• イベントレポート

千の祈りが、渋谷で光になった2日間——WE LOVE HACHI 2026 ART FES

渋谷と秋田をつなぎ、ハチ公を現代アートとして捉え直した2日間

2026年4月4日・5日、渋谷スクランブルスクエア12階「Scene12」にて、「WE LOVE HACHI 2026 ART FES〜渋谷と秋田から愛を伝える2DAYS〜」が開催されました。会場には約2,000人が訪れ、秋田と渋谷、記憶と祈り、折り紙とアートが交わる2日間になりました。

100BANCHからは、Apriori.Art – Origami Projectが主体となり、Pxcell、47WAZA KICKS、Next1Dogs project、NOVAが参画。渋谷・100BANCH出身のアーティストたちによる“ハチ公再解釈”作品群が会場に並びました。

本レポートは、自らの作品を制作しながら企画を進行してきたApriori.Art – Origami Projectの加納宏徳がお届けします。

折り紙を、大人も心を動かされるアートとしてひらいていきたい。そんな思いで活動している、加納宏徳です。今回、Apriori.Artとして企画・制作を担当したのは、ハチ公の故郷である秋田県大館市と、主人を待ち続けた渋谷をつなぐアート展示でした。折り紙を軸にしながらも、折り紙だけで閉じない場にしたい。地域と記憶、人と人、祈りと表現が交わる場をつくれたらと思って、取り組んでいました。

この記事では、「WE LOVE HACHI 2026 ART FES」がどう始まって、どんな実験ができて、何に苦労して、何が嬉しかったのかを、企画・制作を担当した立場から振り返ってみたいと思います。

イベント概要

「WE LOVE HACHI 2026 ART FES」は、「WE LOVE HACHI 2026 ~渋谷と秋田から愛を伝える2DAYS~」の中で実施したアート展示です。会場は渋谷スクランブルスクエア12階「Scene12」。渋谷という都市の中心で、ハチ公を現代的に再解釈する試みとして開催しました。

展示の中心には、秋田と渋谷の子どもたち、そして来場者が折ったおよそ2,000羽の折り鶴で形づくられていく参加型折り紙アート作品「ハチ公3.0」がありました。会場ではそれに加えて、複数のアーティスト・クリエイターによる「ハチ公」の作品展示も展開。来場者がただ鑑賞するだけでなく、記憶や感情、地域性や文化の背景も含めて受け取れる場を目指しました。

展示の詳細情報:WE LOVE HACHI 2026 ART FES

海外からの観光客も数多く展示に訪れてくれた。

主催:株式会社秋田ケーブルテレビ(ハチふる SHIBUYA meets AKITA)
企画・制作:Apriori.Art(アプリオリ・アート)加納宏徳
クリエイティブプランナー/デザイン:なぞのデザイナー @nazonodesigner
後援:秋田県、大館市、一般財団法人渋谷区観光協会、忠犬ハチ公銅像維持会(五十音順)
協力:大館市立南小学校、白根記念渋谷区郷土博物館・文学館、渋谷区立神南小学校、セルリアンタワー東急ホテル、100BANCH、ほか(五十音順)

ハチ公を、ただ有名な犬としてではなく、秋田と渋谷を結ぶ存在として、そして人の記憶や祈りが重なる存在としてもう一度見つめ直したい。さらにそれを、いまの渋谷という都市空間の中で、アートとして立ち上げ直したい。そんな思いが、この企画の出発点でした。

 

生成AIきっかけにはじまった、現代ならではのプロジェクト

はじまりは、僕が本業の中で向き合ってきた生成AI時代の「情報の出会い方」の延長線上にありました。

LLMOやGEOなどとも呼ばれる、従来型の検索だけではない、生成AIを通じた新しい情報の出会い方の中で、Apriori.Artや僕らの活動が「折り紙を現代的に捉え直して、社会とつなごうとしているプロジェクト」として、今回主催のハチふるさんに届いていました。実際、主催のハチふるさんが企画を進める中、Google Geminiに加納がおすすめされたのがお声がけのきっかけでした。

ただ、お話をいただいた時点で思ったのは、せっかくならもっと面白くしたい、ということでした。

単なる展示ではなく、みんなで楽しく関われる場にしたい。 ひとつの作品だけではなく、複数の表現や人が重なるプロジェクトにしたい。 そして、100BANCHらしく、いろいろな挑戦が同時に立ち上がる大きな場にしたい。

そんな思いから、少しずつ声をかけ、仲間を巻き込み、企画の輪郭が広がっていきました。最初からすべてが明確だったわけではありません。むしろ、走りながら形にしていった部分の方が大きかったと思います。それでも、「せっかくやるなら、小さくまとめたくない。ちゃんと大きなものにしたい」という気持ちが、ずっとこのプロジェクトを動かしていました。

Apriori.Art共同創業者の生田と彼の作品「鹿」

 

どんな実験ができたのか

今回の展示で僕らがやろうとしていたのは、単なる作品展示ではありませんでした。「折り紙を起点に、どこまで社会とつながれるのか」を試す、いくつもの実験が重なった2日間だったと思っています。

折り紙を「子どもの遊び」から「大人が立ち止まって見入るアート」へひらく実験

ハチ公という誰もが知る存在を入り口にしながら、折り紙、絵画、立体、素材表現など、それぞれ違う手法を持つクリエイターが集まりました。なかでも展示の中心にあった「ハチ公3.0」は、加納が制作したベースを覆うように、無数の千羽鶴で形づくられた作品です。折り紙でつくられた鶴が、一つひとつ集まり、ハチ公という象徴的な存在の姿へと変わっていく。その構造自体が、折り紙を単なる子どもの遊びではなく、人の手と時間が積み重なるアートとして見せる試みでもありました。

ハチ公3.0のために折った鶴を台座に自分で置く様子を撮影する参加者

実際に会場では、「これも折り紙なの?」「こんな見せ方があるんだ」と驚いてくださる方が多くいました。折り紙は小さな紙を折る行為でありながら、集まることで大きな造形になり、物語を持ち、空間の中で人を立ち止まらせる存在になる。今回の展示を通じて、折り紙の見え方を少しずつ更新できた手応えがありました。

100BANCHから始まった「絵画を折る」実験のFoldingArtsブースと、アーティストSHEER

地域をつなぐ実験

ハチ公のふるさとである秋田県大館市と、いまハチ公の象徴的な居場所である渋谷。この二つの土地を、作品や体験、物語を通じて接続することができました。展示の主役となった「ハチ公3.0」を構成する千羽鶴は、秋田県大館市の子どもたち、渋谷区の子どもたち、そして展示当日に来場してくださった約2,000人のお客さんの手によって折られ、集まったものです。

つまりこの作品は、作家が一人で完結させた造形ではなく、秋田と渋谷、それぞれの地域の人々の手によって立ち上がった作品でした。ハチ公を通じてつながってきた土地の記憶や、人々の想いが、千羽鶴という形で一つのアート作品になっていく。その瞬間に、地域のつながりが目に見えるかたちになった感覚がありました。

秋田の文脈が渋谷に立ち上がり、渋谷の人の流れの中で改めてハチ公が見直される。その循環は、この企画ならではのものだったと思います。

共創の実験

Apriori.Artだけで閉じるのではなく、100BANCH内外のさまざまな表現者やプロジェクトを巻き込みながら、一つの場をつくりたいと思っていました。その意味で、「ハチ公3.0」は象徴的な作品でした。加納がベースを制作し、その上を覆う千羽鶴は、秋田県大館市の子どもたち、渋谷区の子どもたち、そして展示当日に訪れた約2,000人のお客さんによって折られたものです。

一人の作家の手だけではなく、地域の子どもたち、来場者、クリエイター、運営メンバー、それぞれの小さな参加が重なって、一つの大きな作品が生まれていきました。折り紙を中心にしながらも、違う専門性や立場が重なることで、「WE LOVE HACHI 2026 ART FES」は単なる展示というより、いろいろな視点が交差する場になっていった感覚がありました。

千羽鶴を折るという行為は、とてもシンプルです。しかし、その手が秋田と渋谷をまたぎ、来場者の体験と結びついたとき、作品はただ鑑賞されるものではなく、参加した人たち自身の記憶を含んだものになっていきます。今回の共創は、作品を一緒につくるというだけでなく、ハチ公をめぐる物語を、地域や世代を超えて受け渡していく実験でもありました。

 

大変だったこと、見えてきた課題

今回のプロジェクトは、Apriori.Artとして過去最大規模の案件でした。

ハチ公という大きなテーマを扱いながら、秋田県、大館市、渋谷区観光協会、学校関係者、会場関係者など、多くの方々との調整が同時並行で走るプロジェクトでもありました。さらに、秋田と渋谷、二つの地域の小学校の子どもたちに千羽鶴づくりで参加してもらい、数百人規模を巻き込む企画として進んでいったことも、これまでのApriori.Artにはなかった挑戦でした。

展示としても、参加型作品「ハチ公3.0」だけで完結するのではなく、ハチ公をテーマに4組のアーティストへ制作を依頼し、協業しながら会場全体を構成していきました。つまり今回は、一つの作品をつくるというより、複数の関係者と表現を束ねながら、一つの体験全体を設計していく仕事だったのだと思います。

プレイヤーが増えれば増えるほど、それぞれの視点や、表現したいこと、目指すゴールにも少しずつ違いが出てきます。今回もまさにそうで、犬の専門性を軸にする人、絵画として表現したい人、地域の物語を伝えたい人、折り紙という技法そのものを更新したい人——それぞれの「やりたいこと」をすり合わせながら一つの会場をつくっていく過程には、想像していた以上の調整が必要でした。正直、簡単な作業ではありませんでした。

それでも最終的に乗り切れたのは、「ハチ公」という大きな存在と、「WE LOVE HACHI 2026 ART FES」という企画趣旨そのものへの賛同が、関わってくれた全員の中にあったからだと思います。立場や手法が違っても、向いている方向は同じだった。それが、複数のプレイヤーを抱えるプロジェクトを最後までやり切れた一番の理由でした。

忠犬ハチ公の銅像と並ぶ「ハチ公3.0」。制作中の写真

それを可能にしてくれたのは、仲間がいたこと、そして100BANCHという拠点があったことが大きかったです。渋谷の中で、制作と実装のあいだをつないでくれる場所がある。そのありがたさを、今回ほど強く感じたことはありませんでした。

 

嬉しかった反響

大変だったからこそ、得られた反響はどれも強く心に残っています。

まず大きかったのは、秋田とのつながりが確かな手触りを持って立ち上がったことです。ハチ公のふるさとである大館市との接点が、ただの設定や情報ではなく、実際の人や物語を伴ったものとして会場に流れ込んできたことは、この企画の核だったように思います。

また、2日間で約2,000人もの来場者に触れていただけたことも、大きな成果でした。渋谷スクランブルスクエアという場所だからこそ、もともと折り紙やアートに関心がある人だけでなく、たまたま通りかかった人、買い物や食事のついでに立ち寄った人、海外から来ていた方々にも作品を見てもらうことができました。

そして何より、生の声を直接聞けたことが大きかったです。

「こんな表現があるんだ」 「もっと見たい」 「これが折り紙なのは驚いた」 「海外の友人にも見せたい」

そういう言葉をその場で受け取れたことが、僕らがこれからどこに可能性を見出していくべきかを教えてくれました。SNSの数字やオンラインの反応だけでは見えてこない、身体感覚をともなった評価に触れられたのは、本当に大きかったです。

 

参加メンバーからの声

今回の企画には、多様なバックグラウンドを持つメンバーが参加してくれました。折り紙だけでなく、絵画、立体、犬というモチーフ、地域との接点、空間の見せ方まで、いろいろな要素が重なったことで、「WE LOVE HACHI 2026 ART FES」は単なる展示ではなく、複数の感性が交差する場になりました。

ここに、それぞれのメンバーから一言いただいているので紹介します。

47 WAZA ART:「思った以上にポジティブな反応をいただきました。嬉しかったのは、手仕事の背景以前に、まずプロダクト自体を『かわいい』と思って手に取ってくれる方が多かったことです。特に、ガチャ形式で展開した『ハチポン』のストラップは人気でした。張り子でできたカラフルなハチ公のストラップをガチャの中に入れていたのですが、小さなお子さんから海外の方まで、いろいろな人が興味を持ってくれました。張り子というものを普段手に取る機会は、今の世代にも外国人の方にもあまりないと思います。でも、それをガチャで回して、鞄につけてくれる。自分たちがやりたかった『手仕事をもっと日常に溶け込ませる』ということが、少し形になったプロダクトだったと感じています」

Koromo Studio(真依):「今までは、ものを作っても直接反応を見る機会が少なかったので、“作品が人と会話している”感じが初めてだったんです」

Koromo Studio(由依):「工程も背景も知らない人たちが、どういう受け取り方をするのかを直接聞けたのは、すごく貴重でした」

会場では、Koromo Studioの作品の前で、何度も人だかりができていました。

Next1Dogs(相場葵):「フリーランスになって最初の仕事がこの2つ(ハチ公3.0とTSUTAYAでの展示)だったので、両方が犬でスタートできたというのは、すごくシンボリックでした。渋谷スクランブルスクエアという場に、犬の専門家として本気で出ていけたことが大きかったと思います」

SHEER:「本当にいろいろな方が来てくださいました。絵に興味がある方もいれば、普段はあまりアートを見ない方も多かったです。直接『こういう作品なんです』と解説できたのは、とても良かったと思っています。

ハチ公のことは知っているけれど、ハチ公の物語まではあまり知らないという方も多くて。絵を通して、その経緯や背景を伝えられたのは嬉しかったです。日本の方だけでなく、海外の方も多く来てくださいました。渋谷スクランブルスクエアという場所柄もあって、海外から来た方が作品に興味を示してくれたのも印象に残っています。普段出会わないような、いろいろな人が見てくれたことが嬉しかったです」

FoldingArts:「それぞれが違う形でこの企画に関わってくれたこと自体が、今回の大きな価値の一つだったと思います。はじまりは『折り紙の企画』だったのですが、秋田犬であるハチ公を軸に、折り紙だけでは終わらない広がりを持てたのは、こうした仲間たちがいてくれたからでした」

 

100BANCHからのサポート

今回のプロジェクトを語るうえで、100BANCHの存在は外せません。

会期中、会場である渋谷スクランブルスクエアから見えた100BANCHと、ハチ公3.0

立地の良さはもちろんですが、それ以上に大きかったのは、何かに挑戦しようとしたときに支えてくれる土壌があることでした。制作、相談、紹介、壁打ち、現場での判断。そういう一つひとつの積み重ねがあったからこそ、今回のような規模の企画を形にできたのだと思います。

特に、走りながら形にしていくプロジェクトでは、「完璧に整ってから始める」のではなく、「まずやってみる、その過程を支える」環境がとても重要です。100BANCHはまさにそのための場所でした。

オーガナイザーの則武さんをはじめ、日頃から伴走してくださる皆さんの存在があったからこそ、今回のようなチャレンジが現実の場に立ち上がったのだと思います。

 

渋谷から、秋田県大館へ——ハチ公3.0のその後

「ハチ公3.0」は、渋谷での展示で終わりませんでした。

2026年4月8日(水)には、渋谷区にて忠犬ハチ公の慰霊祭が執り行われました。渋谷区長、秋田県大館市長、渋谷駅長、渋谷区観光協会をはじめ、ハチ公ゆかりの方々が参列するなか、厳かな雰囲気の中で式典が進んでいきました。

その会場の一角に、「ハチ公3.0」も並びました。青銅のハチ公像と肩を並べるように佇む姿は、折り鶴でできた現代の像が、100年近くの時間を越えてその場に招かれたような光景でした。加納自身は参加が叶わなかった式典後の懇親会にも、「ハチ公3.0」はしっかりと場に溶け込み、参列者の方々とたくさんの会話を生んでいたようです。

加納からの一言

ここまで、企画・制作を担当した立場として振り返ってきましたが、最後に少しだけ個人的な話をさせてください。今回のプロジェクトを振り返ると、三つの大きな偶然が重なっていたように思います。

秋田県大館市との縁

実はこのプロジェクトが本格的に始まる前から、偶然にも大館に行くこと自体は決まっていました。しかも、現地のホストファミリーがハチ公や秋田犬にとても詳しく、秋田犬保存会にもつながる方々だったという、出来すぎたような偶然がありました。あとから振り返ると、この企画は始まる前から、どこかで呼ばれていたのかもしれないと思います。

渋谷・稲荷橋との縁

会場となった渋谷スクランブルスクエアと100BANCHの間には、僕がふだんよく通っている稲荷橋があります。ハチ公について勉強を進める中で知ったのですが、その場所は、ハチ公が最期、息を引き取っているのを発見された場所でもあったそうです。慰霊祭にちなんだ企画を進める中で、毎日のように通っていた道がそんな場所だったと知ったとき、なんとも言えない運命のようなものを感じました。

ハチ公の時代と100BANCHの不思議な重なり

ハチ公は1923年に生まれ、1935年に亡くなりました。およそ100年前に生きていた存在です。そして100BANCHは、パナソニック創業100年を機に構想がスタートした場所です。100年という時間のスケールを持つ二つの存在が、渋谷の中で交差し、その接点としてこの企画を行えたことに、不思議なご縁を感じています。

もちろん、偶然だけでプロジェクトはできません。たくさんの人の意思と努力と支えがあって、ようやく形になります。それでも、こういう不思議な重なりに出会うと、「やるべきことには、やっぱり流れがあるのかもしれない」と思わされます。

最終日、撤収時に100BANCHにいたメンバーで集合写真。※深夜だったため都合で来れなかった協力メンバーもたくさんいます


さらに、2026年5月8日(金)、秋田県大館市の観光交流施設「秋田犬の里」にて、忠犬ハチ公慰霊祭が執り行われました。式典ではハチ公の忠誠心をしのんで献花と黙とうが捧げられ、千羽鶴づくりに協力してくれた大館の小学校の子どもたちも参加。自分たちが折った鶴が形になった「ハチ公3.0」と、現地で再び対面する機会になりました。この様子は秋田ケーブルテレビでも取り上げられ、渋谷で始まった想いが、ふるさとである秋田にきちんと還っていく姿を見届けることができました。

慰霊祭を終えた「ハチ公3.0」は現在、大館市内の博物館「秋田犬の里」に常設展示されています。

提供:秋田ケーブルテレビ

子どもたちが折った一羽一羽の鶴が、渋谷のスクランブルスクエアという都市の中心で形になり、それが今、生まれ故郷の大館で静かに佇んでいる。秋田で生まれたハチ公の像は渋谷にあり、渋谷の100BANCHで生まれた「ハチ公3.0」は、秋田にある。秋田と渋谷が、アートという形で双方向につながっている——このプロジェクトが目指していたことの完成形が、ここにあると思っています。

今後の展望

今回の「WE LOVE HACHI 2026 ART FES」は、単発の展示で終わるものではないと考えています。

まず、都市空間や商業空間の中で、折り紙やアートがどこまで社会とつながれるのか。その可能性は、今回かなり具体的に見えてきました。今後は、今回得られた手応えをもとに、もっと大きな空間や、もっと多様な文脈の中で展開していきたいと思っています。

また、秋田とのつながりも、一度きりで終わらせたくありません。地域の文化や歴史と、現代の表現、そして都市の文脈をつなぐ実践として、今後も継続的に関わっていける形を探っていきたいです。

そして、今回得られた一番大きな手応えは、地域に根づいたストーリーを大切にしながらも、それを海外や未来へとつないでいく企画に、「折り紙」という形でしっかり関われたことでした。ハチ公という、日本国内でも特に思い入れの強い存在を扱いながら、その物語を渋谷という国際都市の文脈に置き直し、海外からの来場者にも届けられたことは、Apriori.Artが目指す「折り紙を遊びからアートへ、そして文化と産業へつなぐ」という方向性そのものでした。

Apriori.Artとしては、今後も国内の文化や地域の物語を起点にしながら、それを国際的な発信や海外展示につなげていく挑戦を重ねていきたいと思っています。展示だけでなく、作品販売、企業・地域との連携、教育的な体験、アーティスト支援まで含めて、一つひとつの企画を、次の出会いと、その先の海外への接続まで見据えながらつくっていきたいです。今回の「WE LOVE HACHI 2026 ART FES」は、そのための確かな一歩になりました。

この経験を、次の展示へ、次の出会いへ、そしてApriori.Artが目指す未来へ、ひとつずつ、ちゃんとつなげていきたいと思います。

クレジット

企画・制作:Apriori.Art(加納宏徳)
広報:山本真由美
文章:加納宏徳

 

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