• イベントレポート

100年先の未来を描く4プロジェクトが登壇 2023年12月 GARAGE Program実験報告会

100BANCHで毎月開催している、若者たちが試行錯誤を重ねながら取り組んできた“未来に向けた実験”を広くシェアするイベント「実験報告会」。

これからの100年をつくるU35の若手リーダーのプロジェクトを推進するアクセラレーションプログラム「GARAGE Program」を終えたプロジェクトによる100BANCHでの活動報告や、100BANCHでの挑戦を経て、プロジェクトを拡大・成長させた先輩プロジェクトによるナビゲータートークを実施しています。

2023年12月21日に開催した実験報告会では、ストローを起点にして、今まで当たり前に感じていた消費を見つめ直すきっかけづくりに取り組むGARAGE Program 29期生「strawmaestro」の野村優妃をナビゲーターとし、GARAGE Programの計4プロジェクトが活動を報告しました。

本レポートでは、GARAGE Programの4プロジェクトの発表内容をお伝えします。

ISSA KITCHEN TOKYO

バリアフリーな食によって、誰もが食を楽しめる世界をつくる!

登壇者:加納颯人

プロジェクト詳細: https://100banch.com/projects/issa-kitchen

「ISSA KITCHEN TOKYO」は、食物アレルギーに対応したお菓子ブランドをつくり、普及させていくことで、食物アレルギーがある人もない人も誰もが食を共有し楽しめる世界の実現を目指すプロジェクトです。

加納:このプロジェクトは、私の弟が重度の食物アレルギーを持っていたことがきっかけとなり、はじめました。家族との外食が難しかったり、友達と同じお菓子を食べられなかったりして、みんなと一緒に同じものを食べたい、と弟はよく言ってました。アレルギー対応のお菓子は、小麦、卵、乳などが使えないため、なかなかおいしくつくることが難しかったり、アレルギーを持つ人のためだけのものになってしまったりという課題がありました。そこで私たちは、おいしくておしゃれで、思わず食べたくなるお菓子が、実はアレルギーを持つ人でも食べられるものだった、そんなお菓子ブランドをつくりたいと思い「ISSA KITCHEN TOKYO」を起ち上げました。コンセプトは「究極のバリアフリー」で、特定原材料等28品目を使わないレシピで製造し、プラントベース、グルテンフリーにも対応しています。ラインナップは米粉を主原料としたブールドネージュで10種類の味を展開しています。直近の取り組みとしては、ホテルのウェルカムスイーツとして展開をはじめたり、新たに製菓コンクール世界一位のパティシエの方にも参画いただいたりしました。DESIGNART at 100BANCH でもスイーツとして採用していただきました。100BANCHでは新商品の開発も行ってきました。これまでアレルギー対応でおいしい洋菓子は少なかったのですが、新しくフィナンシェを5種類開発し、今後のラインナップに登場予定です。さらにJ AGRI(旧:農業WEEK)という展示会に出展し、地域農産物の消費拡大にも私たちの商品を通して貢献できないかと農家のみなさまとお話してきました。

「今後は、企業のみなさまが手土産に利用できるコーポレートスイーツの展開や、アレルギーや食に関する研究も頑張りたいなと思っています。病気や信条に関わらず、誰もが食体験を楽しめる世界を、みなさんと一緒に実現していきたいです。」と加納は話しました。

 

Rendery

AIで誰もがデザインを創造、そして共有できる世界をつくる

登壇者:加藤利基

プロジェクト詳細: https://100banch.com/projects/rendery

「Rendery」は空間デザインにAIを活用し、ステークホルダー間のコミュニケーションギャップを埋めることで「建築の民主化」を目指すプロジェクトです。

加藤:私たちは、「空間デザインにおいてステークホルダー間のディスコミュニケーションが起きてしまっているのでは?」と考えています。例えば、リフォーム、リノベーションなどでも、デザイナーと顧客が直接関わらず、間に営業や企画の非デザイナーの方がいる場合が非常に多いです。すると、直接コミュニケーションをとるのは非デザイナー同士になるため、やりたいデザインが不透明になってしまうおそれがあります。また、過去の施工写真を元にコミュニケーションが行われるため、実際の空間でどうなるのかというところにまで落とし込めないおそれもあります。CGでイメージパースを作るのにもすごく時間とコストがかかります。こういったデザインをすべての事業者がリアルタイムに提案できれば、コストを下げつつ顧客が満足いくデザインをスピーディに提供できるのではないかなと考えて作っているのが Renderyというサービスです。Rendery に内装写真やスケッチをアップロードし、コンセプトや希望の雰囲気などを入力するとイメージがアウトプットされます。全体的なイメージも部分的なイメージも変更することが容易です。素材メーカーから直接提供いただいたデータを使い、実際の素材で表現することができたり、より顧客のニーズに合った空間を表現したりということが可能です。また、内装だけでなく、エリア開発や街づくりにも対応しており、高度なCG技術が不要なので、これまでパースの制作にかかっていた費用も削減でき、非デザイナーでも扱えるサービスになっています。この秋から冬にかけて実証実験を始めており、ディスプレイの会社、デベロッパー、ゼネコン、設計事務所などいろいろな会社で使っていただき、共同研究のようなことをさせていただいています。12月頭までに空間建築だけで3,500枚のイメージが生成されました。どんどんデータがたまっていくにつれアップデートされ、より質の高いものをアウトプットすることができるようになっています。サービスのリリースは2月を予定しており順調に準備を進めています。

「これまでの空間デザインは一方通行でした。今後、誰もがデザインを創造して共有できる世界にしていきたいなと考えています。」と加藤は話しました。

 

PubGraff DAO

グラフィティアートの社会的受容を拡大する

登壇者:渡辺琳

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/pubgraff-dao

「PubGraff DAO」は、グラフィティアートの社会的受容性の向上をミッションに掲げ、新しい「プレイヤー」・「空間」・「市場」の創出を目指すプロジェクトです。

渡辺:グラフィティアートは、芸術性の高いアートとして評価される一方、単なる落書きであり、破壊活動として排除されることもあります。 

私たちは分散型自立組織やWeb3技術の活用によって、グラフィティアートの写真や位置情報といったデータを収集し、グラフィティアートの公共性を持続的に保つ活動を行っています。そこで私たちが開発したのが、Instagramのようにグラフィティアートを撮影、投稿することができるSNSアプリ「PubGraff Hunt」です。単にグラフィティアートの写真を投稿できるだけではなく、GPSから取得した位置情報をマッピングしたり、外部のSNSに共有したりすることができます。使い方はとても簡単で、アプリを開いて写真を撮影し、詳細を入力すると投稿できます。その投稿からXに共有すると、報酬として「TIPWAVE」というプラットフォームにグラフトークンというポイント・通貨のようなものが自動で振り込まれます。 この「TIPWAVE」は、XやDiscordのアカウントと連携可能なブロックチェーン上のウォレットサービスです。マーケットプレイス機能もあり、グラフトークンを使って「PubGraff NFT」を購入することができます。このNFTは、コミュニティで収集したグラフィティアートの写真を機械学習させて生成したAIアート画像を元に作成されており、学習させる写真の枚数が増えれば増えるほど繊細で綺麗な画像が生成されるため、アプリのアクティブユーザー数に比例してアートとしての価値が高まるような設計思想になっています。また、収集されたデータは単にアートとして楽しむだけでなく、ビッグデータを分析することで、清掃活動、都市計画、犯罪予測といった様々な社会貢献を行うことが可能です。

「今回、『TIPWAVE』 を提供するNextmerge株式会社様から無償で支援をいただいて『PubGraff Hunt』のエコシステムを構築することができました。近日中に正式リリースを行うので、ぜひチェックしてみてください。」と渡辺は話しました。

 

# We are Koupuro

「校外」というサードプレイスを新天地として、ここ渋谷に共創しよう。

登壇者:佐野陽菜

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/we-are-koupuro

「 # We are Koupuro」は、中高生の校外活動に必要とされる校外活動のオフラインの拠点をニューカルチャーが集まる渋谷に展開することで、中高生の校外活動の情報/機会の格差是正を目指すプロジェクトです。

佐野:私たちは2017年から中高生メディア「校外プログラム大全」を中高生のみで運営してきました。中高生をアイデンティティとして世代交代を行いながら運営して6年になります。サマースクールの参加者の方に聞いた実際の生の声や校外活動の月別イベントカレンダー、プログラム記事など多岐にわたり、これまでに1,000本以上の記事が掲載されているすごく大きな情報のプラットフォームを確立しました。100BANCHではこの「校プロ」が、中高生による中高生のための学びの場作りをしたら、中高生の成長と自己実現の場を創出できるのではないか、という仮説を掲げて活動を行ってきました。7月に主催イベントを企画しましたが、色々な事情が重なり頓挫してしまいました。8月は認知拡大を目指してイベント登壇やメディア出演、実際に中高生と話して「校プロ」としてどういったことが提供できるのか、みたいなところを模索した1ヶ月となりました。それを経て、9〜10月にかけて準備をし、10月8日にイベントを100BANCHで開催できました。「中高生が『学校外』で活躍するには?」というテーマで運営メンバーと参加者がカジュアルにゆるく語り合うイベントです。結果、参加者からは、「同世代の人と話すきっかけになって面白かった」、「これまでの活動の中で1番話がはずんだ」など、満足度の高い評価をいただき励みになりました。一方、今回のイベントでは、すでにやりたいことを見つけた上で自走を始めている層が多く参加してくださったこともわかりました。その方たちには「校プロ」として提供できることに限界があるため、今後は、やりたいことはあるが何をしたらいいかわからない層に、どうやったらイベント、価値を届けられるかを模索していきたいです。

「現在は学生団体で社会的信用がないため、今後はNPO法人化を目指して活動していくつもりです。また、広島県教育委員会さんとイベントの開催を連携中で、地方の学生にも校外の魅力を伝えていきたいなと考えています。」と佐野は話しました。

 

実験報告会の各発表内容はYouTubeでもご覧いただけます。​​

ISSA KITCHEN TOKYO https://youtu.be/ZVrBZJ6gdbU?si=PxY64IdrRujjJkJR

Rendery https://youtu.be/pLCUEA1Yflc?si=I17BgStDuwa81t9F

PubGraff DAO https://youtu.be/2GTZxZh58dI?si=IznXg5qepYcJCbtC

# We are Koupuro https://youtu.be/3_Wlol_zNaw?si=tcU4D7VBf_oH1MsV

次回の実験報告会は1月23日(火)に開催。ぜひご参加ください!

 

(撮影:鈴木 渉)

 

<次回実験報告会>

「Z世代の視点で、落語文化を未来へつなぐ」100BANCH実験報告会

【こんな方にオススメ】
・100BANCHや発表プロジェクトに興味のある方
・GARAGE Programへの応募を検討されている方

【概要】

日程:1/23(火)

時間:19:00 – 21:30 (開場18:45)

会場:100BANCH 3F

参加費:無料(1ドリンク付き)

参加方法:Peatixでチケットをお申し込みの上、当日100BANCHへお越しください

詳細はこちらをご覧ください:https://100banch.com/events/55627/

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