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ワクワクする手段で食から健康を紡ぐ社会に
100BANCHで毎月開催している、若者たちが試行錯誤を重ねながら取り組んできた“未来に向けた実験“を広くシェアするイベント「実験報告会」。
これからの100年をつくるU35の若手リーダーのプロジェクトを推進するアクセラレーションプログラム「GARAGE Program」を終えたプロジェクトによる100BANCHでの活動報告や、100BANCHでの挑戦を経て、プロジェクトを拡大・成長させた先輩プロジェクトによるナビゲータートークを実施しています。
2023年4月23日に開催した実験報告会では、制作や配給、宣伝など映画にまつわることを全方位的に取り組むGARAGE Program 2期生「ORQUEST」の石原弘之(株式会社ポルトレ 代表)をナビゲーターとし、GARAGE Programの計4プロジェクトが活動を報告しました。
本レポートでは、GARAGE Programの4プロジェクトの発表内容をお伝えします。
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ワクワクする手段で食から健康を紡ぐ社会に
登壇者:中原 杏菜、久米さくら
プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/salii
「salii」は、若年層に蔓延する「食事への抵抗感」や「プラスチック使用への抵抗感」からの解放を目指し、食べられる栄養スプーンの開発・販売によって、“食から健康を紡ぐ選択肢”を提示するプロジェクトです。
中原:100BANCHではこの3カ月でイベントを3つ行いました。1つ目は、100BANCHで出会ったTasty and Heartfulとのコラボイベントで、渋谷の飲食店や学生と20名ほどで団らんしながら食や環境問題などいろんなトピックで話し合いをしました。コーヒーやヨーグルトと食べられるスプーンの相性が抜群に良い、おいしいという声をいただいたりと楽しいイベントになりました。2つ目は、フードロスカレーとのコラボイベントで、40名ぐらいの方が集まり、実食会を開催できました。ヨーグルトなどのデザート系ではなくカレーに挑戦したことでおかずとも相性が良いという発見がありました。
久米:3つ目は、100BANCHで開催した持ち寄り試食パーティーです。参加者にスプーンと一緒に食べてみたいものを自由に持ち寄っていただ来ました。定番のゼリーやヨーグルトのほかにもロールケーキやベビースターラーメンなどいろいろなものを持ってきてくださる方がいました。「パンにジャムなどを塗るのに使ってそのまま食べたい」「ホテルのアフタヌーンティーで使えそう」「大学など教育機関で採り入れると面白そう」など、新しいアイディアもいただきました。
こうしたイベントは100BANCHに入居したことで開催できたと話す中原。「暗中模索の中で進めていくなか、もっとインプットが必要だと気づいたので、今後は、インプットをしっかりして、自分たちのビジョンに沿ってベストなやり方や選択肢・手段っていうのを模索し活動していきたいです」と今後について話しました。
研究をしたい人に、研究をするための支援を、みんなで
登壇者:根本 一希
プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/MitsubachiDAO
「Mitsubachi DAO」はトークンを用いた自律分散型の組織(DAO)を用いることで、若手研究者など研究が大好きであるがなかなか研究に対しての資金を獲得できていないような研究者の資金問題を解決しようとするプロジェクトです。
根本:これまでもアカデミックなファンディングなどはあったのですが、どんなプロジェクトにどうやってお金を入れればよいのか、わかりにくいところがありました。そこで、今回、徹底的にハードルを下げ、学部生から修士過程ぐらいの研究者を目指す人たちに、小さなお金を渡すようなMVPをつくろうと思い「Mitsubachi DAO MVP」を100BANCHで開催しました。協賛企業からお金をいただき、それをどう分配するか投票で決めようという企画です。当日、実際に多くの方に来ていただいたのですが、「普段は研究と遠いことをしているが、若い研究者の方々が頑張っていることを知れてとても良かった」や「内容は全部わかったわけではないが、熱意が伝わった」など、声をいただけたのがとてもうれしかったです。「市井の人々に研究者の想いや熱意が伝わるのか」という仮説が成り立つことが証明できました。実際にはそこからさらにお金を出すかどうかという大きなポイントがあるのですが、今後、検証していきたいと思っています。
次回は、自分のネットワークを使ってアジア規模でやりたいと話す根本。研究へのお金の投資の新しいやり方をみんなで考えていきたいということなので、興味がある方は、ぜひご連絡ください。
深いつながりを感じられる安らぎのある社会を作りたい
登壇者:堀 祐大朗
プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/nayamii
「nayamii」は、文章で入力した悩みを元にAIが絵を生成してくれるアプリを通じ、一人で悩みを抱え込んでいる方が、自分の考えを整理したり、どうすれば自然に悩みをさらけ出して共有できるようになるか、考えていくプロジェクトです。
堀 :私たちの理想は、自分の悩みを打ち明けられるような深いつながりを感じられる人がいる、そんな安らぎある社会です。この社会を目指し、100BANCHでの3カ月間、悩みを話すきっかけについて考えてきました。実際に、nayamiiを用いて自分の悩みを共有するイベントも開催しました。イベントでは、「言葉ではなく絵を使ってもやもやを表現することでやんわりと気持ちを表現したり、絵の中の人物について話すことができたり、対話のはじまりをつくり出しやすくなった」などのコメントをいただきました。多くの方に悩みを絵で共有していただけただけでなく、何より私自身も3カ月間を通してさまざまな悩みを絵にし、相手に相談することができました。
これまでの活動で見えてきた課題に向き合い、「次の3カ月では、ハラスメントやコミュニケーション不足の課題の声の多かった社内面談の領域に特化したプロダクトを作っていきたい」と堀は話します。「個人用のサービスでもクイズなどゲーム性を取り入れながら対話が自然発生するように改善していきます」。
服と人をつなぐ。 “捨てる”ではなく、”修理”という選択肢を創る。
登壇者:関根 知郎
プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/repafuku
「RepaFUKU」は、服の修理屋への持込・受取の面倒臭さを、服を修理したいユーザーと修理屋をつなぐプラットフォームサービスを開発し、解決するプロジェクトです。
関根:不要になった服が年間48万トンのゴミになっているというファクトがあり、なぜ修理されずに捨てられてしまうのかと考え、このプロジェクトをはじめました。100BANCH入居後の1カ月目に、PoCとして修理屋の実店舗などに行ってヒアリングを行ったのですが、うまくいきませんでした。
お客様に断られる中で、自分自身のプロジェクトに対しての熱量が低く、真に自分のやりたいことなのかわからなくなったという関根。「RepaFUKU」のサービス化を止め、本当に自分がやりたい事業を模索したといいます。
関根:2カ月目にいろいろと考えた結果、やはり自分で服を作りたいという思いから「1%の服をつくる」というビジョンで「ONE」という名前のエシカル系のアパレブランドをつくることを決めました。3か月目は、その新しいプロジェクトのスケジュールを策定したり、工場を探すなど、服を自分で作るためのインプットなどを行ってきました。
「今回の入居では、途中でプロジェクトを変更したり、あまり芳しくない不甲斐ない結果になってしまいました。今後はONEという自分のアパレルブランドを推進し、再度100BANCHに参加したい」と次のプロジェクトへの決意で発表を締めくくりました。
実験報告会の各発表内容はYouTubeでもご覧いただけます。
salii https://youtu.be/JNAXi8Q9g2o
Mitsubachi DAO https://youtu.be/Ehf4PBfaiZg
nayamii https://youtu.be/-1PExT1w5bY
RepaFUKU https://youtu.be/C2ZVhlJozAc
報告ピッチ後は、100BANCHがsoma no baseとともに進めている、100の未来の森と人を育てるプロジェクト「100BANCH woods」のどんぐり植え付けワークショップも行われました。
次回の実験報告会は5月23日(火)に開催。ぜひご参加ください!
(撮影:荒井 孝治)
【こんな方にオススメ】
・100BANCHや発表プロジェクトに興味のある方
・GARAGE Programへの応募を検討されている方
【概要】
日程:5/23(火)
時間:19:00 – 21:30 (開場18:30)
会場:100BANCH 3F
参加費:無料(1ドリンク付き)
参加方法:Peatixでチケットをお申し込みの上、当日100BANCHへお越しください
詳細はこちらをご覧ください:https://100banch.com/events/46503/