「研究×情緒」で大衆的な科学コミュニケーションをつくりたい。
Academimic(旧:Sci-Cology)
「研究×情緒」で大衆的な科学コミュニケーションをつくりたい。
研究とポップカルチャーの融合を掲げる「Academimic」は、2024年2月15日に画家・真田将太朗氏の卒業論文をもとにしたライブペインティング&トークイベント“Appendix”を100BANCHにて開催しました。当日の様子を、Academimic浅井が振り返ります。
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昨今あらゆる分野で盛り上がりを見せる生成AI。生成AIというと情報系の研究者やエンジニア界隈、またビジネスの部分で語られることが多く、生成AIが生み出すものに対して創造的価値を議論することはほとんどありませんでした。画家の真田将太朗氏は「人工知能は、自ら絵を描きはじめるか?」という疑問から、AIと創造性に関する卒業研究をVisionary Labと共に着手。Academimicは卒業論文におさまらなかった臨場感を共有する“Appendix (付録)” と位置付ける公演を企画。 生成AIが登場した現代における人の創造性について思いをめぐらすイベントに仕立てました。
ライブペインティングでは真田氏の作品を百数十点学習したAIと真田氏が一つの作品を制作する過程をリアルタイムで披露。一筆入れ、そこからAIがプロジェクションマッピングを介して投影。その作品から真田氏が次の一筆を入れ完成させていきます。生成AIから出力される作品を見て熟考する真田氏の姿がとても印象的でした。
右が真田氏による描画、左がAIによる出力。
トークイベントではAI時代の創造性をテーマに有識者を招いて次世代の創造性をディスカッション。ペンシルバニア州立大学准教授の心理学者・林裕介さんと、Visionary LabのAIエンジニア森達也さんを交えて創造性について議論。進化論的なアプローチや、エンジニアの視点から創造性など終始白熱した議論が行われました。
当日の会場は約65名の超満員。真田氏の取り組みや生成AIがもたらす影響など、その注目度の高さを窺い知る結果となりました。また今回、Academimicとしても卒業論文をイベントにするという新しい取り組みをすることができました。事実を淡々と記述する論文を、実演やディスカッションイベントにすることで多くの人がその研究に没入できる、新たなエンタメコンテンツとしての可能性を感じ、日の目を見ることがあまりない卒業論文も様々な方向で展開していけたらと考えています。
真田氏とAIの共創作品