居場所を持つこと」や 「家族の垣根を超えて、みんなで助け合うこと」の良さが世間に伝わって、 おひとりさまが困る場面がない社会を実現したいです。
プロジェクトリーダー山下愛香
1988年生まれ。幼少期を秋田県・埼玉県・福岡県・静岡県などで過ごす。9歳の時に母ががんで亡くなったことで、「人は何のために生きるのか」を早い段階から考えるようになる。ずっと無気力で生きてきた24歳の時、単身で北海道移住し、右も左もわからない所から生活をスタートさせたことで、「過去は変えられないけれど、今と未来は変えられる。今できることを精一杯やろう。」と考え方が変わり、天職と思えるマーケティングのお仕事にも出会って、現在は、Web広告代理店業をしながら、「同じ苦労をする人を一人でも減らすこと」をテーマに4つの社会課題に関する活動を進めています。
渋谷区長長谷部 健
原宿生まれ、原宿育ち。(株)博報堂退職後、ゴミ問題に関するNPO法人green birdを設立し
たほか、NPO法人シブヤ大学、NPO法人ピープルデザイン研究所の創設にも携わる。2003年
渋谷区議に初当選。2015年4月、渋谷区長就任。現在3期目。
プロジェクトの歩み