• イベントレポート

5年分の「ありがとう」を、100年先の森へ|ソマノベース5周年感謝祭「めぐる、つながる、森と人」を終えて

ソマノベース(GARAGE Program26期)は、「MODRINAE(戻り苗)」をはじめとした都市と森をつなぐ仕組みを通じて、様々な企業や個人の皆さんと一緒に森づくりに取り組んできました。そして2026年5月、会社設立5周年を迎えることができました。

5月29日(金)、「ソマノベース5周年感謝祭 めぐる、つながる、森と人 — Rooting for the Future」を開催しました。渋谷・100BANCHの3階イベントスペースに、創業期からソマノベースを支えてくださってきた約50名の方々が集結。この夜は、5年間でともに張ってきた「根」と、そこから広がる循環を、関わってくださったすべての皆さんと一緒に祝い、次の100年に向けて語り合う場となりました。

今日は感謝祭の温かな一夜の様子を、ソマノベースの河合がレポートします。

「応援(Rooting)」と「根を張ること(Rooting)」

イベントのテーマは「Rooting for the Future」。「応援する」という意味のRootingと、「根を張る」という意味のRooting、二つの言葉を重ねたこのテーマには、私たちがこの5年で皆さんと一緒に張ってきた根と、そこから広がる循環への感謝を込めました。

司会は、クリエイティブディレクターの西来路が担当。グラフィックデザイナーとしてキャリアをスタートし、2019年からソマノベースをプロジェクトとして立ち上げたメンバーです。オープニングでは、お集まりいただいた皆様へ、感謝の言葉をお伝えしました。

乾杯の音頭は、創業当初から私たちを応援し続けてくださっている株式会社中川の創業者・中川雅也さんにお願いしました。和歌山産の日本酒「紀土」や梅酒「HAMADA」、温州みかんジュース、梅ジュースなど、私たちの拠点・和歌山にちなんだドリンクで5周年の幕が開きました。

会場には、これまでの5年間を振り返る展示コーナーも。掲載いただいた雑誌やポスターを手に取りながら、参加者の皆さんが自然と立ち止まって眺めてくださっていました。

 

15歳の夏が、すべての始まりだった

乾杯に続いて行われたトークセッション「ソマノベース 5 Years Journey」では、代表の奥川が創業の原点から現在までを語りました。

奥川が15歳を迎えた2011年の夏、地元である和歌山県の那智勝浦は紀伊半島大水害に見舞われました。大好きだった景色が一変し、大切な友人を失った。「命があるだけで何でもできたのに、なぜ自分は何もしてこなかったのか」という深い無力感。それが、私たちの活動のすべての出発点です。

提供:国土交通省近畿地方整備局

奥川が高校生のときのノートには、当時の思いが残っています。「二年前、台風の被害。事前に防災を意識する事の重要性。防災意識の大切さを伝える会社をつくりたい。」18歳の頃に書かれたその言葉は、約7年後にソマノベースという形になりました。

大学卒業後はボーダレス・ジャパンに入社し、その後、株式会社中川やNPO法人土砂災害防止広報センターでの活動を経て、2021年にソマノベースを法人設立。2026年には森づくりフォーラムの理事にも就任しました。被災以降、「このため」に歩み続けた15年の軌跡でした。

 

120社、800名、6県へと広がった5年間

私たちの主力事業「MODRINAE(戻り苗)」は、都市部の人々が苗木を育て、育てた苗木を山へと戻す仕組みです。Japan Wood Design Award 2022やWood Change Awardなど、複数の賞をいただきました。

5年間で多くの方とともに取り組みをさせていただき、導入企業は120社、個人参加者は800名、地域展開は和歌山を中心に6県に及びます。

森そのものの歩みも少しずつ進んでいます。2023年に1拠点目の開拓と初めての植林を行い、2024年には下草刈りを重ね、2025年には植えた苗木が背丈まで育ちました。スクリーンに映し出される写真——霧の中での開拓、土に丁寧に植えられる苗、そして背丈を超えた緑の苗木——に、会場から自然と歓声が上がりました。私たちスタッフも、改めてこの5年の積み重ねを実感した瞬間でした。

奥川のトークの締めくくりは、「土砂災害による人的被害をゼロにする。これが私たちのミッションです。毎年平均58名が土砂災害で命を落としている現実がある。全国の市区町村の9割に土砂災害危険区域が存在する。この5年で皆さんと築いた絆という根っこがあれば、もっと遠くへ行ける」という言葉でした。

 

森と人をつなぐクイズ大会で盛り上がった交流会

後半の交流会では、参加者の皆さんに3名ひと組のチームを作っていただき、チーム対抗2択クイズ大会を行いました。「この切り株は何年生?」「スギの根はどのくらいの深さまで張る?」「土石流の速さは最大でどのくらい?」といった、森や土砂災害にまつわる知識を問う8問のクイズに、顔なじみの方も、初めて会う方も、わいわい頭を寄せ合って考えてくださいました。

正解のたびに驚きの声が上がりました。スギの根は30cm〜1m程度と意外に浅く、それゆえ大雨で表層崩壊が起きやすいこと。土石流の最大速度は時速40km以上で、気づいてから逃げることはほぼ不可能なこと。ウバメガシが和歌山の代表樹種であり、備長炭の最高級品の原料であること——。皆さんが笑いながら、でも真剣に考えてくださる姿を見て、森と土砂災害を自分ごととして感じてもらえていることに嬉しく思いました。

優勝は、ソマノベース創業時メンバーもいるこちらのチームでした!

交流会の中では、参加者の皆さん同士でも自然と会話が生まれていました。森の課題は広大で、一社・一人で解決できるものではありません。こうしてつながり、一緒に取り組む輪が広がっていくことが、私たちが目指す循環の第一歩。この場でもたくさんの繋がりが生まれていて、嬉しく思いました。

 

5年分の「ありがとう」を、次の100年へ

クロージングでは私たちメンバー全員が壇上に並び、集まってくださった皆さんへ感謝をお伝えしました。奥川から「5年間、本当にありがとうございました。この場にいてくださった皆さんお一人おひとりとの出会いと支えがなければ、前に進むことはできませんでした」という言葉とともに、これからの夢を語りました。

最後は会場全員でスクリーンを背景に集合写真を撮影。その後の懇親会まで、皆さんと森のことや未来のことをたくさん話せた夜でした。

「応援(Rooting)」と「根を張ること(Rooting)」。皆さんと一緒にこの5年で張ってきた根は、確実に土の中で広がり続けています。まずはここまでの5年間でいただいたご縁やご支援に心からの感謝を。そして、この先もどうぞよろしくお願いします。

 

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