• イベントレポート

「渋谷じゃ自然に触れ合えない...」ってほんとかな?草木染めワークショップ「ぶんかい」─ナナナナ祭2023を終えて

林業界が自力で収益を生める社会に貢献すべく活動しているプロジェクト「soma no base(ソマノベース)」は、和歌山を拠点に活動し、森林を活用して土砂災害での死者を無くすことなどに取り組んでいます。
日々自然と密接に関わる彼らがナナナナ祭2023で挑戦したのは、森と自分の繋がりを見つける、叩き染めのワークショップ。たくさんの方にブースに訪れてもらうことができた開催の様子を、ソマノベースの西来路がレポートします。

あなたは生活の中で自然と触れ合う機会はありますか?

私たちは和歌山を拠点に活動する、森林を活用して土砂災害での死者を無くす会社です。

「和歌山に住んでるの?いいね、自然豊かなところなんじゃない?」「昔和歌山行ったのよ、熊野古道を歩きに。こっちじゃなかなか自然と触れ合えないからまた行きたいねって(旦那さんと)話してるの」

その言葉を待ってました。

そんなあなたのためにワークショップを企画してきたんです!私たちソマノベースは、ナナナナ祭にて来場者と渋谷の植物を採取し、布に叩いて染めるワークショップを実施しました。

 

身近な自然環境を楽しんでほしい、そして全国の自然を楽しんでほしい

先述しましたが、私たちは和歌山県田辺市というところに拠点を持ち、最終的に向き合いたい課題である“土砂災害による死者”を解決するために、手前にある森林や林業の社会課題にも向き合ってチャレンジしている会社です。

提供:国土交通省近畿地方整備局

大きな大きな社会課題に向き合う自分たちはあまりにもちっぽけで、もっともっと仲間が欲しい!私たちが向き合う課題を知って欲しいし、一緒に戦ってほしい!

けどその思いを伝えるのはとても難しい。

だってみんな忙しいから。そして、こっちの課題をぶつけるだけではだめなんだ…楽しくなくっちゃ。忙しいみんなも自然と触れ合うことは好きだし、求めてはいる。

インスタグラムを覗いてみたら、お家でガジュマルを育てている人もいれば、秩父の川でBBQをしている人もいる。よし、身近な自然に気づいてもらおう。深追いすると面白いってことを知ってもらおう。

地方と都会の、自然と社会の通訳者として、渋谷の植物を題材にしてつくった企画が、「叩き染め」でした。

 

“どこでもある街路樹”から、個が見つかる

今回のナナナナ祭で実施した”叩き染め”の手順がこちら。

①和歌山の山から持ってきた10種類の植物 or 100BANCH前に自生する植物から、自分の好きな葉っぱを選ぶ。

②ポーチの上で思い思いに配置していく。

③丁寧に叩きながら生地を葉っぱの色に染めていく。

もっとも重要視したのは、『複数の選択肢から選んでもらう』ということでした。

多くの人たちが、旅行に訪れ山を見るとき、また街を歩き街路樹を通り過ぎるとき、大きく「緑」って括りでみていると思うんです。なんとなく視界の端っこにある緑の塊という具合に。

でもその中から、「好きなものを選んで」と言われたら、一つひとつ丁寧に目をむける。

「これはなんの種類だろう」「こっちより、あっちの方が小さくて可愛いな」「この葉っぱは虫食いがあるから嫌だな」

植物の個性に気が付く。

一つの塊が小さな集まりで、虫や草や土が折り重なって、その場が形成されてあることに気づく。

それだけじゃない、自分の感性や性格にも気づく。

「俺が選んだ葉っぱ、丸いのばっかりだな」「あの子は1枚なのに、私こんなに持ってきちゃった」

これらは実際に参加者が言っていた言葉です。参加者に見えないように、拳をぐっと握りました。

いいぞいいぞ、そこに気づいて欲しかったんだ。

緑を個として見て、自分の感性に気づくと、いつもの街が少し違って見えるはず。

 

叩くたびにまた気づく。

叩き染めワークショップを実施して、新しい発見もありました。参加者の皆さんのこんな言葉。

「腕痛え〜腕こんな痛いの久しぶり」「小学校の授業で似たような体験したことを思い出しました」「叩いてるうちに彼氏への怒りが整理されました」

15分間、トントントントン葉っぱを叩いているうちに、参加者それぞれの頭の中では、運動不足かもしれないなとか、小学校の授業楽しかったなとか、なんで私あんな言い方してしまったんだろうとか、いろんなことに思考をめぐらせる機会になっているのではと感じました。

私たちが普段お世話になっている林業家さんの言葉を思い出しました。

「山にいくとね、心が落ち着くんよ。仕事ない日でも一人で山行くんよ。」

『没頭させ整理させる。』そんな体験価値がこのワークショップや自然体験にあるかもしれないという気づきになりました。

 

追いかけたくなる自然は、いつも近くにある

渋谷区の森林面積割合はたったの6.4%。確かにかなり少ないですよね。だけど、セミはミンミン鳴いているし、紅葉は赤く染まっている。

限られた環境の中で確かに生きているし、未来に繋ごうと奮闘している。
彼らの営みを注視していると、「自分は未来に何をどう残そうか」と思いも巡る。

私たちソマノベースは森と人が繋がり、共生できる未来作りにチャレンジしています。お家や職場で、森林と関わりたいと考えておられる方は是非お話ししてください!

ソマノベースが様々な関わり方をご提案します。

またソマノベースは100BANCH前で、未来の森を生み出す苗木をどんぐりから渋谷で育てることにチャレンジしています

水分量が少なくて枯れてしまったり、日差しが強くて枯れてしまったり難しいことがたくさん。それでも、森と繋がっていると感じられる機会を作り出したい。自然の中に自分は生きているんだってことを実感できるきっかけを生み出したい。

そんな思いで小さな小さな苗木たちを育てています。

100BANCHを訪れた際は、是非彼らの成長を見てあげてください。

 

  1. TOP
  2. MAGAZINE
  3. 「渋谷じゃ自然に触れ合えない…」ってほんとかな?草木染めワークショップ「ぶんかい」─ナナナナ祭2023を終えて

100BANCH
で挑戦したい人へ

次の100年をつくる、百のプロジェクトを募集します。

これからの100年をつくるU35の若きリーダーのプロジェクトとその社会実験を推進するアクセラレーションプログラムが、GARAGE Programです。月に一度の審査会で採択されたチームは、プロジェクトスペースやイベントスペースを無償で利用可能。各分野のトップランナーたちと共に新たな価値の創造に挑戦してみませんか?

GARAGE Program
GARAGE Program エントリー受付中

2月入居の募集期間

11/26 Tue - 12/23 Mon

100BANCHを応援したい人へ

100BANCHでは同時多発的に様々なプロジェクトがうごめき、未来を模索し、実験を行っています。そんな野心的な若者たちとつながり、応援することで、100年先の未来を一緒につくっていきましょう。

応援方法・関わり方