• イベントレポート

100年先の未来を描く3プロジェクトが登壇 2024年12月 GARAGE Program実験報告会

100BANCHで毎月開催している、若者たちが試行錯誤を重ねながら取り組んできた“未来に向けた実験”を広くシェアするイベント「実験報告会」。

これからの100年をつくるU35の若手リーダーのプロジェクトを推進するアクセラレーションプログラム「GARAGE Program」を終えたプロジェクトによる100BANCHでの活動報告や、100BANCHでの挑戦を経て、プロジェクトを拡大・成長させた先輩プロジェクトによるナビゲータートークを実施しています。

2024年12月19日に開催した実験報告会では、生理やジェンダーの問題に向き合い、誰もがありのままの姿でわがままに生きられる社会を目指すGARAGE Program41期生「Period of 100 Athletes Project」の下山田志帆(株式会社WAGAMAMA 共同代表)をナビゲーターとし、GARAGE Programの計3プロジェクトが活動を報告しました。

本レポートではその発表内容をお伝えします。

GatherGo

お出かけ先の提案アプリ「GatherGo」を開く度、新しい冒険が始まり、最高の思い出が生まれる。

登壇者:高比良ハルカ

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/gathergo

「GatherGo」は、自分にぴったりなお出かけ先を提案するAIの開発を目指すプロジェクトです。

高比良:GatherGoは、あなたや仲間の気分を知り、ぴったりのお出かけ先を見つけ、おすすめの飲食店および体験施設をZ世代向けに提案するアプリです。イメージとしては「アソビュー!」や「食べログ」のようなサービスにパーソナライズAIをつけることで、自分にぴったりのお出かけ先を気分に合わせて見つけられるサービスです。100BANCHに応募した3ヶ月前には、デザインもちょっとダサい感じで、何に使うのかもよくわからないようなサービスでしたが、100BANCHでヒアリングを行い、そのユーザーヒアリングを元に改善を重ね、現在の姿にすることができました。しかし、私たちの挑戦はまだ始まったばかりです。私たちのビジョンは暮らしに寄り添うパーソナルAIをつくることです。ちょっとリラックスしたい気分のときには近くのサウナを提案してくれたり、週末にリフレッシュしたいときには郊外の公園を提案してくれたりするような、AIが自分の気分に合わせて情報を提案してくれ、日常の暮らしが豊かになる、そういった未来を描いています。このテーマに目をつけたきっかけは、自分たちがコロナ禍とともに大学に入学した世代だったことです。大学に入ってはじめてクラスメイトに会ったのがZoomの画面でした。テクノロジーが進化して便利になった世の中でも、家で1人で画面越しの友達と向き合っている、そういった孤独な時間を過ごしてきました。その2年間を通じて気づいたのが、人と人とが出会って過ごす時間、一緒に話したり、あるいはお出かけに行く、そういった時間の大切さや、そこで生まれる新しい出来事です。人と人とが出会って何か新しいものが生まれる、その瞬間を豊かにしたいという思いで GatherGoのプロジェクトを始めました。

「GatherGo のアプリは、2025年1月のローンチを目処に進めています。本日これから招待制のクローズドβ版を公開し、ここにいるみなさんを招待させていただきたいので、ぜひ感想など聞かせていただけたらと思います。」と高比良は話しました。

 

Museum of the future

すべての人を対象とした、記憶に残るインタラクティブな体験ができる未来の博物館をつくりたい

登壇者:Sophie-Charlotte Bolinski

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/museum-of-the-future

「Museum of the future」は、視覚障害やその他の障害を持つ人々を含むすべての人にとって、インタラクティブで記憶に残る博物館体験の実現を目指すプロジェクトです。

Sophie:日本語を勉強中なので間違えるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。私のプロジェクトは「未来の博物館」です。このプロジェクトのアイデアは博物館の展示を見たことから生まれました。博物館の展示の多くは視覚的で、触ることができません。 未来の博物館にはインタラクティブなものがあってほしいです。そうすれば、目が見えない人でもおもしろく、楽しめるものになると考えています。最初のプロトタイプは、ザトウクジラをつくりました。クジラの特定の場所に触れると音が流れます。私は自分でタッチセンサーを作り、arudinoを組み込んで実験をしました。外観は3Dプリンタで作りました。2番目のプロトタイプはマッコウクジラです。とてもおもしろい動物なので選びました。マッコウクジラは水中で垂直になって眠ります。そして、人の言語と同じくらい複雑な音を使っています。そういった事実を体感してもらうため、位置センサーを使って実験しました。プロトタイプのクジラを垂直にすると振動して音がでます。それ以外の角度では反応しないようになっています。

「今後は、ドイツの海洋博物館でプロジェクトを発表し、地元の盲人団体とワークショップを行って、たくさんフィードバックをもらおうと思います。聴いてくれて本当にありがとうございました。」とSophieは話しました。

 

SAFEID

知的障害者のファッションを改革したい

登壇者:加藤海凪

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/safeid

「SAFEID」は、知的障害者のための服をつくることで、彼らの生活の選択肢を広げることを目指すプロジェクトです。

加藤:障害があると、なぜオシャレを楽しめないのか。障害があると、なぜできることが少ないのか。私の弟は知的障害を持っているのですが、おしゃれに興味があるのに毎日お母さんが服を選んでいて、そこにとても違和感を持っていました。「どうせ汚すから」という理由でお母さんが服を選んでいたんです。それで「ヨゴレを着こなす」を掲げて、車のシートの廃材を使ったりして、オシャレなよだれかけをつくったりしてきました。100BANCHのナナナナ祭でワークショップをやったり、ポップアップのお店などもやらせてもらって、障害のある人にもない人にも同じくらいの割合で買ってもらうことができました。

障害がある人たち向けの福祉サービスやNPOは、その人たちの最低限の生活を保障する、ということをやっていますが、私は生活の中でもっと豊かになるとか楽しいことを増やしたい、という思いで活動しています。新しくはじめたチャレンジが「インターチェンジ」というイベントです。アート、音楽、マーケットを1つのライブハウスのような会場に集めたフェスを開催しました。障害のない人が参加するイベントの場合、めちゃめちゃ楽しくても、障害がある人は来ないです。また、障害のある人が参加するイベントでオシャレな感じでやっているところもあるのですが、実際に自分が行ってみると全然楽しくなくて、とても違和感がありました。それで、障害のある人も障害のない人も参加しやすくて、交われるような場をつくりたいと思って実施したのが今回のイベントです。障害のある方も障害のない方もわからない感じに混ざれてとても良かったです。ファッション、イベント、と話しましたが、やりたいのは余白を大事にしたい、ということです。「汚してもいい」のように、できないことがあっても少し待つ空気感などがもっと社会にあればいいなと思います。障害がある人たちが本当に楽しめる場所、体験、モノなど、そういうものをつくりたいです。

「今後は、障害がある人と障害がない人が交わる非日常の体験ができるようなイベントをやりつつ、日常の困り事を解決しながらもワクワクするプロダクトをつくっていきたいです。」と加藤は話しました。

 

実験報告会の各発表内容はYouTubeでもご覧いただけます。​​​​

GatherGo https://youtu.be/LfsvY8V2NMg?si=tHCavtdh3C_3lRLo

Museum of the future https://youtu.be/qXcMINzCqnw?si=vFam5Sfo9bpkLMxZ

SAFEID https://youtu.be/kARdxtbBaIU?si=gM1q6vwmfh3VosYF

次回の実験報告会は1月21日(火)に開催。ぜひご参加ください!

(撮影:鈴木 渉)

 

<次回実験報告会>

「世界のふんいきをさりげなく良くする」100BANCH実験報告会

 

【こんな方にオススメ】
・100BANCHに興味がある
・GARAGE Programに応募したい
・直接プロジェクトメンバーと話してみたい
・建築に興味がある
・まちづくりに興味がある

【概要】

日程:1/21(火)

時間:19:00 – 21:30 (開場18:45)

会場:100BANCH 3F

参加費:無料(1ドリンク付き)

参加方法:Peatixでチケットをお申し込みの上、当日100BANCHへお越しください

 

詳細はこちらをご覧ください:https://100banch.com/events/66710/

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