Physics As Art
「数式」をアートし、数式だけの美術館を作る!
「幸せのスナップショット」は、その時どう感じたか?という「あなたの感情・その揺らぎ」の可視化(現像)を試みるプロジェクトです。どんな出来事があったのかという事実ではなく、「その時何を感じたか?」という感情を思い出にできたらいいなと思い、はじめました。
<当日の展示の様子>
ナナナナ祭では、以下のような体験フローで感情の可視化を試みました。
(1)体験者のなかにある嬉しい気持ち・幸せな気持ち、その出来事を思い浮かべてもらう
※「今日いつもより早く起きれた」など日常のありふれた出来事で可
(2)その出来事が自分にとってどれほど嬉しいことかを10段階で評価してもらう
(3)その嬉しい・幸せな気持ちになった出来事をマイクに向かって喋ってもらう
(4)リアルタイムでジェネラティブアートが生成される
(5)今日の出来事、話した内容、未来の自分に向けてのメッセージをデジタルページ(Google form)に記録してもらう
(6)ジェネラティブアートをチェキにプリントし持ち帰ってもらう
ナナナナ祭の10日間で、およそ400枚の感情が可視化され、そのうち100枚ほどがチェキプリントされました。たまたま訪れた海外観光客や親子連れ、仕事帰りの会社員など多くの方に体験いただくことができました。
<仕掛け>
この展示では数式の視点で物事を観察し、アートとして表現する取り組みの一端を感じてもらう狙いがありました。従って、「色」と「筆の軌跡」「色の混ざり具合」に対応する変数を決定し、参加者の幸せ評価と声紋情報からジェネラティブアートを生成するメカニズムを設計しました。
上記のメカニズムにより、可視化された感情アートは唯一無二なものに仕上がります。思い浮かべた幸せ・嬉しい出来事や日時情報が異なれば、たとえ同じ人でも全く異なるアートが生成されるのです。
親子連れで体験頂いた方に「幸せ・嬉しい出来事はありますか?」と問いかけた時、「息子が生まれてきたこと。あの時の気持ちを今でも忘れないし、忘れたくない」と話してくださいました。その出来事をマイクに喋ってくださり、最後に「生まれてきてくれてありがとう」と付け加えました。目の前で展開されるアートを見ながら親子でキャッキャと喜び、チェキプリントを大切に持ち帰ってくださった姿が脳裏に焼き付いています。息子さんが生まれた喜びとその感謝が目に見える形でその本人に伝えることができた瞬間だったのではないでしょうか。
幸せは比べるものではありません。幸せの感じ方・捉え方は人それぞれです。「幸せのスナップショット」は、自分にとっての幸せの価値を認めたり肯定したりするツールになり得るのかもしれません。
今後は、より感情分析の精度を高めながら「幸せのスナップショット」があるとより幸せになれる人を増やすべく、自身の日々の感情の動きをアーカイブしていく感情ジャーナリングや、幸せな感情を唯一無二の改変不可能なデータとしてアーカイブしていくブロックチェーン等に挑戦していきたいと思います。