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お金を対価にしない、物や価値のやりとりをすることができるのか ―新しい物々交換 BC FES イベントレポート―

100BANCHのGarage Programで入居する私たちBC CLUBは、「価値をお金やカードで買う時代は終わり、 “その人の価値を自分の価値と交換できる世の中”」を100年後の未来に掲げています。

今回、物々交換を通して、対等で双方向のコミュニケーションを生み出すことができるのかという問いを検証するために、イベントを開催し、当日は、10代〜40代と多世代の50名を超える方々が参加してくださいました。

イベントのテーマは、「コミュニケーション」。

イベントでは、コミュニケーションのきっかけを探るため、物を持ってきてもらう他にも、絵の展示や音楽のライブなども取り入れ、盛りだくさんな1日となりました。

当日の様子を、BC CLUB の間嶋みのりがレポートします。

物々交換から生まれる対等なコミュニケーション

イベントでは、「交換」にまつわるアイスブレイクや、1対1の物々交換、くじ引きの要素を取り入れた物々交換を行いました。

「お金を対価にしない、物や価値のやりとり」をするためには、相手にとってのその物の価値を知る必要があります。どんな思い出がつまっている物なのか、なんでその人にとっては大切なのか。持ってきた物には「紹介カード」を貼ります。

相手の価値に共感し、お互いの合意のもと物々交換を行いました。

普段、お金を使ってする「買い物」は、売る側と買う側のように違う立場が出来てしまいますが、物々交換では、「物」という全員共通のツールがあることで、職業や立場を超えた出会い、そして双方向のコミュニケーションが生まれます。

 

きっかけは「相手のことを知ること」

こちらは、はじめに行ったアイスブレイクの様子です。

知り合い同士ではなく、初対面の相手とペアを作り、コミュニケーションゲームを行いました。

名前、物々交換する物、意気込みをインタビューし合い、似顔絵を添えて相手のネームカードを作り交換しました。そして、ペアの相手のことをみんなに紹介しました。

「相手のことを少しでも知る」とそれが強みになり、物々交換でコミュニケーションが取りやすくなります。この会場の中に、自分のことを知ってくれている人が増えることで、自分も安心して話せるきっかけになります。

名前、顔、今日のこと。限られた情報しか知らない人を他人に伝える中で、「相手を大切に思うこと」がコミュニケーションに必要な要素になるのではないかと感じました。

 

偶然の物々交換

相手の価値に共感し、お互いの合意のもとで行われた物々交換ですが、くじ引き的な要素を取り入れた「偶然の物々交換」も行いました。

A,B,Cの箱の中にはそれぞれ物が入っていて、くじ引きで引いたカードに書かれた箱を開けるとその中の物がもらえます。そして、自分が持ってきた物を空いた箱の中に入れて交換が完了します。 

「欲しい!」と思っても手に入らなかったり、偶然自分の手もとにやってきた物になぜだか愛着を持っていたり、という経験は誰しもあると思います。

通常の買い物では、物がお金に変わり、お金が物に変わってきます。

それを今回のイベントでは、お金ではなく物同士がどう変わっていくのかを実験しました。

箱の中の物はどんどん入れ替わり、新たな物々交換のストーリーが生まれます。

 

相互交換「双方向のコミュニケーション」

コミュニケーションゲームや、偶然の交換、音楽や絵がきっかけで心がほぐれ、1対1の物々交換の時間では、参加者同士たくさんの人と交流している場面が会場のいたるところで見かけられました。

「自分から話したい!」という真っ直ぐな気持ちがあるけれど、「普段なら出会わないような人と何から話したらいいのだろう」といつもだったら消極的になってしまいがちな人からも「物がきっかけで仲良くなれた」という声を聞くことができました。

 

イベントを振り返り

今回のイベントは、「物という共通のツールを介することで職業や立場を超えた対等な出会いのもと、一方通行ではない双方向のコミュニケーションを作り出すことができるのではないか」という仮定のもとに実施しました。 一般的に交換はお互いの合意のもとに成り立つものであるため、私たちは今回のイベントでの「交換」の定義を「対等な立場・場所・時間を共有した人同士が行うこと」と定め、同じ条件のもとで集まった人同士が直接やりとりをする空間を作りました。

実際にイベントを行ってみて 「対等で双方向のコミュニケーションの場」を作ることが1番の目標でしたが、参加者は、その物に対する思いをカードに綴ることで大切にしていた価値観を再認識できたり、自分の趣味や制作物に他者からの評価として、物や言葉になって返ってきたりすることで、「自分に自信を持つことができた」という声も聞くことができました。 現代では、全く知らない人と安全で対等に出会うことができる場は少ないと感じられるため、どんな属性・年齢の人でも参加できる今回のようなイベントをより広めて行きたいです。 

その他、イベント当日の写真や今後についてなど、こちらからご覧いただけます。

https://www.instagram.com/bc__club

 

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