世界で一番おいしくて、あったかい街として
世界に誇れる渋谷をつくる
- イベントレポート
恵比寿のまちづくりを、商業施設・地域サービス・個人飲食店と考えるパネルディスカッション「おいしくて、あった会議vol.1」
飲食店を中心としたまちづくりコミュニティを運営する「おいしくて、あったかい」が、渋谷区恵比寿に新しい「つながり」を生み出す活動を応援するプロジェクト「good for Ebisu」にて、採択いただきました。
私たちは、2022年11月13日にアトレ恵比寿フォンテーヌ広場にて、恵比寿を代表する商業施設の方々をゲストスピーカーにお招きし、恵比寿を「まちづくり」という切り口から考えるパネルディスカッション形式のトークイベントを開催いたしました。
今回はそこで伺ったお話をご紹介していくとともに、今後の私たちの展望についても考えていきたいと思います。
<ゲストのご紹介> ・サッポロ不動産開発株式会社 岩本さん ・アトレ株式会社 小暮さん ・shibuya good pass 大家さん ・チーズバーimantokoro 今村さん |
Q1:コロナ禍以降恵比寿の街に来る人に変化はあったの?
コロナの蔓延でリモートワークや遠隔授業と生活の大きな変化がありましたが、恵比寿の「人」の変化はどうなったのでしょうか??
この質問に対し、ゲストの方々は口裏を合わせたように「地元のお客様のありがたさを改めて感じた」というご意見で一致。「人々の生活が激変する中で、街に遊びに来るお客さんが減少していく中、最後にこの街を支えていたのは地元の方だったのだと改めて感じ、もっと地元との方たちとの繋がりを大切にしようと思った。」
またコロナ禍に恵比寿ガーデンプレイス内に新しい商業施設である「センタープラザ」をオープンさせた岩本さんは「ターゲット層としてのPLAY(遊ぶ)は来街者のお客様ではなく、恵比寿に住んでいる人たちの目線を想定したコンセプトです」とも仰っていました。
実際に地元の方たちは「地元の人と繋がりたい」と感じているというご意見も恵比寿拠点でイベントを開催されている大家さんは地元の方からお聞きしており、「コロナで人同士の交流の場が少なくなっただけでなく、渋谷という街は人の流動性が激しく、繋がりを元々作りにくい街であるがゆえにそういった悩みを抱えた方は多いのではないか」とも仰っていました。
Q2:地元の人やお客さんとの繋がりを作る取り組みはある?
地元の方々が街にとって「大きな存在である」という見解でお互いに認識が合ったところで投げかけた次の質問は「そんな地元に住む方たちを繋げるような取り組みはあるのか」。最初の質問で地元の方たちが住民同士での繋がりを求めているとわかったゲストの方たちは、実際恵比寿を開発する立場として、どんな働きかけをしているのかについてお伺いしました。
アトレの小暮さんは「アトレ恵比寿を自分ごとに感じてほしいので、25周年プロモーションの際は、
アトレ恵比寿や恵比寿の街の好きなところ、アトレ恵比寿や恵比寿の街での思い出エピソード
これからのアトレ恵比寿に期待することなどのメッセージチップを投稿していただく
「メッセージドロップス企画」を実施しました。」と言及。
またサッポロの岩本さんは「参加型イベントの参加者をもともと社内で企画していたが、公的に募集したらすぐ予約が埋まった」とも仰っていました。
こういった交流の場が欲しいというニーズを理解し、機会として提供したことで、想像以上の盛り上がりを見せ、「改めてそういった場を企画し用意するのも私たちの役目だと気づいた」と二人とも仰っていました。
また交流する場にも様々な形態があり、例えば子供が楽しめるようなイベントの開催によって子供たちが喜ぶだけでなく、親同士のつながりが生まれるような場が欲しいといったご意見や、地産地消の出来る場があることでそこでの人との絆が生れるだけでなく、「地元愛」も育まれるのではないかといったコメントもありました。
Q3:SDGs関連で取り組んでいることはある?
更なる質問として、今世間でも注目を集める「SDGs」関連での取り組みは具体的にしているのかについてお聞きしたところ、それぞれのゲストの方ならではの回答が返ってきました。例えばゴミの分別を細かく設定していたり、実際に飲食店を経営されている今村さんは仕入れ先の選別から意識をしており、「梱包資材からSDGsの取り組みをしているところから取り寄せ」されているそう。また小暮さんは、飲食店のフードロスをなくすために「閉店後に売れ残りをショップスタッフに販売する取り組みをしたりしているアトレの店舗もあったり、また、館の閉店時間まで営業するために少ない商品で営業するくらいなら、おいしい状態の商品が売り切れ次第営業終了!などといった「売り切り閉店制度」を導入しても、個人的には今の時代に即していると考えています」とおっしゃっていました。そしてそういったみんなで考えていかなければならないSDGSをみんなで取り組むことで新たな「つながり」も生れるのではないかというお話も大家さんからあり、SDGSの新たな可能性を見つけることが出来ました。
Q4:飲食店のテナントさんの困りごとはある?どう改善してる?
最後の質問は私たちのプロジェクトの鍵である飲食店のテナントさんが抱える悩みごととその解決事例をお聞きすると、「時間帯ごとでお客さんの数にバラつきがある」や「人材の募集に苦労している」という悩み事があるとコメントしたのち、その解決事例として「働く人の意見を聞くマネージャーの存在を設け、そこでしっかり意見を聞く」といった対策や「学生向けの特集企画を組んでアルバイト募集のプロモーション」をしているという改善策を教えて頂きました。
「おいしくて、あったかい」の今後の展望
私たちはこのイベントを通し、これから挑戦していきたい「人との繋がり」を重視した街づくりについての知見を得ることが出来たと思っています。今後はこの繋がりを生かして「まちづくり」について、自分たちに出来ることを再試行し、実践していくとともに今後も「おいしくて、あった会議」を定期開催し、街づくりに取り組む企業・団体の輪を拡大していきたいと考えています。またそこでは渋谷のまちづくりに関わる人、あるいは潜在的に街づくりと親和性のある企業・団体・個人を招待し、「あったかい渋谷」を作っていけたらと思います。
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MAGAZINE - 恵比寿のまちづくりを、商業施設・地域サービス・個人飲食店と考えるパネルディスカッション「おいしくて、あった会議vol.1」