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短期集中・同時多発の大実験!「祭り」によって未来をつくる— ナナナナ祭2023を終えて

100BANCH最大の「ハレ」の場であるナナナナ祭。未来をつくる実験区である100BANCHにとって、ナナナナ祭は未来をグッと近づけたり、現実のものとするための特別な役割を担っています。

ここでは、今年のナナナナ祭の構想時に出てきたキーワードを引っ張りつつ、ナナナナ祭全体とそのハイライトについて、100BANCH オーガナイザーの則武が振り返ります。

6回目のナナナナ祭 祭りがつくる未来

皆さんにとって、夏の終わりを感じるのはいつ頃だろうか? 100BANCHにとっては紛れもなく、ナナナナ祭が「夏」の象徴。短期集中・同時多発の大実験を終えた束の間の休息の中で、一人一人がその実験を振り返り、次なる目標を得る。そこにまた新たなエネルギーが湧き上がってくる時に、私は夏の終わりと次の季節の到来を感じたりしている。

さて、今年のナナナナ祭は5日程にわたって約40のプログラムを展開。全35プロジェクトが関わって、3500人のお客様に参加いただくお祭りを実施した。特に今年は、渋谷ストリームの主催する「SHIBUYA SLOW STREAM」とも同日開催し、街全体がお祭りムードに包まれる、アフターコロナらしい賑わいが見られたことも印象的だった。

しかし、100BANCHのお祭りは賑わいだけではない。一見、ただの縁日に見えるようなブースにも、その背景にはプロジェクトそれぞれがつくろうとする未来に向けた取り組みがあり、その未来に近づこうとする仕掛けがそこかしこに仕込まれていたりする。メンバーが執筆したイベントレポートは、そのネタあかしとも言えるもの。ナナナナ祭を体験した人もしていない方も、真剣に遊び、夢中で未来に向かおうとしているメンバーの姿勢をぜひ感じていただきたい。

▷ナナナナ祭2023を終えて——イベントレポート一覧

そして本稿では、構想時に出てきたキーワードを引っ張りつつ、ナナナナ祭2023全体とそのハイライトについて振り返っていきたいと思う。

 

身体性/心揺さぶる

ナナナナ祭の構想は、だいたい1月の終わり頃にスタートする。1年で最大の「ハレ」の舞台をどのように設計するかは、そのまま100BANCHの1年をデザインするにも等しい。4年ぶりに通常モードでお祭りができる今年、とにかく「身体性」を伴う賑わいを取り戻したいという思いが強かった。

100BANCHメンバーの持つ、ハマったら最後、簡単には抜け出せない「沼」のような世界観にどっぷり浸かれるカオスなお祭り…。そんなイメージが、今回のナナナナ祭パートナーとしてコンセプトメイクから関わってくれたKaMiNG SINGULARITYの雨宮 優によって「Future Jungle」という言葉に集約された。

Future Jungleとはなんだろう?一度、集約された言葉から、メンバー一人一人が改めてその言葉の意味を捉え直し、自分たちの提供するプログラムへと昇華させていく。そのプロセスにおいて、大阪・神山に赴いたブラッシュアップ合宿も重要な役割を果たした。

特に、実際に身体を動かし、一緒に何かを体験することで、今回のナナナナ祭で大切にしたかった「身体知」がどのようなことなのか、身をもって感じられたのではないかと思う。オンラインでは得られない五感、もしかしたら第六感にも訴えかけてくるような感覚。そんな心揺さぶる体験こそが、ナナナナ祭で目指したい体験の究極イメージとして共有されたように思う。

 

2月に実施したアイディエーション会議。この時はまだみんなマスク姿。いろんな「やってみたい!」が積み重なっていく。

大阪では松下幸之助歴史館にも訪問。

神山では田植えも行った。

眠らない/弾ける

今回のナナナナ祭で初めてのチャレンジとなったのがオールナイトイベントだ。今回が6回目となるナナナナ祭だが、毎年、なんらかの新しいチャレンジが湧き上がり、本当にやってのけてしまうのも、実に100BANCHらしい。

長引くコロナ生活で、オールナイトで遊んだことがないという若者が一定数、存在する。少し上の世代であれば経験があるだろうが、深夜のなんともいえないグダグダ感は沼のようでもあり、そんな時間だけに個々の偏愛や深い部分に触れられることもある。

オールナイトパーティー「Jungle Rave」は、「Future Jungle」を目指した今回のナナナナ祭の象徴的なイベントとなった。実際にどんなことが起こったか、そのカオスっぷりは説明が難しいので、ぜひムービーでご覧いただきたい。(そして、ムービーだけでも伝わらないと思うので、次の機会にはぜひ現場で体験いただきたい!)

凝縮する/限界突破

「ナせばナる、ナさねばナらぬ」の精神でつくりあげるナナナナ祭は、メンバーにとっても100BANCHにとっても、あらゆるチャレンジが詰め込まれているお祭り。できるかどうかはわからないけれど、「こんなことやってみたい!」という思いに対して、メンバー同士やメンターや関係先などから、いろんな手が差し伸べられている。まさに祭りのパワーだ。

今回は、当日の運営ボランティアなどでGARAGE ProgramのOB/OGもたくさん応援に来てくれた。Cricket ramenの篠原は自らのレストランANTCICADAの閉店後に100BANCHに駆けつけ、オールナイトイベントでコオロギラーメンを提供し、アイカサの丸川やteploの河野辺は、炎天下の中を運営チームの一員としてせっせとサポートしてくれた。

世間ではすっかり躍進スタートアップの顔となっているようなメンバーも、100BANCHでは創業期に入居していた頃と変わらないやんちゃな表情で、みんなとふざけあっていたりする。「未来の兆し」をテーマに実施したキーノートトークでも、新旧さまざまなメンバーが登壇して層が厚くなったことを感じるし、そこにまた世代間の交流が生まれ、新しい化学反応につながっていく。出展という形でなくても、なんらかの形で関わり続けてくれていることが嬉しい。100BANCHという場所が創業の匂いのする「ホーム」だからこそ、こんな光景が自然と生まれるのかもしれない。

 

OB/OGメンバー、歴代スタッフも応援に駆けつけた。

ナイトイベントでコオロギラーメンなどを提供してくれた篠原。

街の風景をつくる

渋谷川沿いにずらりと体験ブースが並んだ「STREET FESTIVAL」では、「SHIBUYA SLOW STREAM」と連携し、同日開催としたことで、互いの祭りが混じり合い、新しい人の流れが生まれていた。いつかナナナナ祭が地域のお祭りみたいになったらいいな──。第1回目のナナナナ祭の企画の時には、こんなことを話していたと思う。

「今度は何やってるの?」と風変わりなプログラムを訝しみつつも、毎年、必ず体験していってくれる近所のおじさん。100BANCH前で育てている苗や野菜について、「一時期、元気がなくて心配してたのよ」と気にかけてくださっている散歩途中の方など、6年という月日の中で、徐々に地域の方々との関係が培われてきた。

中でも今回、大きなポテンシャルを感じたのが「獅子舞」だ。古くから地域社会をつなぐ役割を担っていた獅子舞が、今、ここ渋谷において、どのような存在となり得るのか。100BANCHから生まれた獅子舞が100BANCH前から舞い始め、見ている人を巻き込みながらSHIBUYA SLOW STREAMまで練り歩いていく。

ナナナナ祭に来ていたパナソニックホールディングス社長の楠見さんの頭を噛んで厄除けをしたかと思えば、メンターの乙武さんには車椅子で獅子舞に入っていただき、一緒に練り歩いたり…。大人も子どもも立場も性別も関係なく、なんだか惹きつけられてしまう。そんなインクルーシブな生き物として、地域の中に存在していた。渋谷川で獅子舞が生息できる可能性は高い。それが新たな街の風景をつくるかもしれないという妄想も膨らんでいる。

4年ぶりの本格リアル開催に、「久しぶりにやってきたよ」「やっぱり来ないとダメだわ!」「リアルはいいね〜!ワクワクする!」と声を弾ませていた来場者たち。ナナナナ祭は、100BANCHメンバーのためだけの祭りではない。来てくださった方々と、一緒に遊び、一緒に未来をつくっていける仲間となれるよう、今年も渾身の力を込めてつくりあげてきた。

祭りが始まってしまうと(というより準備の時からずっと)嵐のように目まぐるしく、どこまでできているのか見失いがちになる。祭りが終わった瞬間は「こんなきついこと、もうできない!」って毎年思っている。それでも今、こうして振り返ってみると、いつか思い描いていた未来が現実のものになっていることを感じている。だから、きっとまた来年もやってしまうのだろう。未来をつくる実験区にふさわしいお祭りとは何か?まだまだ夢を見たいし、もっともっと未来を見たい。そんな思いのある人は、次の大実験はぜひご一緒しませんか?

 

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