マンガの力で、
外国にルーツを持つ日本在住の高校生の選択肢を一万倍に増やしたい
MANBAI
マンガの力で、
外国にルーツを持つ日本在住の高校生の選択肢を一万倍に増やしたい
国内で外国にルーツを持つ子どもの数は年々増えています。しかし彼らが進路を選択するとき、進学や就職で困難が多く見られるのが現状です。「MANBAI」プロジェクトは、そういった外国にルーツを持つ高校生が幅広い進路を選択できる社会の実現を目指して活動しています。
2024年3月17日(日)には100BANCHにて、先輩の体験談を聞いて進路選択について考えるイベントを実施しました。イベントについて、MANBAIの柳下が振り返ります。
外国にルーツを持つ子どもの数は年々増えています。その中でも高校生に注目すると、高校卒業後の進路選択において、外国にルーツを持つ高校生は、全高校生の平均と比べて高等教育機関への進学率が低く、非正規雇用の就職率が高いといった困難を抱えています。こうした課題の背景には、外国にルーツを持つ中高生が進路選択のための情報を集める際に、自分と似た境遇のロールモデルの情報を集めることが難しいということがあります。そこで、MANBAIでは、外国にルーツを持つ中高生向けのロールモデルに関する情報発信を、マンガを使って行っています!
当初はMANBAIの活動のプロモーションをSNS発信でしようと考えていました。しかし、100BANCHで活動を進めていく中で、SNS発信よりも対面でのイベント開催でのプロモーションの方がよりターゲットに届くのではないか仮説を立て、今回のイベント開催に至りました。
また、MANBAIの活動の認知度を上げるだけでなく、今回のイベントを開催した背景には、「外国にルーツを持つ中高生の多くが、周りに外国にルーツを持つロールモデル存在が少なく、進路選択の際に参考にできる先輩の存在が少ない」という仮説がありました。そこで、本イベントを開催することで「MANBAIの活動の認知度を広げること」と、「外国にルーツを持つ中高生に進路についてわくわく考えてもらうこと」という二つの目的を達成したいと考えていました。
イベントには、中国から日本に来て、現在は横浜市役所で働きながら多文化共生に関する活動を行う白さんと、ブラジルから日本に来て、現在は多文化ソーシャルワーカーを目指し介護業界で働かれている宮城さんの2名をお招きしました。お二人に、今までの人生と進路選択についての講演をしていただき、その後グループに分かれてQ&Aセッションを行いました。先輩の講演を踏まえて、参加者がワークシートを使って自分の今までや将来について考え、お互いに共有する時間を取りました。
「進路選択」というまじめな内容だったので、本当に楽しんでもらえるのだろうかとイベント開始直前まで不安な気持ちがありました。しかし、実際にイベントを開催してみると、講演会では積極的に各自が質問をしてくれたり、ワークショップでは積極的に未来像をワークシートに記入してくれたりという様子が見られて嬉しかったです。イベント後に参加者向けに行ったアンケートでは、満足度は4.5/5と高く、当初の仮説の通り、「外国にルーツを持つ先輩の声を普段聞く機会が少ないので、実際に聞けて良かった」との声が多かったです。
さらに、Q&Aセッションやワークショップで参加者と登壇者との接点を増やしたことで、参加者と登壇者の対話が増えていたことも良かったです。対話が増えたおかげか、イベント開催後に参加者と登壇者で連絡先を交換している人もいました。参加者と登壇者のつながりが、イベントのみならず今後も続いていくことで、進路選択で悩んだ際に相談できる点も良いなと思いました。反省点としては、集客に苦戦したことです。今後は対面での活動範囲を広げて、もっと幅広い層に届けていきたいなと考えています!