Trash Lens
かざして探そう! モノの新たなスタートライン
モノを手放そうとしている人が、そのモノをスマホで撮影するだけで処分・活用方法を提示するアプリを提供している「Trash Lens」。処分や活用法を調べるハードルを下げ、より良いモノのスタートラインを目指しているプロジェクトです。
Trash Lensによってゴミ箱も展示ブースの一つとなった、ナナナナ祭2023。「ちょっと未来のゴミ箱」を体験してもらった当日の様子をTrash Lens山本がレポートします。
私たちは普段、手放されるモノをパッと撮るだけで価値を最大化させるプロダクトを作っています。その技術を活かして、ナナナナ祭の二日間、ちょっと未来なゴミ箱を置いてみました。
普通のゴミ箱のように、燃える・燃えないみたいなゴミの種類を分けるためのゴミ箱ではありません。ゴミ箱の口一つ一つは、手放されるモノの新たな未来への入り口となるちょっと未来なゴミ箱を置きました。どのゴミ箱に物を手放せるのかは、Trash Lensがサッと案内してくれます。
私たちが普段何気なく手放している物にも本当は想像している以上の価値がある!そんな価値をみんなに知ってもらい、価値を与えることは楽しいと感じてもらえるよう企画しました。
「ゴミ」を扱うプロジェクトが一体どのようにお祭りに加わるのか。長い間頭を悩ませました。ゴミ箱に生命を宿してみようとか、ベルトコンベアをつけて自動で分別するようにしようとか、ゲーム要素を取り入れてみようとかめちゃくちゃ迷走しまくっていました。
ボツ案のスケッチ
ただそうして迷走をする中で「あれ、これって本来やりたいことではないよな」と考えることが、プロジェクト自体何を目指しているのか解像度を上げる良い機会ともなりました。
ナナナナ祭の初週は、あまりにもゴミ箱がゴミ箱すぎて、そこがブースであると認識してくれる人はかなり少数でした。これはイカンと二週目に「ここもブースでス↓」と張り紙をしました。
張り紙のお陰でブースと認識してくれる人は増えましたが、正直来場者の半数以下だったかなと思っています。
そんなブースを見つけて立ち寄っていただいた方からは、「スマホで撮ると捨て方が見えて面白い」「ゴミの未来が見えて、考え方が変わる」と言っていただけました。一方で、お話をする中で日常生活においてモノに価値を与えることを考えられるような材料が少なかったかなーとも思いました。
そして展示をする中で意外だったのが、幼稚園児の食いつきが良かったことです。まだゴミ分別という概念を知らないような子供が、タブレットでモノかざしてどのように生まれ変わるのか興味津々に見てくれた。「あれはどう?これはどう?」とお母さんが困ってしまうほど食いついてくれたのが、嬉しかったです。
来場者の方々とTrash Lensについてあれこれ議論をしていましたが、その中で特に印象に残った言葉がありました。「Trash Lensを使うことで、モノを捨てる人が罪悪感をなくすために免罪符のような形でTrash Lensを使ってしまうことにならないか」ということです。今でもそれに対する明確な解は持っておらず、とても考えさせられる意見でした。
Trash Lensプロジェクトでは今回のナナナナ祭を通して得た知見を活かしながら、今後もより多くの手放されるモノの価値を最大化するべく活動を続けます。ぜひ手放されるモノの価値を最大化させるよう奮闘されている皆様と、より良い未来を築くために意見交換させていただけると嬉しいです!