The Herbal Hub to nourish our life.
からだとローカルを元気にする「薬草カレー」づくり
100BANCH 2F「GARAGE」に入ってすぐの場所に、「伝統茶」と「しいたけ出汁」が置いてあります。この二つ、誰でも自由に飲むことが出来るんです。
100BANCHのメンバーたちは、活動の前にまず一杯。打ち合わせ中や、作業の合間の息抜き、そして、お昼ご飯の時にも一杯。それぞれが、場面に合わせて自由に選んだ味を楽しんでいます。
実は、この「伝統茶」と「しいたけ出汁」は、GARAGE Program(※)のプロジェクトから生まれました。
2020年3月、100BANCHの編集部に入ったばかりの仁平が、味を確かめながらいち消費者としての素直な感想と、さらにプロジェクトリーダーにこれはどのような実験を行なっているのかなど、お話を伺いました。
※これからの100年をつくる、U35の若手リーダーのプロジェクトを推進するアクセラレーションプログラム
最初に試したのは「The Herbal Hub」プロジェクトの伝統茶 {tabel}。
{tabel}は、日本各地の薬草文化&産業リサーチし、より健やかな食生活につなげていくためのコミュニティづくりを行っている「The Herbal Hub」プロジェクトの新田理恵さんが日本全国を旅して出会った日本伝統茶のブランド。在来ハーブをテーマにして作り手や風土の魅力をお届けしています。
100BANCHには「カキドオシ茶」「はす茶」「月桃茶」「グァバ茶」の4種類ほどの伝統茶が置いてあります。
【カキドオシ茶】
シソ科のカキドオシの葉や茎を使用。すっきりミントのような香りとまろっとした味わい。潤いたい時に。冷やしても美味しい。
【はす茶】
ハス科のはすの葉を使用。楊貴妃の愛した美容茶。消化のコンディションを整えます。金木犀のようなやさしい甘い風味があり、リラックスにおすすめ。
【月桃茶】
ショウガ科の月桃の葉と茎を使用。華やかな香りと、後味に少しスパイシーさが。ポリフェノールが赤ワインの33倍含まれています。リフレッシュに。
【グァバ茶】
フトモモ科のグァバの葉を使用。南国フルーツのようなトロピカルな果実感と、心地よい酸味。ビタミンCが美しさと疲労回復をサポートします。
このように、それぞれ効能が異なるので、メンバーたちはリフレッシュしたいなと思ったら「月桃茶」、最近胃が荒れてるなと思ったら消化のコンディションを整える効果のある「はす茶」と、シーンに合わせて自由に手にとっています。
100BANCHにはティーバックタイプが置いてあり、マグカップにお湯を注いで3分程蒸らします。蒸らしている間も爽やかな香りが漂います。
今回、私は前日お酒を飲み過ぎておなかが重かったので「はす茶」を試しました!
香りを楽しみながら一口。程よい渋みですっきりとした口当たり。クセも強くなく飲みやすい!しばらくすると体がじんわりと温まり、胸焼け気味だった胃がスッキリした気がしました。心も体もリラックス。お茶を蒸らしている時間から飲み終わるまで、束の間の贅沢な時間となりました。
そんな伝統茶を作り、GARAGE ProgramのOGとしてイベントに参加したり、現役メンバーとも物腰やわらかくお話しされてたりしている新田さんに、直接インタビューしてみました!
「The Herbal Hub」プロジェクトの新田理恵さん
——現在100BANCHに置いている、伝統茶の制作の経緯を教えてください。
新田:私は管理栄養士の資格を持っていて、その視点から食と健康の繋がりについて考えていました。講演や商品開発の仕事で地方に行くことがあるのですが、それぞれの土地にたくさんの薬草があることを知りました。薬草の奥深さに感銘を受けて、全国を周り、その土地で古来より親しまれている薬草を地域の魅力と共に広めたいという思いで、現在も活動を続けています。
食生活をすぐに変えるのは大変ですが、お茶であれば、誰でも手軽に試したり続けることができるので、日常に簡単に取り入れることが可能です。特に、ティバッグだと手軽です。実は、継続しないと体は変化しないと思われがちですが、実感も案外すぐに感じられます。例えば、当帰などの体が温まる薬草を使ったお茶を飲めば、5分ほどで手がぬくもるなどの効能を体感できます。
——100BANCHに置いて、どんな感触を得ましたか?
新田:今まで薬草というと、マーケットの大半が年配の方でしたが、今まで薬草に触れたことのない若い人たちに触れてもらえる機会になっています。メンバーたちの感想を取り入れて、焙煎の仕方をコントロールしたり種類を増やせて行けたらいいなと思っています!また、ティーバックを補充する際に、どの種類が人気なのか、情報を得るマーケティングになっていたり、100BANCHで飲んだ方が商品を購入してくださったり、思いがけない広がりを見せてくれています。
次に、試したのは「椎茸祭」プロジェクトの「oh dashi 椎茸だしスープ」です。
このプロジェクトは、「おだしを飲んでホッとする」という日本の出汁文化が人をリラックスさせ、世界平和に続く“自分平和”を実現することを目指し活動を続けています。また、より多くの信条の人にも飲んでもらえる「NO BORDER」なものづくりを心がけ、肉や魚などの動物性のもの、保存料、人工添加物、酵母エキスなどを使わず、日本国産の原木椎茸を使った出汁スープを作っています。
「oh dashi 椎茸だしスープ」はその名の通り、椎茸(シイタケ)、それも原木椎茸から作られた出汁スープです。お湯と混ぜるだけのインスタントさが100BANCHでも好評。動物性の材料を使っていないため、ビーガンやベジタリアンの人でも安心して飲むことができます。
100BANCHでは給水機の横にオリジナルの専用BOXが設置されていて、1杯120円(期間限定で100円!)で飲むことができます。
私も100BANCHマグを使って飲んでみました!
「oh dashi 椎茸だしスープ」にお湯を注ぐと、フワッと椎茸の香りが漂ってきます。塩味も強すぎず、優しい香りなので、和洋中どんな食事にも合いそう。これは美味しい! 飲むのはもちろん、料理のベースにも使えそうです。
「さまざまな信条の人でも安心して食べられる、うま味が豊富な椎茸を使った出汁を多くの人に届けたい!」と語る「oh dashi 椎茸だしスープ」を開発した「椎茸祭」代表・竹村賢人さんにお話を伺いました。
「椎茸祭」代表・竹村賢人さん
——出汁を顆粒タイプではなく、なぜ液体タイプにしたのでしょうか?
竹村:顆粒タイプは一般的にデキストリン(でんぷん)を使って粉化加工を行うのですが、どうしてもデキストリンを追加することで味わいが変わってしまうことがあるんです。またお湯を入れるだけで混ぜずに飲むことも考えると、マドラーなどが不要な液体タイプのほうが都合が良かったために液体にしています。
——制作過程で印象的だった気付きを教えてください。
竹村:元々は若い人がオフィスなどで飲むことを想定して開発したのですが、実際飲んでいただいている方の声を聞くと年齢層の幅も広く、半数以上が料理に使われており、当初の想定とは違った方々に飲まれていることが印象的でした。
——100BANCHに置いたことで生まれたコミュニケーションについて教えてください。
竹村:メンバーが試しに飲んでみたと、初めてお会いしたとき話しかけてくれるのでコミュニケーションの入り口になっています。また、他のGarage Programのプロジェクト「SAVE THE UDON」とイベントでコラボしたり、「{tabel}」の商品、ウコン味噌とのセット商品を作ったりしました。100BANCHでコラボの輪が広がっています。
今回、2つのプロダクトを体験するとともに、プロジェクトのリーダーにその思いを伺えたことで、「The Herbal Hub」は「地域の魅力を伝え、パワフルな植物の力で、みなさんをもっと癒したい!」、「椎茸祭」は「様々な信条の方にうま味を提供したい!」という強い思いがあることを知ることができました。
私は100BANCHへ向かう時、「今日はどの伝統茶を飲もうかな?」と考えるのが楽しみになっています。「oh dashi 椎茸だしスープ」を持ち帰り、自宅で寄せ鍋のベースにした時は、家族が「いつもと違う!美味しい!」と喜んでいました。
この2つに共通するのは、昔は馴染みのあった日本らしい食文化にスポットを当て、現代に暮らす人にも親しめるようなアプローチをしていること。商品ができることがゴールではなく、その後のコミュニケーションを次々と生み出していることも、プロジェクトの大きな魅力だと思います。
伝統を未来に届けようという取り組みが、ここ100BANCHでの“実験”で繋がったことがプロジェクトの大きな意義だな、と改めて実感しました。
今回紹介した、伝統茶「{tabel}」と「oh dashi 椎茸だしスープ」は下記サイトで販売していますので、ぜひご自宅で楽しんでみてはいかがでしょうか?
「The Herbal Hub」の伝統茶{tabel}
「椎茸祭」のoh dashi 椎茸だしスープ