PxCellがつくる大切な誰かの一部を纏う未来——ナナナナ祭2024を終えて

100BANCH GARAGE Programの72期生の「PxCell」は、大切な誰かの一部を纏うバイオファッションテックブランドです。細胞やDNAを結婚指輪・お守り・形見に加工することで「大切な誰かを纏い、想いを繋ぐ」社会の実現を目指しています。

今回のナナナナ祭の展示では、大切な誰かを纏う細胞アクセサリー「PxCell Wear」シリーズだけではなく、新作アイテムとして、DNA香水「PxCell Mist」（ピクセル ミスト）や蚕由来のヒトの糸「PxCell Thread」（ピクセル スレッド）、お互いの一部を纏う結婚指輪「PxCell Marriage」を展示しました。

 

PxCellの新プロダクトを公開

「PxCell Mist」はDNAが入った唯一無二の香水です。サンプルとして、ファッションコミュニティ「东京电讯」のモデル「Nehchan」から採取した細胞からDNAを抽出して、本人が希望する匂いに調香された香水の中にDNAを着色した「PxCell Gem」として封入しています。

「PxCell Thread」は蚕由来のヒトの糸です。シルクにヒトのDNAを混合させています。運命の赤い糸のように一途で大切な想いを糸や生地に込めることができます。

「PxCell Marriage」はお互いの細胞を独自のコラーゲン足場技術で埋め込んだ結婚指輪です。LGBTQ当事者で同性カップルの友人から「子供を授かれない代わりに、二人が愛を育んだ軌跡を何か形にして残したい」という相談を受けたことをきっかけにオーダーメイドの制作サービスを始めました。

 

SFの世界観を現実へ

PxCellの展示は、白を基調としています。その理由は「バイオハザード」のアンブレラ社や映画「アンチヴァイラル」、セラノスのようなバイオテック企業をモチーフにしており、バイオ系SF=白色のディストピアのイメージをあえて踏襲しているからです。SF作品の世界観を現実世界で実装する集団は珍しいと思いますが、人が想像した未来は必ず到来し、これからの100年では想像を超える世界になっていくでしょう。そして、その世界は単一の思想が支配するディストピアではなく、色んな思想や世界観が複雑に絡まったレイヤー構造の世界になると考えています。私たちは、これからも人の想いに寄り添いながら、未来を逆算することで、細胞やDNAを纏う未来を社会実装していきます。

実際に展示を見に来ていただいた方々の反応は様々で、多くの方がPxCellの世界観に驚かれていましたが、「婚約指輪をつくってみたい」というご意見や実際に亡くなったペットのDNAをアクセサリーとして残したいというご依頼もいただきました。

 

渋谷発光系油そば「バイオラーメン」

ナナナナ祭を賑わせたバイオラーメン。その正体は光る油そばです。トウモロコシの粉末やビタミンB2を使うことで、ブラックライトの下で麺が緑色に光ります。

68期「A cultured energy drink」の田所直樹と72期「PxCell」の川又龍人、バイオニートの石尾魁大の3名で3ヵ月をかけて完成させました。バイオラボでの雑談から生まれたこの究極のバイオフードは、ただ光るだけではなく、ラボの実験器具のオートクレーブで2気圧をかけて豚骨やエビ、煮干しのエキスを抽出したり、低温調理でコラーゲンを分解させずにチャーシューを作るのが特徴で、実際に試食された方々からも美味しいと評判でした。

そして、バイオラーメンに参加してくれたバイオニートや友人、お客さんが集まって新プロジェクト「Bio Kitchen」が生まれました。「Bio Kitchen」ではバイオ技術を用いて新たな食の体験を追求していきます。

これからも私たちは100BANCHで100のバイオプロジェクトを目指す「100BIO」を掲げて邁進していきます！