• イベントレポート

100年先の未来を描く5プロジェクトが登壇 2023年2月 GARAGE Program実験報告会

100BANCHで毎月開催している、若者たちが試行錯誤を重ねながら取り組んできた“未来に向けた実験“を広くシェアするイベント「実験報告会」。

実験報告会では、これからの100年をつくるU35の若手リーダーのプロジェクトを推進するアクセラレーションプログラム「GARAGE Program」を終えたプロジェクトによる100BANCHでの活動報告や、100BANCHでの挑戦を経て、プロジェクトを拡大・成長させた先輩プロジェクトによるナビゲータートークを実施しています。

2023年2月22日に開催した実験報告会では、「循環」をテーマにして心地よい暮らしの実践に取り組むGARAGE Program 2期生「Food Waste Chopping Party 」の大山貴子(株式会社fog代表)をナビゲーターとし、GARAGE Programの計5プロジェクトが活動を報告しました。
本レポートでは、GARAGE Programの5プロジェクトの発表内容をお伝えします。

CREATIVE HACK

サービス業の課題をクリエイティブで解決し、 もっとワクワクする世の中にしたい!

登壇者:中安 宏嘉

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/creative-hack

「CREATIVE HACK」は、1人1人のクリエイターが活躍できる環境を作り、クリエイターの市場価値を高めることで、日本のクリエイティブの価値を高めていこうとするプロジェクトです。

中安:「サービス業の課題をクリエイティブで解決し、もっとワクワクする世の中にする」というテーマで活動してきましたが、色々とメンバーと議論する中、プロジェクト開始から2カ月くらいの段階でテーマを新しく設定し直しました。新しいテーマは「1人1人のクリエイターが活躍できる環境を作り、クリエイターの市場価値を高める」です。現在、フォロワーが1万人〜10万人のマイクロクリエイターの方たちをターゲットとしているのですが、そういった方々は兼業でSNSの活動されてることが多く、クリエイティブにかけられる時間がかなり限られています。僕たちは「クリエイターのクリエイティブ以外の活動をトータルでサポートしていく仕組み」を提供していきたいと考えています。具体的には、収益面や、法務、制作、お金まわりのサポートをできたらいいなと思って活動しています。

「3カ月という活動期間はかなり短かったのでGARAGE Programの期間を3カ月延長しました。次のステップとしては、実際にクリエイターの方や広告営業の方へのヒアリングを進め、サービス設計をやっていきたいと思います」と中安は話しました。

 

Landaisle

「議論」を再設計。 新しい言論のプラットフォームの発明で、社会に新しい議論文化を

登壇者:中村 賢汰

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/landaisle

「Landaisle」は、現代社会に最適化された議論形式の発明・システム設計によって新たな言論のためのオンラインプラットフォームを創出し、大衆の言論をあるべき形へ導こうというプロジェクトです。

中村:100BANCHでの3カ月間では、かんたんな形で議論を可視化できるように、Twitterや2ちゃんねるに類似した、ウェブ上における議論のプラットフォームのプロトタイプを開発してきました。いろいろなユーザーの立論が見られたり、自分の立論を投稿したり、返信したりできるようになっています。そのプロトタイプを実際に使っていただいて、オンラインの議論がどういう形でできあがっていくのか、自分が発信する際に何を見てどういうものにリアクションしているのかを可視化して実験するために開発をしてきました。しかし開発に時間がかかりすぎて、大々的に使ってもらい実験することができませんでした。そのような中でも、議論のモチベーションをどうしたらよいのか、という課題が見えてきました。誰かを貶めてやろうという攻撃性がある場合は議論が白熱するけれども、そのモチベーションを利用すると議論はうまくいかないし、逆に人と仲良くしようというモチベーションを利用すると、コミュニティが閉鎖的になってしまいます。現在、この課題をメンターの乙武洋匡さんにご意見を頂きながら解決しようとしています。

「まだなかなか人に使ってもらえていなくて進捗が生み出せなかったので、僕たちも3カ月期間を延長してチャレンジしていきます」と中村は話しました。

 

NO WAVE SHAREROASTER

ひとつの正解ではなく、NO WAVEなコーヒーを。みんなと。

登壇者:奥田 達貴

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/no-wave-shareroaster

「NO WAVE SHAREROASTER」は、流行や巧拙ではなく自己表現ができる場としてのコーヒーの焙煎体験を「シェアロースター」によって誰もが気軽に楽しめる場所をつくるプロジェクトです。

奥田:昨年9月にクラウドファンディングを行い130万円を集め、そのお金でコーヒーロースター(焙煎機)を購入し、それをみんなでシェアするサービスを立ち上げました。開業は今年1月からでしたが、クラウドファンディングの影響もあって、昨年10月くらいからお問い合わせを頂いたりする状況で、12月のプレオープンで初めてお客さんが来てくれました。1月に正式開業すると、お問い合わせが入ってきた結果、昨年12月は2名、1月は1名、2月は7名の方に利用いただき、10名と設定していた目標を達成することができました。 ほとんどの利用者がネットの検索経由で、知り合いじゃないところからいらしてくれたのがすごくうれしかったポイントです。 

「コーヒーの流通を増やすことで、世界はもっと良くなると僕は本気で信じています。これまでファーストウェーブ、セカンドウェーブ、サードウェーブとコーヒーの流行があるのですが、そうではなくて、自分の好きなように NO WAVEなコーヒーをみんなで作ってほしいなとこのプロジェクトをはじめました。興味がある方は、ぜひ来てください」と奥田は話しました。

 

MINORU: Scrape the Sky Reading Project

オリジナルミュージカルの市場価値を高めたい

登壇者:明石 もも

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/minoru

「MINORU: Scrape the Sky Reading Project」は、世界貿易センターを設計した建築家の生涯を描いたミュージカル「MINORU: Scrape the Sky」の制作を行い、その過程を公開することで、オリジナルミュージカルの市場規模を広げていこうとするプロジェクトです。

明石:100BANCHではオリジナルミュージカルの市場規模を広げようと活動してきました。オリジナルミュージカルとは、ブロードウェイ作品の翻訳やアニメ原作をミュージカルにしたものではなく、原作なしでゼロから作られたミュージカルで、私たちはそれを観てくれる人を増やしたいと思っています。現状、オリジナルミュージカルはメジャーではありませんが、デートの候補として映画や遊園地と並ぶくらいに認知されるようにしたいです。そのためにまず、オリジナルミュージカルを気軽に楽しめる場作りが必要と考え、日本で公演を行った場合、どんな人が来て、どんなことが起こるんだろうかという実験をしました。私が作ったオリジナルミュージカルを発表するイベントで、ふらっと立ち寄れるアクセスの良い場所で、低価格で、クリエイターとの共感性が感じられる「一般的なミュージカル”じゃない”」感を出すことを大事にしました。演出家、役者を雇って4日間のリハーサルの後、最終日に発表を行ったのですが、最終日にお客さんと一緒に作品を観て、意見を出し合って一緒に作っていく制作ワークショップのような発表になりました。想定よりも多くの方が参加してくださり「オリジナルミュージカル」を広げたいと思っている方が日本にもたくさんいると気づけたのがよかったです。しかし、発表時間が2時間半と長すぎて参加の敷居が上がってしまったため、やり方には少し工夫が必要だという課題も見えてきました。

「今後は、10分ぐらいのミュージカルを数本観られたり、ブースで過去の作品やまだ形になってない楽曲のデモや脚本を読めたりする、フェスのような形式でミュージカルの見本市のようなものができたらいいなと考えています」と明石は話しました。

 

WARUMONO PROD

悪者キャラが永遠に輝く世界を目指して

登壇者:吉田 南翔

プロジェクト詳細: https://100banch.com/projects/warumono-prod

「WARUMONO PROD」は、互いに空気を読んで役を演じることで疲れたり病気になったりする現状の世界に対し、悪者キャラが永遠に輝ける世界をつくっていくことで、誰かから求められるあなたではなく、本当のあなたを引きだし、世界を変えていこうとするプロジェクトです。

吉田:私たちは6カ月間、100BANCHで活動してきました。後半の3カ月では、テストイベントを実施し、また東京都が主催する「TOKYO STARTUP GATEWAY」のファイナリストにも選んでいただきました。テストイベントはここ100BANCH3階で行ったのですが、5名の方に仮面を被ったワークショップに参加して頂くことができました。「仮面を被ることでこんなに話せるようになるんだ」「初対面でもこんなに話せるようになるんだ」というフィードバックを頂き、こういうコミュニティをつくれたことがすごく良かったと思っています。仮想空間ではないのですが、リアル上のメタバース空間のようなものを作ることが成功したかなとも思っております。一方、反省点としては、ワークショップという形式よりも食事を楽しみながらできるバーイベントのような形式のほうが良かったと感じています。また、イベントでは参加者のお客様にルールを決めてもらっていたのですが、私たちがあらかじめルールを設定しておいた方がイベントが円滑に進むということも分かりました。

「この半年間は、自分自身がすごく成長できたと思っています。それまでは、うつ病になって何もできていなかったのですが、この半年間は100BANCHでの活動を通じて、自分1人でいろいろとできるようになり、成長をすごく実感しています。本当にありがとうございました」と吉田は話しました。

 

実験報告会の各発表内容はYouTubeでもご覧いただけます。

CREATIVE HACK https://youtu.be/_UluQrtFpAk

Landaisle https://youtu.be/X2rk_tWPsnE

NO WAVE SHAREROASTER https://youtu.be/RWyqhXJ6AAE

MINORU: Scrape the Sky Reading Project https://youtu.be/bxOYWR6mS8I

WARUMONO PROD https://youtu.be/avhLu_WmnEg

報告ピッチ後は「NO WAVE SHAREROASTER」の奥田さんが自ら焙煎したコーヒーを淹れる場面も。美味しいコーヒーを味わいながら、各プロジェクトの登壇者とイベント参加者が輪になり、質疑応答や意見交換、今後のビジョンなどを語り合いました。

 

次回の実験報告会は3月23日(木)に開催。ぜひご参加ください!

※登壇・集合写真の撮影時のみマスクを外しています

(撮影:鈴木渉)

<次回実験報告会>

「異(ことなる)を楽しみ、言語の壁を超える」100BANCH実験報告会

【こんな方にオススメ】
・100BANCHや発表プロジェクトに興味のある方
・Garage Programへの応募を検討されている方

【概要】

日程:3/23(木)

時間:19:00 – 21:30 (開場18:30)

会場:100BANCH

参加費:無料(1ドリンク付き)

参加方法:Peatixでチケットをお申し込みの上、当日100BANCHへお越しください

詳細はこちらをご覧ください:https://100banch.com/events/44596/

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